2003.10.04

高知から伊丹へ到着後、1時間半の中空きがあってから新潟へ行くスケジュールだった。
伊丹へ到着し、6番スポットに入った。
時間があるので事務所へ戻り、制服をクリーニングに出しに行った。
トイレにこもり、その後空港の屋上にある家具屋「アクタス」へ行った。
若干商品が入れ替わっており、お子ちゃまグッズのコーナーが新設されていた。
子供グッズを見るとワクワクする今日この頃。

おっと、そろそろ飛行機に戻らないと・・・・。
手帳を取りだし、新潟行きの出発時刻をもう一度確認。
18:00だな。
お客さんの機内への案内は、17:48のはずだから、少なくとも17:45までに準備が終わっていればいい。
ここから飛行機まで戻って、外部点検をして、ブリーフィングを終えるまでに15分あれば充分だ。
そう考え17:25にアクタスを出た。

6番スポットまでは距離がある。
腕時計を見ながらテクテク歩いていくと、
6番スポットの方角に制服を着た高校生?らしき団体が並んでいるのが見えた。
ハテ?
随分早くから並ぶんだなぁ〜?
彼らをかきわけてゲートを通り過ぎるのは、ちょっと目立ちそうだ。
イヤだなぁ〜。
まるで、みんなが私を待って立ってるみたいじゃないか?
今、何時だ?
まだ、17:35だろ?
あと10分はあるだろ?
おっかしいなぁ・・・・・・。
6番ゲートの掲示板が視野に入った。
んっ?
出発時刻が17:40?
げぇぇぇええええーーーーーーっ!!!???!!!???
マジっすかぁ〜?
うわぁ〜、やってもうたっ!
時間、間違えてしもうた!
ヤッベェ〜〜〜〜ッ!?
みんなオレを待ってるよ!
どーすんだよ!?
なんて言い訳すんだよ??

心臓が止まりそうなほど驚き、血の気が引く感じと同時に、脂汗とドキドキ感が私を襲った。
パニックだ。

ゲートに向かってダッシュしかけた瞬間、「17:40」と書かれた隣の文字が見えた。
「石見」????????

へっ?
オレってどこ行くの?
えぇーっと、どこだったっけ?
どこだ、どこだ、思いだせぇ。
えぇーっと・・・・・、そうだっ! 新潟行くんだ。
新潟だよな?
さっき、どこに到着したんだったけ?
思いだせ、思いだせ・・・・・・・。
あれっ? どこから来たんだ?
高知? 高知、高知、高知。 そうそう、高知だよ。
で、入ったスポットは・・・・・、E1(地上誘導路)を左折して・・・・・、6番だ。
そうだ、絶対6番だ。
間違い無い。
で、ここはどこだ?
6番?
イヤ、そんなわけなかろう?
よーく見てみろ、ここは・・・・・、6番だ!
ってことは、オレの飛行機はどこへ行ったんだ?
消えた?
消えたよ!?
みんなどこ行ったんだ?
ちょっと、待て。
なんか変だぞ。
オレのカバン、どこだよ?
フライトバッグとステイバッグはどこ?
なんだぁぁあああーーーーっ!!??
なにが起こっとわぁあぁっぁぁぁぁっぁぁああああーーーーーーーーーーっ???????

これらの思いが瞬間的に頭の中を駈けめぐったのだから、
きっと私はそのとき異様な動きをしていたに違いない。

どうしよう?
そうだ。 出発便の全てが掲示されているディスプレーを探せ!
あった!
走り寄り、上から探す。
上から下まで見る、下から上まで見る。
ない!ない! ない! ないぃぃぃぃいいいいいーーーっ!
えぇーっと、オレは何を探してるんだ?
何が無いんだ?
えぇーっと・・・・。 どこ行きを探すんだ? そうだっ! 新潟行きを探すんだ。
もといっ!
上から、ゆっくりだぞ。 通り越すな。 ゆっくり一つずつ飛ばさずに探せ・・・・・。
あった! 上から2行目にあった!
ゲートはどこだ?
7番?????
「出発ゲートが変更になりました。」 って、聞いてねぇーよ!

6番ゲートの隣の7番ゲートに目をやった。
あそこだっ!

私は走った。
暗証番号はなんだったっけ?
知ってるだろ?!
なんだ、なんだ、なんだぁーーーっ?
何で思いだせないんだ!?
おちつけ、おちつくんだ。
そうだっ! 思い出したっ!

