2003.06.04

昨日、シンちゃんは生まれて初めての予防接種を受けた。
「ポリオ菌」と呼ばれる菌の予防接種だったようだ。
私は仕事だったので一緒に行なかった。

「どう、シンちゃん泣いた?」
え? なんで?」(妻)
「だって、注射でしょ? 痛がらなかった?」
注射じゃなかったわ。 スポイトやったわ。」(妻)

予防接種のくせに、注射じゃないものがあるなんて、とても不思議だ。

いっぱい赤ちゃんおったけど、シンちゃんが一番可愛かった♪」(妻)
母は完全に親バカだ。
それに、一番、髪の毛が薄かった♪」(妻)
そうなのだ。
シンちゃん、なぜか、髪の毛がメチャメチャ薄い。
横や後ろはほとんど生えてないし、てっぺんから前にかけては薄い産毛がチョロチョロ。
その産毛がまた可愛いいのだが(父も親バカ)、
大人になってもこのままだと、かなり可愛そうだ。

やっぱりシンちゃん、大きいわ。」(妻)
3600g弱で産まれたた割に、最近、成長が止まったように感じていた。
義姉の息子は信じられないほどでかく、
またイギリス人の友人の息子達も日本人の普通の赤ちゃんに比べるとバカでかい。
そんな巨大児ばかり見ている私達夫婦にとって、シンちゃんは小さく見える。
また、1週間に1回しかウンチをしないことを決め込んだシンちゃんは、
下腹部が張っているせいか食も細いようで、あまりミルクを飲んでいないはずだ。
それにしてはムチムチ、丸々のおデブさんのシンちゃん。
他の子供達と比べたら、随分と大きかったようだ。
4300gで産まれた私に似れば、大きく産まれて小さく育つはずなのだが・・・・・。
(小学校1年生で、確か前から3番目くらいの身長だった。)

名前、ポリ男にすれば良かったかったかなぁ?」(妻)
「え゜え゜ーーっ!? そりゃ変でしょ!」

ところで、明日は何時に家を出るん?」(妻)
「あれ? 明日はどっかに出かける計画だったけ?」
あれ? 明日って、仕事じゃなかったっけ?」(妻)
「え゜え゜ーーーー!!!!???? マジ〜〜〜ッ!? 明日も仕事だっけ?」

スケジュールを見ると、なんとっ!、明日も仕事ではないか?

昨日は1泊2日のパターンの2日目だった。
明日(今日)は休みだぁ〜、と幸せ気分に浸っていたのに、スケジュールを見ると、なんとスタンバイ!
冗談じゃないよぉ〜、と損した気分に打ちひしがれていた。
もう1日働けば、休みだ!、とせっかく自分に言い聞かせていたのに、明日もまた仕事だなんて・・・。
超、サイアクゥ〜〜。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

スタンバイ中、同期のK君に会った。
彼もホームページを開いているのだが、その彼のホームページの掲示板に
先日、私が作ったゆりかご揺らしマシーンの動きが速すぎる、とのコメントがあったらしい。
確かに動画を見るかぎり速すぎる感じもするし、
私自身、「幼児虐待で訴えられたりしてぇ〜♪」と妻に冗談を言っていたぐらいだ。

しか〜し、実際にはあれでちょうど良いのですっ!

ゆりかごを手で動かしたとき、遅くて1分に50回(振幅が大きい場合)、
速くて1分に80回(振幅を小さくした場合)揺れるので、
動画の動きは一番遅い方に合わせてあります・・・・・・・。

現在、振幅が小さく1分に80回のサイクルのものを作っているところです。



2003.06.08

朝、2時に目が覚めてしまった。
今日は5:00起床なので、昨晩21:00にベッドに入った。
8時間寝るつもりが、5時間しか寝れてないぃぃ〜〜〜!
と思うと、あせって全然眠れないものだ。

チェックフライトだった。
私を審査するキャプテンと一緒に、搭乗ゲートまで行った。
ゲートを通ったそのとき、何故かステイバッグがひっくり返って、ぶっ壊れたぁあーーーーっ!!
そこら中にカバンの中身がまき散らかれ、私は必死で下着やら洗面道具やらを集めてカバンに放り込み・・・・、
アレェェエエ〜〜〜〜??
カバンのちょうつがいが外れてしまって、二枚貝が真中ではずれたみたいになってるぞぉ〜〜!
どうすんだよ、オイ!
キャプテンはとっとと行ってしまったし、お客さん達には注目されまくってるし、
あ゛ぁ゛あ゛ぁ゛〜〜〜〜〜ッ!!
カバン、どうしよう!
なんでチェックのときに、こんなことになるんだぁぁぁああああ〜〜〜〜っ!!!!