ガチャッ!と重い鉄の扉を開け、PBBを走り、飛行機の入り口へ向かった。
いたっ!
さっき一緒だったCAさんだ!
彼女の笑顔を見た瞬間、大丈夫、間に合った、そう分かった。
急に震えが私を襲った、
膝がガクガク小刻みに震えている。(意外と小心者の私)

そうだっ! カバンだ! カバンはどこだ?!

カバンはキャプテンが運んでくれましたよ♪」(CA)

私の心を読んだのか、CAさんが言った。

良がったぁ〜〜〜〜。

コックピットへ駈けこむと、キャプテンが何事もなかったかのように出発前の準備をしていた。

「すみませぇ〜ん。 カバンを片付けさせて、運ばせてしまって。」
な〜んだ。 ここに来れちゃったわけね。
 もうちょっと見つけるのに時間かかるかと思ったんだけどなぁ〜。 どう、ビックリした?
」(キャプテン)
「そりゃぁ、ビックリしましたよぉ〜。
 だって、6番ゲート行ったら出発時刻17:40って書いてあるんですもん。
 時間を間違えてかと思ってあせって、もう、まだ膝がガクガクしてますよ。」

過去に色々な失敗をしたし、入社後、いろんな場面で大目玉をくらったが、
思い出せるかぎり、今日ほど焦ったことってなかったような気がする。
テレビで時々やってる「世にも奇妙な物語」のように、キツネにつままれたような、
何が起こったのかさっぱり分からない異次元にワ―プしてしまったような、そんな感覚だった。

きっと寿命が1時間は縮んだことだろう・・・・・。



2003.10.12

Runway 14から高知空港を離陸した。
左手の高知山脈の方角には揺れそうな雲がかかっていた。
大阪へ行くにはそちらの方角に旋回しなくてはならない。
どの辺なら越えられそうかなぁ・・・・・・。

おっ、あそこに切れ目があるな。
その先は雲はなさそうだ・・・・・。

ワァーオ!?!?

雲の切れ目から大きなお月様が顔を出した。
やたらと大きく見える。
ほとんど満月で黄色いその表面には踊るウサギさんマークがはっきり見えた。
キレイじゃ〜ん♪。

それから10分ほどして再び月に目をやると、
随分と小さくなってしまっていて、ウサギさんマークも識別しにくくなっていた。
不思議だ。

以前、聞いたことがある。
月や太陽は地表に近いと、その大きさを比較する対照があるために大きく見えるが、
地面から離れるにつれて対照物がなくなり、相対的に小さく見えるようになる。
また、別の説では地表近くに水蒸気が多いとき、屈折してレンズ効果で大きく見えるらしい。

本当かなぁ?



2003.10.13

日が沈んでから大阪を離陸し新潟へ向かった。
高度20,000feet近辺に雲の平らな層があって、その上は晴れていた。
名古屋の辺りで下層の雲の上に光るものを発見。
んっ?
月だねぇ〜。」(キャプテン)
今日の月はオレンジ色だ。
じっと見ているとグングン登ってくるのが分かる。
月って、意外と速い速度で上昇するよね。」(キャプテン)
私達が上昇中だったせいもあるが、あっという間に完全に姿を現した。

昨日に比べて、随分端が欠けてる・・・・。

新潟へ向けて降下を開始した。
この辺の雲の頂上は16,000feetだ。
高度を降ろしていくと、飛行機が雲に接近するに従い月が沈んで行くように見える。
そして雲に入ると月は完全に沈む。(視界から消える)

月が見えなくなってしばらくすると薄い雲の層を抜けた。
あっ! また月だ。
今度は水平に広がる雲の層の下から月が登った?
実際には下がっているのだが、
雲から離れて行く姿が、登って行くところをひっくり返して見ている感じだった。



2003.10.17

先日、ステイ先のホテルで朝5時に目が覚めると、何故か顔が痛かった。
寝ぼけてるのでどこが痛いのか分からない。
ヒリヒリするなぁ・・・・・。

洗面所まで歩くこと2〜3メートル。
すでに顔の痛みは忘れている。
鏡を見た。
んっ?
目の下に何かついてるぞ?