ピピッ、ピピッ、ピピッ、ピピッ、ピピッ、ピピッ、ピピッ、ピピッ、ピピッ、ピピッ、ピピッ、ピピッ

遠くで何かが鳴っている・・・・・・・。

ハッ、と目が覚めた。
夢だった。

クッソォ〜ッ!
激ネムだぞぉ〜!
妻もシンちゃんもまだ寝てる。
インスタント・コーヒーを作り、新聞を読んで、朝食代わりの納豆4パックを一気食い。
ん〜っと・・・・、なんだよ、今日は野球放送で 「さんまのからくり」 が休み?
天気は良さそうだし、野球、中止にはならんだろうなぁ〜。

7:10発の 伊丹 → 宮崎 に乗務するため、5:55に空港に到着した。
キャスターのついたステイバッグにフライトバッグを乗せ、ガラガラ音をたてながら引っ張って
ターミナルの自動ドアの前に立った。
あれっ? ドアが開かない?
中には沢山の警官がいるし、地上係員もいる。
でもドアは開かない。
1歩下がってもう一回ドアの前に立った。
開かない。
もう一回下がって、ドア前の天井に赤外線らしきものがないか確認し、手をかざしてみた。
開かない。
つま先を伸ばして、ドア前の床をチョンチョンと突っついてみた。
やっぱり開かない。
ん?

ハッと気がついた。
時計を見ると、6:00前だ。
そうだった、ターミナルは6:00から開くんだった。

おまわりさんとバッチリ視線が合ってしまった。
かな〜り怪しい人物に見えていたことだろう。

職員用の通用口へ回って、そこからエントリー。
ターミナルがまだ開いてないなんて、もう、なんて早い出社なんだ・・・・。

今日、一緒だった客室乗務員(CA)は関空ベースなので、私よりもっと早くに家を出たようだった。
そのうちの一人は、伊丹空港に早く着すぎてしまったとか。

「で、何時に着いたの?」
5時20分です。」(CA)
メチャメチャ早いやんけぇ〜〜?!

そこから話はそれて、空港で寝泊まりする話題になった。

関空はターミナルが24時間オープンなので、時々寝ている人がいるんですよ♪」(CA)
「へぇ〜、国内でも空港で寝てる人、いるんですか? 私もニューヨークでやったことありますけど。」
この間、羽田に朝早くついて、ターミナル内を走ってたんですよ。
 そうしたら、警備員さんに呼びとめられて言われました。
 『走っちゃダメだよ。 寝てる人がいるからね。』 ですって♪
」(CA)

なんとも親切な警備員さんではないか。

一度、沢山の飛行機が千歳からダイバートして羽田に夜遅く到着して、
 私の分のホテルが取れなくて、事務所で寝たことあるよ。
」(キャプテン)
「本当ですか!?
 僕はカーペットの上で寝るの平気ですし、枕もいらないんで、事務所で寝れれば全然OKですよ。」
そのうち、ステイ先はホテルに泊まるんじゃなくて、空港で寝泊まりすることになったりしてね。」(キャプテン)
「伊丹空港でいっぺん野宿してみますか。」
そうですよ! アクタス(空港内の家具屋)だったら、日替わりで色々なベッドに寝れますね♪」(CA)
「あっ、でも、朝起きて枕がヨダレでグショグショになってたらヤバイですね♪」
そんなことしたら、絶対、買取りですよ。」(CA)

ノリの良いキャプテンとCAさん達と、なかなか楽しい一日だった。



2003.06.09

朝一の 高知 → 伊丹 での出来事。

エンジンをかけ終え、滑走路へ向かっている途中、インターフォンで客室乗務員(CA)に呼ばれた。
お客様が突然、お手洗いに駈けこまれましてしまいました。」(CA)
「了解しました。 出てきたら教えてください。」

どうやらコックピットのすぐ後にあるトイレに入ったようだった。
「大きい方ですかね、小さい方ですかね? 大きい方だと、出てくるまでに時間がかかりますね。」
う〜ん、二日酔いで気分が悪い可能性もあるよね。」(キャプテン)

滑走路へ向かう誘導路は一本しかない。
高知を出発する飛行機は、私達のすぐ後に東京行きがある。
彼らが来る前には離陸してあげないと、詰まってしまうなぁ・・・・。

そんな心配をしていると、東京行きが管制官を無線で呼びだした。
Stand by push back due to minor trouble.
(マイナートラブルが発生したので、プッシュバックを少し見合わせます。)

おお、いいタイミングじゃん。
もうしばらくの間は誘導路をふさいでいても問題なさそうだ。

待つこと2分。
トイレの水が流れる音がした。
しかし、まだ出てこない。
それから数分して、やっと出てきた。
お客様、トイレから出てきました。 離陸準備完了です。」(CA)

上空で、再びCAにインターフォンで呼ばれた。
先ほどのお客様、またお手洗いに入りました。」(CA)
そうですか。 あと15分程度で着陸です。
 お客様でトイレに入っていると着陸できないことを、次にお客様が出てこられたら伝えてくれますか?
 ところで、お客様、男性ですか? 女性ですか?
」(キャプテン)
20才代の女性の方です。」(CA)

前日、飲みすぎてしまったのだろうか?

また、インターフォンが鳴った。
お客様、なんとか着陸まで我慢できる、とおっしゃってました。」(CA)

伊丹空港でお客さん達が降りていくのがコックピットから見えた。
最後の方のお客さんの中に、若い感じの女性が前かがみでヨレヨレ歩いているのを発見!

インターフォンが鳴った。
全員、降機完了しました。」(CA)
「はい、了解。 お疲れ様でした。 ところで、先ほどのお客さんって、白いシャツに黒いパンツでしたか?」
はい、そうです。」(CA)

ははぁ〜ん、やっぱり彼女だったのだろう。

関空まで便乗で移動。
私の2つ前の列に、怪しい男性が座った。
1m以上は離れているのに、酒臭いのが分かる。
CAさんを呼びつけては、ビールはないのか聞いている。
この便はお酒の販売をしていない、とCAが伝えると、ウーロン茶を頼んだ。
座席ベルトはなかなかしめないし、奇声は発するし、彼女達も対応に苦労していた。
それでもなんとかベルトを締めさせ、無事に離陸した。
彼は上空で再びビールをリクエスト。
だから、ないって言ってるじゃんかよっ!
またまたウーロン茶で我慢することにしたようだった。

みなさん、飛行機に乗る前にお酒を飲むときは
回りの人達に迷惑をかけないよう、ほどほどにしましょうね♪



2003.06.14

キャプテンに続き、階段を上りディスパッチへ向かった。
何気なくキャプテンを見上げ、また視線を足元に向けた。

あれっ?
左の腕が肘のところから不自然に曲がってる?
どうしたんだろう?

ディスパッチから事務所へ戻る途中、キャプテンに聞いた。

「キャプテン、昔、左腕を怪我しましたか?」
あぁ、これ? 昔さぁ、脱臼しちゃって、ヤブ医者だったんだろうな。
 曲がってくっついちまっったんだよ。
」(キャプテン)
「へぇ〜、それって治療ミスですか?」
t多分、そうだろうな。 航大を受験する前に、身体検査が受かるかどうか心配で、
 航空身体検査を専門にやってる病院で見てもらったんだよ。
 そうしたらさ、医者が 『普通に使えるなら大丈夫じゃないですか?』 とか言うんだよね。
 全くいい加減なもんだよ。
」(キャプテン)
「でも、身検、受かって良かったですね。」
まぁ、こんなつき方しちゃったけど、良かったのかもしれないな。」(キャプテン)
「え? どうしてですか?」
ほら、オレの場合、キャプテンになって左席に座るようになって、操縦が天才的にうまくなったわけよ。
 きっと、この左肘の曲がり具合が、微妙なコントロールを可能にしたんだろうな。
」(キャプテン)
(注 : キャプテンは左手、副操縦士は右手で操縦桿を握っている)
「そういえば、キャプテン、車も外車で左席ですよね。」
そうよ。 車も左腕で運転してるのさ。 利にかなってるだろ?(とっても自慢気)」(キャプテン)

このひとは、一体、どこまで引っ張るつもりなんだろう?と思いつつ、
私が会話を終わらせることにしたのだった。

伊丹 → 宮崎 → 名古屋 はキャプテンが担当した。
たまたまそのエリアは梅雨前線にともなった雲の頂上部分が低く、気流は良好だった。
名古屋 → 福岡 は私の担当だ。
通らざるを得ない中国地方の上空の雲の高さは 39,000feet 近くありそうだった。
お客さんは満席だし、サービスに必要な時間を考えると、上がっても Max 35,000feet と思われた。
ところが、35,000feet は他の飛行機に取られてしまい、私達は 31,000feet で飛ぶ羽目になった。