顔を近づけてよ〜く見ると・・・・・・、
長さ1cm、幅3mmほどの血の固まりがこびり付いているではないか?!
水をつけて、あっ!イテッ!、その血を洗い流すと、
それは引っかき傷がはないかっ?!
なんだよ、誰だよ、こんなとこ引っかいたやつは。
昨日はなかったよなぁ〜。
ってことはオレか?
自分で寝てる間に引っかいたのか?
まるでシンちゃん(息子)みたいだな。

幸い引っかき傷は出来たててで、血を洗ってしまえばほとんど皮膚と色が変わらない。
目立たないような、目立つような。
キャプテンや客室乗務員(CA)にはバレなかったのか、指摘されなかった。

帰宅すると妻に言われた。
どうしたの? その傷?」(妻)
「おう、不倫相手に引っかかれちゃってさ♪」
あっそ。」(妻)

やっぱり目立つのかなぁ・・・・。


数日経つと引っかき傷にはカサブタができた。
赤褐色のカサブタはとてもよく目立つ。
きっとキャプテンかCAに指摘されるに違いない。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

朝、関空に到着した。
コンクリートの歩道の上に小鳥を発見〜♪
可愛いなぁ〜。
あれ? なんかあいつ傾いてないか?
あっ、飛べないんだ。
バタバタ羽ばたいているが体が傾いて飛べないのだ。
きっと怪我しているのだろう。
スズメかな?

近づいても逃げようともしない。
手を差し伸べて捕まえた。
なんともスベスベした肌触りのその鳥はスズメではなかった。
きっと野鳥なのだろう。

可哀想だから連れて行ってあげようか。
今日は高知ステイだ。
高知に確かペットショップがあったっけ。
あそこで餌を買って食べさせてあげれば、しばらくすれば治るかもしれない。
今日の勤務は 関空 → 松山 → 千歳 → 松山 → 関空 → 高知 だ。
それだけ引っ張りまわしたら残忍かなぁ〜。
上空は空気が薄くて、呼吸しにくいかなぁ〜。
それに今日は2泊3日の初日で、あとまる3日、連れて回るっていうのも、ちょっとなぁ〜。
小鳥を箱に入れて、フライトバッグに入れて持ち歩くのは変かなぁ〜。

昨日、近所で内臓が食いちぎられた鳩の死骸を見つけた。
きっと野良猫の仕業だろう。
さらに、散歩しているとドブにはまった猫の死骸を見つけた。
その猫の眼球は飛び出していた。
どちらも悲惨な姿だったが、自然ってそういうものなのかもしれない。
野鳥も怪我して飛べなくなったら、土に返らなくてはいけないのかもしれない。
コンクリートの上は可哀想なので、芝生の上に置いてあげることにした。

その小鳥がその後どうなったのかは分からない。

千歳発松山行きは修学旅行客で満席だった。
上空でインターフォンでCAさんに聞いてみると、
166席のうち165名は修学旅行関係者で、1名のみが一般旅客だった。
これはなんとも珍しい。
当然アナウンスを入れたくなった。
さ〜て、何をしゃべろうかなぁ〜♪

アナウンスを終えるとキャプテンは笑っていた。

修学旅行のみなさんはどうだったかなぁ〜。

それから1時間ほどしてCAさんにインターフォンで呼ばれた。
降下開始の時期と、ベルトサイン点灯のタイミング、松山の天気等の問い合わせだった。
インターフォンで話し終え、気がついた。

そいえば、さっきのアナウンスに関してはノーコメントだったなぁ。
やっぱりウケが良くなかったのかなぁ。
引かれちゃったかなぁ。
いやぁ〜、マズかったかなぁ。
また墓穴を掘ってしまったかなぁ。
でも、もう取り消しはきかんしなぁ。

フライトを終え、CAさんに直接、恐る恐る聞いてみた。
「いやぁ〜、くだらないアナウンス入れてしまって、すみませんでしたぁ。」
あぁ、どうもありがとうございました。」(CA)
「みなさん、反応どうでしたか?」
良かったんじゃないですか?」(CA)

CAさんは笑っていたが、何かがおかしい・・・・・。
やっぱ、ちょっとはずしたかなぁ〜。
まぁ、いっか・・・・・。

そういえば、今日、誰にも顔の傷のこと指摘されなかったなぁ。
自分が気にしてることって、案外、他人にとってはどうでも良いことなのかもしれない。



2003.10.22

松山 − 千歳 往復は私の担当だった。
行きも帰りも2/3程度の乗客が修学旅行生だった。
先日、アナウンス失敗?不評?だった可能性もあるので、今日はどうしようか悩んだが、
やっぱりアナウンスを入れることにした。
もちろん普通のアナウンス+αだ。

松山 → 千歳 は修学旅行の行きで、
千歳 → 松山 は帰りだったので、同じことをしゃべるわけにはいかない。
話す内容を落書き程度に下書きした。
一般のお客さんに迷惑をかけないような内容で、かつ、ちょっと付け加える感じにしよう。
寝ている人がいないことを客室乗務員(CA)に確認してもらった上で、
マイクを持ってドキドキしながらしゃべった。

行きのアナウンスを終え、しばらくするとCAさんから好評とのメッセージをもらった。
これで少しだけ自信を持ち、帰りのアナウンスに挑んだ。
帰りのCAさん達は行きと別クルーだった。
直接、乗客の反応について聞きはしなかったが、なんとなくOKだったような手応えを感じた。

毎回練習ができる、お決まりのアナウンスを入れるのは簡単なことだが、
相手の顔や反応を見ずに、臨機応変に客層に合わせてアナウンスを入れるのは難しい。
わざわざそんなリスクを犯す必要もないのだが、
できるだけ心を込めて何かしゃべってみたくなってしまう。
こんな所にも、でしゃばりでお節介な性格が出てしまうのは問題なような気もするが、
温かいサービスをしたい、という気持ちは忘れないようにしたい。



2003.10.23

小学生の低学年の子供達が使うような、小さな野球場がある。
大人用より一回りも二回りも小さいグラウンドの脇に、
マンションの一室のような形状の平屋の一軒屋が建っている。
二階部分が全面ベランダで、そこには何故かプールの監視員が座るような背の高いイスと、
グラウンドを照らす夜間照明がついている。
その不思議な形状の3LDKの平屋を、私はとっても気に入ったので、
そのまま不動産屋で契約をしてしまった。
1980万円だった。
家に帰り妻に報告した。

なんで私に相談しないで買っちゃうのよっ!?」(妻)

明らかに衝動買いだっため返す言葉が無い。
とりあえず、買ったばかりの物件を二人で見に行くことにした。
そういえばシンちゃんがいない・・・・・・。

じゃじゃ〜ん♪ どう? 気に入った?
家の前で妻に大げさにアピールしてみせた。
振りかえって物件を自慢気に見た。

あれっ?

なんか随分と感じが違う。
汚い?ぞ・・・・・・?

これ、狭くない?」(妻)

そういえばそうだ。
中に入ってみると、そこは何故か更衣室のような場所で、玄関も床も扉もない。
ガーン、ガーン、ガーン、ガガガガーーーーーンッ!?!?!?!?!?!
どうなってんだよ?
オレはこれを1980万円で買っちまったんか?
どうしよう?
解約しなくっちゃ!
解約できるのかなぁ?
解約手数料っていくらかかるのかなぁ?
あぁ、どうすればいいんだぁぁぁあぁあぁあぁあーーーーーっ!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ハッ!

ガバッ、と起き上がると、そこは真っ暗な部屋だ。
明かりをつけた。
高知のホテルか。
今、何時だ?
3:15(午前)か。
妻に電話しなきゃ。
あ、でもきっと寝てるな。
起こすのも悪いし。
とりあえず、自分一人でどうすればいいか考えてみよう。
どうやってキャンセルすればいいんだろう?
なんで3LDKだった物件がほったて小屋になったんだろう?
きっと騙されたに違いない。
そうだ。 きっとそうだ。 絶対そうだ。
さて、どうしよう・・・・・・・。

待てよ?
本当に買ったのか?
買ってないかもしれないぞ?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ひょっとして・・・・・・・・、夢だったのか?
いや、夢のわけないな。
買ったよ、買った。
買ったっけ?
あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーーっ!
わからんっ!

ベットの上で自問自答しながらどれほど時間が経ったろう。
どうせ買ってしまったもの、今さら後悔しても意味が無い。
後で考えることにしよう。

バスルームへ行って、ベッドに戻り、再び寝ようとしたが心臓がドキドキして眠れない。
起床予定は5:00か・・・・。
起きよう。
シャワーでも浴びるか。

シャワーを浴びているとき、我に帰った。
ようやく確信がもてた。
あぁ、さっきのは夢だ。
中古の家なんて絶対買ってない。

寝覚めの悪〜い朝になってしまったのだった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

他人の便乗用航空券を預かっていた。
これから私が便乗で乗る便の航空券と、預かった航空券を2枚、
バラでフライトバッグの中に、入れていた。
手荷物を預ける場所で、自分の航空券を出そうとフライトバッグを開けた。
チケットを手にとってカバンを閉めようとしたとき、
預かっていたチケットがフライトバッグの中の本達の間に落ちてしまった。
ま、いっか。
カバンを閉めて、X線を通そうとしたが止めた。
そうだ。 機内で読む本を出そう。
再びフライトバッグを開けて本を取り出し、
ついでにさっき本の隙間に落ちた預かった航空券をきちんとしまうことにした。
あれっ? ない!?
チケットが落ちた場所には本が3冊あり、それらを取り出したが見当たらない。
本の中に挟まったか?
そこは空港のカウンターの近くで、回りには沢山のひとがいる。
格好悪いなぁ〜、と思いつつ、制帽と上着を床に置き、フライトバッグの中身を取り出して、
本の表紙を持って下向きにしてバサバサしてみたがチケットは落ちてこない。
3冊とも試したがダメだ。
まだ別に3冊入っているが、そこには落ちなかった。
上着をチェック。
床に落ちてないかチェック。
ないぞ?
どうなってんだ?
もうすぐ出発だし、荷物を早く預けないと乗り遅れてしまう。
ええぇーい、もう知らん!
後で、また探そう。
フライトバッグにカギをかけ、そのまま預けることにした。