「参りました。 FL310 って揺れそうですね。」
絶対、揺らすなよ。 ちょっとでも揺らしたら怒るからな。
 揺らさないのが腕の見せどころ。 分かってる?
」(キャプテン)
「もう、無茶、言わないでくださいよ。」

そして、実際に飛んでみると、FL350 はそれほど悪くなかった。

「350、意外といいですね。 私の行いのおかげでしょうかね。」
んなわけないだろ? 気流がいいときはオレのおかげ。 悪いときはあんたのおかげ。
 当たり前だろ?
」(キャプテン)
「次って、福岡 → 高知 をYS-11で便乗じゃないですか?
 ずっと雲の中を飛ぶし、きっと揺れると思うんですけど、
 それって、やっぱり YS に乗務してるコーパイのせいですかね?」
何言ってるの? それもあなたのせいでしょ?」(キャプテン)

ああ言えば、こう言う。
文章にして書くと、いかにも理不尽な感じのキャプテンだが、
口調は面白いし、次に何を言うかほとんどお見通しなので、
コーパイ連中、みんなに好かれているキャプテンなのだ。



2003.06.15

朝、5:20起床。
アラームの音がいつもと違う・・・・・。
ここはどこ?
ああ、高知のホテルか。

洗面所で髭を剃ろうと、冷水とお湯の蛇口を開いた。
フーーー。
寝グゼで髪の毛はメチャクチャ。
シンクに目をやると、 あれっ?
お湯は出てるけど、水が出てない。
おっかしいなぁ〜。
確かに両方ともひねったはずだけど。
寝ぼけてるのかなぁ〜。
最近、物忘れが激しくなってきたけど、蛇口を開いたかどうかまで忘れるようになってしまったなんて、
随分と進行してるなぁ、アルツハイマー。

右手で冷水の蛇口を再びひねった。
あれぇ〜?
水、出ないじゃん。

蛇口を一回 Full Colse に閉めて、もう一度開けた。
やっぱり水が出ないぞ?
何度か試して、諦めかけたとき、蛇口をたたいてみた。
おっ、水が出た♪
どうやら、蛇口の調子が悪かっただけらしい。
その後も何度かひねったり、閉めたりしてみたが、やはり水は出なかった。
チェックアウトするときに、蛇口が壊れてることを教えてあげよう。

今朝はホテルのバイキング。
6:00オープンでホテルを出発するのが6:20だから、あまり食べてる時間はない。
でも、昨晩はあまり食べてないので腹ペコ。
急いで食べなければならない。
取り過ぎは禁物。
バイキングに弱い私は、必要以上に皿に盛ってしまう傾向がある。
少なめに、少なめに。
そう言い聞かせながらトレーに盛っていった。

テーブルに戻ると、キャプテンが座っていた。
「おはようございます♪」
なんだよ、それ。 オマエ、朝からよくそんなに食えるなぁ〜。」(キャプテン)
「そうですか? これでもかなり減らしてるんですよ。」

以前、松山のホテルのバイキングで、今日の2倍程食べたことがある。
あのときは苦しすぎてまっすぐに座れなかった。

空港に到着し、客室乗務員(CA)さん達と話をしていると、キャプテンが言った。
朝からうるさいなぁ。 こんなに朝早くから、どうしてそんなに元気なの?」(キャプテン)
「どんなに眠くても、僕って目覚めて3秒で全開ですよ♪
 で、騒いでて、よく同期に 『ブッ殺す』 って言われました。」
なんでそうされなかったかなぁ〜。」(キャプテン)



2003.06.19

お風呂の水を使って洗濯をし、残りの水で私は水浴びをしていた。
それでも水は余ったので、バスタブを洗うために栓を抜いたが、水はなかなか流れない。
手桶を片手に、洗面器をもう一方の手に、水をバスタブから猛スピードで掻き出した。
1秒に1.5回ほどのペースで水を掻き出すと、バスタブ内の水位はみるみると下がっていく。
これは面白い。
夢中になってやっていると、買い物から帰って来た妻の声がどこからか聞こえてきた。

カギがかかってて、家に入れないんだけど。」(妻)

風呂場の窓の外からだ。
そうだっ思い出した! 買い物に出かけてたんだったっけ。
あれぇ〜、いつ家のカギを閉めちゃったっけなぁ〜。
そうか、車を入れ直して、その後、カギを閉めてしまったんだ。

ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、ガチャ、ガチャ。

家の裏手から妻は既に玄関に回りこみ、ドアを開けようとしていた。
水浴びをした後、そのまま風呂を洗おうとしていた私は、もちろん素っ裸。
しかもズブ濡れ。

「ちょーっと、待て! ちょーっと、待て! 今、行くから!」

大急ぎで体を拭き、フルチンのまま玄関まで走っていって、ドアのカギを開けながら叫んだ。

「まだ開けるなよ! フルチンだから!」

玄関のドアを開けると、通りから脱衣所までまる見えの我が家。
ダッシュで脱衣所に戻り、ドアを閉めて、再び叫んだ。

「もういいよっ!」

家に帰ってきて、両手がふさがってて、ドアにカギがかかってるし、
 何度、ピンポンしても全然返事ないし、
 いい加減、腹立って裏に回ってみると、風呂場から バシャーッ、バシャーッ って、
 激しい水の音が聞こえてきたからビックリしたわ。
 お風呂でバタフライでもしてるのかと思ったよ。
 一体、何してたん?(大爆笑) 
」(妻)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

なんで、そんなに汗をかくほど動き回り、水浴びする羽目になったか、というと・・・・・・。

今朝、会社から電話があった。
伊丹 − 高知(413、410便)から始まり、新潟、名古屋へ行くスケジュールだったのだが、
誰かが413、410を飛ぶことになり、私は、伊丹 → 新潟 → 名古屋 だけの勤務になった。
オリジナルのスケジュールでは、11:50 に家を出る予定だったが、
413、410 がキャンセルになったことで 16:00 に家を出れば良いことになったのだった。

午前中に走りに行き、買い物まで済ませる予定だったが、それをしなくて良くなった。
そこで妻が買い物に行き、私はシンちゃんと遊んでいた。

そこへ、再び会社から電話があった。
413、410便は、やっぱり私が飛べ、とのこと。

ゲェ〜〜〜ッ!?
マジッすかぁ〜〜〜〜?
全然、行く準備できてないじゃん!
絵本なんて読んでる場合じゃないじゃん!

え〜っと、パンツとぉ〜、靴下とぉ〜、あと何を持って行けばいいのぉ〜?
屋外に放置してあった工具を片付けて、車を入れなおし、買い物リストを作り、
メールチェックして、そうそう、ダイアリーは更新したよな? 今朝したな。 OK、OK。
オークションで狙っているものの価格もチェック。

家の中をバタバタ、上へ行ったり、下へ行ったり、それで汗をかきまくって水浴びをしていたのだった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
会社へ到着。

どうやら台風の影響で午前中は、九州方面への便が多数キャンセルになっていたようだった。

事務所からディスパッチへはクルーバスで向かった。
その途中、バスの運転手さんが振り返り、言った。

あのぉ〜、413便、キャンセルになったみたいですけど。」(運転手)
・・・・・・・・・・・・、えーっと、せっかくここまで来たんで、とりあえずディスパッチへ行ってください。」(キャプテン)

ヌワヌィ〜ッ!!
413便がキャンセルだぁぁああ〜〜〜〜??

せっかく来たのにね。」(キャプテン)

ディスパッチから事務所へ戻ったのは 13:00。
次の便まで4時間待ちだ。

現在、14:10。
これから何をしようかなぁ〜。
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2003.06.20

新潟のホテルでテレビを見ていた。
札幌で新たにタクシー会社を始めた、3人の運転手さん達の話だった。
他社の運転手さん達へのインタービューがあり、近頃はタクシー業界も大変とのこと。

3人目のインタビューは女性だった。
ん? 見たことあるぞ?

それは、私が丘珠勤務だった頃、お世話になった元北都交通の運転手さんで、
札幌で初めて個人タクシーの免許を取った女性ドライバーだった。
そういえば、ピアスを作ってあげたっけ♪

仕事は大変とのコメントだったが、あれから6年も経つというのに、容姿のほとんど変わらない彼女。
元気そうでなにより。
嬉しさのあまり、テレビにニッコリしてしまった私だった。



2003.06.21

便乗で 新潟 → 千歳 を移動。
新潟空港内の社員専用の階段を使い、1階から2階へ移動した。
この階段、ビルの非常用階段のような構造をしており、壁はコンクリート、床も固い素材でできている。
この階段を上がり、2階のドアを開けるのだが、その先はX線の内側のエリアだ。
誰でも入れないように暗証番号を入力するテンキーがついている。

テンキーの手前には踊り場がある。
キャプテンと私はフライトバッグとステイバッグを積んだ状態でそこへ置き、テンキーを操作した。
キャプテンはフライトバッグをキャリアに載せ、フライトバッグの上にステイバッグを載せている。
私は、自前のキャリア付きのステイバッグの上にフライトバッグを載せている。
ステイバッグはおよそ10kg強、フライトバッグは15kgを超える。
キャプテンがテンキーを入力し、ドアのカギが開いたところで、私がドアノブを引いた。
ドアは私のステイバッグに当たり、その上のフライトバッグがステイバッグから落ちた。
階段を上りきった踊り場の端に私のカバンは置いてあった。

ドスン、ドスン、ドスン、ドスン、ドスン、ドスン。

ものすごい音をたててフライトバッグが回転しながら、まるでサイコロのように階段を落ちていった。

「あ〜あ。」

ドスン、ドスン、ドスン、ドスン、ドスン、ドスン。

もう誰にも止められない。

階段の一番下まで、フライトバッグは階段と平行に転がり落ちていき、踊り場のところでやっと止まった。

ハァーッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ!

キャプテンも私も笑うしかなかった。

X線に待機している警備員は、ものすごい音に、何事か?と入ってきた。
そして階段下に落ちている私のフライトバッグを見て、状況がつかめたのか、彼もまた笑っていた。

15kg以上もあるカバンが 5m 近く落ちたのに、カバンはどこも壊れていなかった。
会社の貸与品だが、よっぽど頑丈に出来ているのだろう。
これが壊れれば、次は新しいタイプのカバンがもらえたかもしれなかったのに!

飛行機に乗りこむまで、キャプテンも私も笑いが止まらなかった。



2003.06.25

朝一の 高知 → 伊丹。

当初、巡航高度 15,000feet を計画していたが、
上昇中 8,000feet を過ぎたあたりから猛烈に揺れだした。
見た目の揺れそうな雲が四国上空に広がっていたが、入ってみるとやはり強烈だった。

どうにも我慢できない揺れに、11,000feet まで降下した。
それでもまだ激しく揺れる。

10,000feet を超える高度では、250kt 以上の速度で飛ぶことができる。
10,000feet 以下は制限速度が 250kt だ。
通常なら 300kt は出しているので 10,000feet を超える高度で飛ぶのだが、
今日は 11,000feet で 280kt まで減速していた。
減速した方が揺れが少ないからだが、それでも我慢できないほどガタガタだ。

仕方なく 250kt まで減速し、9,000feet まで降りることにした。
これでようやく揺れは止まった。

キャプテン曰く、高知−伊丹 間を 10,000feet 以下の高度で飛んだのは3年ぶりだそうだ。
私も以前、1回あったかなかったか。

帰りの 伊丹 → 高知 は高度、いくらで飛ぼう?
私の担当だったので、私が考えなくてはならない。
カンパニーを聞いていると、どうやら 16,000feet を超えるとましなようだった。
じゃあ、18,000feet にするか。

客室乗務員(CA)にブリーフィングした。
「今日は上昇、降下ともに大きく揺れるようです。
 18,000feet で行ってみますが、恐らく若干は揺れるのではないかと思います。
 シートベルトサインは、消せたとしても5分程度と思っておいてください。」

伊丹空港を離陸し、6,000feet を過ぎた当たりで雲の上に出た!
あれぇ〜? さっきと全然違うじゃん?
すでに揺れそうな雰囲気の雲は東に遠ざかっており、西には青空が広がっていた。
前便から1時間以上経ってるけど、こんなに速く移動するかなぁ?

上昇中、全く揺れず、18,000feet まで上がるのを止め、
通常通り 16,000feet で巡航に移ったがこれまた揺れず、
高知空港へ向けて降下中も全然揺れなかった。
CA さん達にブリーフィングでウソをついちまったゼイ。

でも良かったぁ♪
ほんとは離陸前にキャビンアナウンスを入れようと思ってたんだよなぁ。
今日は、上昇、降下は激しく、巡航も若干を揺れるって。
時間がなくて入れることができず、恥かかずにすんだわい♪



2003.06.27

国道171号線と産業道路の交差点に近い、コーナンと上新電気へ行った。

2階の駐車場に車を入れ、エンジンを切ったとき、
前方をゆっくり横切るアコードワゴンが視野に入った。
あれっ? Nじゃん?
運転席には同期のNが、後部席には奥さんが娘さんと一緒に座っている。
どうするのか見ていると、私の隣の駐車スペースにバックして入ってくるではないか?!