新潟空港に到着し、ホテルにチェックイン。
フライトバッグをひっくり返してみると・・・・・、出てきた!
それは、どう考えてもありえない隅の方にはさまっていたのだった。

外は曇り。
遠くにヤバそうな雲がある。
まだ1時間は雨は降らないだろう。
川へ走りにいった。
激しく雨が降りだした。
ま、いっか。
そのまま走り続けてズブ濡れになった。

最低な一日だった。



2003.10.24

テレビで津波注意報をしていた。
かなりヤバイらしい。
津波の兆候は天井からの雨漏りだ、とテレビで言っていた。
一体、何のことやら。

家族で2階にいた。
家の雰囲気は私の実家だ。
妻がシンちゃんに乳をあげている。

んっ?
天井から雨漏り?
げっ!

2階の部屋の窓に目をやると、窓枠の下から半分ぐらいまで水没していたっ!

うわぁぁああぁぁーーーーっ!!!!!
家ごと押しつぶされて流されるーーーーっ!!!!!
妻とシンちゃんを守らなくっちゃーーーー!!!!!
って、どうやって守るんだよ?????
無理だよ!!!!!

と、そこで目が覚めた。
朝の3時。
新潟のホテルだった。

なんで、こんな夢ばっか見てうなされるんだ?



2003.10.27

今日はスタンバイ。
伊丹の事務所いると、外(エプロン)にCrew Busが止まり、外国人乗員2名が降りてきた。
なぬっ?!?!
しかも、うちの事務所に入ってこようとしていた。
誰?
何?
何のよう?
うちって、外人採用してないよね。
しかも制服、見たことないし。

ヒルトン・ホテル行きのシャトルバスはどこから乗ればいいかって?
それって、ヒルトン行きのただのシャトルバスってことかなぁ〜?
関空から臨空ゲートタワーホテルまで、ただでクルーがシャトルバスに乗れるけど、
そんな感じの専用バスのこと言ってるのかなぁ〜?
ないはずだけどなぁ〜?
もしかしてリムジンバスのことですか?
そうとも言う、ですって?
もう、分からなかったじゃないですか?

ヒルトン・ホテルって大阪のどこにあるのですか?
乗業のスタッフに聞くと、どうやら梅田にあるのだそうだ。

スタッフと一緒に梅田行きのバスのタイムテーブルを調べようとしていると、
彼らが、タイムテーブルは持ってる、と言うではないか?
どこのバス停で降りればいいか、どこ行きに乗ればいいか調べてあげようか、と思ったが、
それも必要ない、と言う。
バス乗り場に連れて行ってくれれば、あとは分かるんですか?
そっか、伊丹空港の私達の事務所から、一般旅客がいるターミナルまでの行き方が分からないのね。
きっと以前にも伊丹空港に来たことがあるのだろう。

連れて行ってあげることにした。

今度、伊丹−高知 に投入されるダッシュ8というプロペラ機をA-netが運航するのだが、
彼らはその飛行機をトロントから運んできたのだ。
随分と時間がかかったはずだ。
1泊目はアラスカに泊まり、2泊目は札幌、昨日関空に到着し税関を通り、
今日、関空から伊丹まで来たのだと言う。
今日のフライトはBig Flightだった、と笑っていた。

先日、彼らは下地島で訓練を受ける予定だったが、丁度そのとき、大型台風に見舞われた。
下地島と宮古島が大きなダメージを受けた、200.3.09.11の台風のことだろうか。
そのときもヒルトン・ホテルに泊まっていた。
下地島へ行く為に伊丹空港まで来たが台風で行けずに、リムジンバスでヒルトンに戻った。
次の日も、また次の日も、ヒルトンと伊丹空港を往復したのだそうだ。

そっか、それでリムジンバスや梅田、伊丹空港に詳しいのね。

カナダ出身の腹の出た気さくのおっさんと、
色白で背の高くないフレンドリーな青年と握手をして分かれた。

カナダからアラスカ経由で札幌に入ったのかぁ〜。
なんか、パイロットしてるって感じで、羨ましいなぁ〜。