たまたま知り合いと同じショッピングセンターで出会い、しかも駐車場で互いに隣同士になり、
さらに同時刻に到着する確率って、どれほどのものだろうか?
ちなみに、Nとは今年の正月にダイアモンドシティーでもバッタリ出くわした。

私は、車を降り、Nに駈け寄った。
「何、してるの? こんなとこで?」
ショッピングだよ。」(N)
まぁ、そりゃそうだわな。

彼らと分かれて、私は上新電気へ向かった。
レジに並んでいると、N夫妻が入ってくるのが見えた。
彼らが消えて行った場所には、高級なテレビがあったはず・・・・。
会計を終え、彼らを探しに行ってみると・・・・、
お゛ぉ゛〜〜〜っ! 液晶テレビじゃん!

え゛ぇ゛〜〜。 48万円??!!
大きな液晶テレビの前にいた彼ら。

「何、何、このでっかいの買うの?」
そんなわけないじゃん。。 お金ないよ。 こっち。」(N)

大きなテレビの上にあった、小さな液晶テレビを指差した。
おぉ〜っと、小さくてもあなどれない。
15万円だぁ♪

私は独身時代、初めての一人暮らしのとき24インチのワイドテレビを39800円で買ったっけ。
結婚して新しく買ったテレビは、大奮発して28インチのワイド、49800円だった。
画面はまだ曲面だった。

うちのテレビが壊れちゃってさぁ〜、それで見に来たんだ。
 そうそう、君の車、カギかかってなかったよ。
」(N)
え゛ぇ゛え゛ぇ゛〜〜〜〜〜ッ!!??
そっか、Nを見つけてビックリして、車を飛び出たままカギをかけなかったっけ。

「おぉ、教えてくれてありがと。」

購入した15Wの蛍光灯が邪魔だったし、丁度いい。

駐車場へと続く自動ドアが開き、外へ出ようとすると、あれっ??
見たことある人だなぁ〜?
どこで見たっけ・・・・・・・。
あっ!
先日、シンちゃんの4か月検診で保健所へ行ったとき、私の次の次にいたお母さんだ!

随分と偶然が重なる一日だった。



2003.06.28

正午からの出勤だったので、午前中にスーパーへ行った。
仕事に行く前に、妻が用意してくれていた野菜類の他に、何かむしょうに食べたかった。

おっ! あるじゃん、あるじゃん♪
冷凍の牛肉、ハラミが100g100円なりぃ〜♪
う〜ん、なんかおいしそう。
でも、やたらと量が多い。
一番小さいパックでも400gを超えている。
どーしようっかなぁ〜。
よしっ!

私は550gのパックを手にとりレジへ向かった。

その途中、あれっ?
あ゛っ! また、あのひとだ!
例の4か月検診で2つ後にいたお母さんだ。
なんでこんなによく会うんだろう?

思わず足が止まってしまったその場所は、アイスクリーム売り場だった。

レディーボーデンかぁ〜。 500g380円?
ハ―ゲンダッツもおいしそうだなぁ〜。
でも、こんなに小さいカップで298円だもんなぁ〜。
これは割高だよなぁ〜。
んんんんーーーーー。 やっぱやめたっ!

自分の欲を抑えることができた意思の強さに満足しつつ、
レジの先にある買った商品を買い物袋に積める場所へ移動。
そこで、トイレットペーパーのようなロール状の半透明の袋をガラガラと手に巻き取った。
シンちゃんのオムツ入れに、少し拝借♪

家に戻ると、妻は言った。
そのお肉、どうするん?」(妻)
「食べるの。」
今日から2泊3日で家にいない私だ。
550gもの肉を買ってきておいて、私がどう処理するのか妻は心配だったのだろう。

何気なく冷凍庫を開けてみると、そこにアイスクリームを発見♪
買ってこなくて良かったぁ〜。
これ、後で食〜べようっと♪

家を出る前、肉を焼くためにキッチンへ立った。
すると妻が掛け声をかけた。
フーッド・ファイトッ!」(妻)

しばらくして妻がキッチンへやってきた。
それ、どんな味付けして食べるん?」(妻)
「え? そのまま焼くだけだよ。」
妻は眉間にシワをよせた。
真っ赤なお肉をプラスチックのパックから出し、フライパンの上で焼いてそのまま食べる。
それが私の食べ方だ。

そんなに食べきれるの?」(妻)
既にかなりの量の野菜炒めを食べていた。
「う〜ん、ちょっとキツイかなぁ〜。 でも、まぁ、なんとかなるっしょ。 もう、そんなにまずそうに見るなよ。」
仕方なく、最後の方はコショウをかけ、ちょっとだけ醤油を振りかけてみた。

「完食〜♪」
かなりお腹がいっぱいだったが、なんとか胃袋に収まった。

「あ゛あ゛あ゛ぁ゛〜〜〜〜〜っ!!!!????
 アイス食べるの忘れたぁ〜。 もう、腹いっぱいで食べれないよ。」



2003.06.29

名古屋発新潟行き
この便には便乗の乗員と客室乗務員(CA)が乗ることになっていた。

ターミナルを歩いていると、私達が使用する飛行機に乗務していた乗員とすれ違った。
「お疲れ様です♪」
次、便乗させて頂きます。 よろしくお願いします。」(前便の乗員)

スポット、どこだったけ?」(キャプテン)
えーっと、10番だったけ。
搭乗ゲートを通り、飛行機へと続く通路を歩きながら、外に駐機してあるエアバスを見た。
あぁ、あれか。
んっ?
なんで、まだ乗員が乗ってるんだろう?

その飛行機のコックピットには、乗員が二人座っていた。

そうか、まだお客さんが降りてる途中なんだ。
えっ?
でも、さっき、前便に乗ってた乗員とすれ違ったよな?
あっ!
ここは11番スポットじゃん。

私達が使用するのは、その隣に留めてあった飛行機だった。

お客さんの搭乗開始。
出発前の準備を終え、乗り込んでくるお客さんの方向を見ると・・・・・。
コックピットから数メートルの窓からおばちゃん二人がこちらを覗きこんでいる。
手を振ってみるか。

私は満面の笑顔で二人組みのおばちゃんに手を振った。
二人は一瞬、ギョッとした顔をして、一歩後ずさりした。

今度は両手で大きく手を振り、ニターッ、とイタズラっぽく笑ってみた。

誰か知ってるCAさん?」(キャプテン)
「いえ、お客さんのおばさんです。」

おばちゃんは、後を振り返り、誰もいないことを確認してから、私?、と自分を指差している?
引き続き私は手を振り続けたが、二人組みのおばちゃんはオドオドと窓から離れ、視界から消えた。

あっちゃー、マズかったかなぁ?
大抵のおばちゃん旅行客は、ノリノリなんだけどなぁ〜。
気分を害してたりして・・・・・。

そんな出来事をすっかり忘れて新潟に到着。
コックピットを出ると CA さんが言った。

女性のお客様が、搭乗してくるなり笑顔で 『パイロットさんに手を振ってもらちゃった♪』 って、
 とてもご機嫌でしたよ♪
」(CA)
あぁ、さっきのおばちゃんか。
「そうですか。 それは良かった。」
それがですね、その喜び方が普通じゃなかったんですけど。 かなり嬉しかったみたいですよ。」(CA)
「僕、こうやって手を振ったんですよね。」
と言いながら、さっきと同じ仕草をした。
すると、
えっ! そこまでしたんですか?」(CA)
マズイ・・・・・。
ディスパッチへ急いで行かなければいけないふりをして、私はソソクサと立ち去った。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

新潟から札幌へ向かう機内に流れるCAさんのアナウンスが聞こえてきた。
私達は管制との交信、カンパニー無線の他に、キャビンアナウンスも聞いている。
その声が、なんと表現すれば良いのか、とても 『輝いて』 聞こえた。
内容はいつもと同じなのだが、声色が美しく響いて聞こえた。

やめればいいのに、おせっかいな私は札幌に到着後、
誰がアナウンスしていたのか機内前方を担当していた CA さんに聞いた。
それは、後方の CA さんで、アナウンスリーダーと呼ばれるアナウンスの指導員だった。
どうりで、美しいわけだ。

後で彼女に会ったときに話しかけてみた。
「あのぉー、さっきの便でアナウンスを入れてらっしゃったのはあなたですか?」
彼女は一瞬戸惑いながら、
えぇ、そうですけど、何か問題ありましたか?」(CA)
うわぁ〜、ヤッベェー! もしかして、否定的な意味にとってしまった?
「あっ、イエ、あの、イヤ、その・・・・、なんか、声が輝いてる感じだったもので・・・。
 あっ、もう前に座っときますね。 よろしくお願いします。」
丁度いいタイミングだったので、そのまま次便の準備のためにコックピットに入った。

言い方がまずかったかなぁ〜。
余計なこと言ってしまったかなぁ〜。
気分、悪くしたかなぁ〜。
セクハラみたいに思われちゃったかなぁ〜。
誉めるのって、難しいなぁ〜。
あぁ、また墓穴、掘っちゃったかなぁ〜。
口は災いの元。
分かってるんだけど、いつもしゃべっちゃうんだよなぁ〜。