2004.02.05

天気図を見ると、上空には220ktのジェット気流が走っていた。

220kt??!!

それって、時速400kmじゃん!
もう、名古屋から那覇まで行くんだからな。
西風ビュンビュン吹いてたら、着けないじゃん。

名古屋を離陸し 31,000feet を通過する頃には、210kt も吹いていた。
まぁ、南に行くに従って風は弱まるから、なんとか定刻ちょっと遅れ程度で収まるだろう。
期待通り那覇へは8分遅れで到着できた。

前回、このパターンを飛んだときはオープンスポットだったけど、今日はPBBつきの31番〜♪
そーいやぁ、この前は離陸前に随分と待たされたっけか。
離陸が8番目ぐらいで、Push Backから考えると30分も地上にいたもんなぁ〜。
今日はどうかなぁ・・・。

お客さんが乗り終わり、客室乗務員(CA)から搭乗人数、着席状況の連絡が入り次第
Push Back をリクエストできる状況だった。
すると、隣スポットのジャンボは Push Back をリクエストした。

ゲッ!
あいつが Push Back したら後ろをふさがれて、うちが Push Back できないじゃん!

ジャンボのリクエストに対して、管制官は聞こえていなかったのか、どうしようか考えていたのか、
しばらく返事をしなかった。

「キャプテン、すぐ CA から連絡入るでしょうし、この隙にうちが Push Back もらっちゃいましょうか?」
いやぁ、それはマズイでしょう?」(キャプテン)

そうだよなぁ〜。

ジャンボが再びPush Backをリクエスト。
と、同時に CA からの搭乗終了の連絡が入った。
どうせダメとは知りつつ、とりあえずうちも Push Back をリクエスト。
定刻 15:10 ちょうどだった。

「Standby Push Back.」(管制官)

待っとけってか。
そりゃ分かってましたよ。
分かってましたけどね、言ってみたかたんですよ。

あ〜あ、前回はPBBなしのオープンスポットだったから、他の飛行機の Push Back に影響されず、
とっととPush Backできて、それでも30分かかったからなぁ〜。
今日は、もっと待ったりして・・・・。

しばらくすると、聞いたことのあるJ系の便が Push Back をリクエストした。

あ゛っ!
あいつは隣のターミナルにいるやつだ。
前回はあいつより先に出発できたんだったよな。
クッソ〜。
この時点で負けたじゃん。

彼は誰にも邪魔されていなかったようで、Push Back の許可はすぐにおりた。

5分待って、ようやくうちもPush Backの許可が出た。
エンジンをかけ終わって滑走路へ向かった。
Runway Endに溜まっている飛行機を見て、キャプテンも思わず。

ゲェェェエエ〜〜〜。」(キャプテン)

尾翼が何枚も縦に重なって見える。
マジかよ。
またかよ。
それにしても、これって混んでるときの羽田並だよなぁ〜。
関空なんて、一番混んでる時間帯だって、こんなにならないよなぁ〜。
関空に2本目の滑走路を作るなら、那覇にもう一本滑走路作った方がいいよなぁ〜。

ファントム(戦闘機)が上がって、B767が上がって、
自衛隊機が降りて、B737が上がって、B777が降りて、
その後も、自衛隊機のタッチアンドゴー、海上保安庁のYSの着陸、
ジャンボ、B737、ファントムの離陸、民間機の着陸がゾクゾクと続いた。
もう、数え切れな〜い!

可哀想だったのは、海上自衛隊の飛行機。
海上でしばらく待っとけ、と管制官に指示され、
私達から見えるところで長〜いことホールディングさせられていた。

やっと私達の順番がきた。

離陸してタイヤが滑走路を離れた時刻は、Push Back をリクエストしてから40分も経っていた。
今月は、もう1回このパターンがあるんだよなぁ。
来たくないなぁ〜、那覇。



2004.02.09

大分から伊丹に到着。
折り返し 伊丹 → 大分 は 09:25 発だ。
お客さんが全員降り終わるのに時間がかかってしまったが、トイレに行っておこう。
飛行機を降りて、ターミナル内のトイレにこもった。

時計を見ると 09:00 を少し過ぎている。
もうちょっと大丈夫だな。

再び時計を見た。
09:05 かぁ〜。
お客さんの搭乗開始時刻は、09:10 過ぎのはず。
ぼちぼち出とくかなぁ〜。
トイレット・ペーパーへ手を伸ばした。

あれぇ〜、ないじゃん。
ペーパーが3個ほど収納できそうなボックスが上についている。
レーバーを引けば予備のロールが落ちてくる仕掛けだ。

 レバーを引いた。
 んっ?
 動かないぞ?
 もう一度引いた。
 ゲッ!
 全然動かないじゃん。
 これって、壊れてるの?

 アナウンスが聞こえてきた。
 「大分行きのお客様のご搭乗案内は 09:10 の予定です。」

 マズイ!
 ガチャガチャガチャ。
 レバーを引っぱてもロールは落ちてこない。
 そうだ!
 上から取り出せばいいんじゃん!
 縦長の予備のロールが入っている
 ケースの上のフタを開けた。

 ゲェェェエエエ〜〜〜〜〜〜ッ!!!????
 入ってないじゃん!!??
 どうすんだよっ!!??
 09:06 だぞ!
 ケツ拭かなきゃ出れないじゃん。
 でも、出なきゃしゃーないわな。
 紙・・・・・・、お札しかないよ。
 そうだ!
 ポケットにANAのお絞りが1枚ある。
 それで仮拭きして、
 隣に入りなおして本拭きすればいいか。
 イヤ、この時間帯、混んでるし、
 3ヶ所しかないから満員かもしれないぞ。
 人が並んで待ってるかもしれないし。

 どーして予備を補充しておかないんだよ!
 ボケッ!

いや、待てよ。
もう一回チェックしよう。
念のため。

下から覗いたが見えない。
上のフタを開けてみたが見えない。
クッソーッ!
う〜〜〜〜ん・・・・・・。

もう一回、今度は見を乗りだしてフタの上から下の穴が見えるまで覗き込んだ。
あ゛った゛ぁ゛〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!!!!!
なんだよ! 真中に1個、引っかかってるじゃん!!
縦長の容器は30cm程もあり、上と下から斜めに覗いたぐらいでは真中は見えないのだ!
上の穴から腕を突っ込み、容器の内壁とトイレット・ペーパーの隙間を探しあて、わしづかみにし、引っぱった。
抜けな〜い!!!
完璧に詰まってるじゃん!!
09:07 を回ってしまっとぁあぁあぁあ〜。
お願い、抜けてぇ〜〜〜〜〜。
抜けたぁぁぁああああ〜〜〜〜。
取れた、取れた、取れたぞぉぉぉおおお〜〜〜〜〜♪
後はケツを拭くだけだ!

トイレット・ペーパーを手に持ったまま紙を巻き取り、ガンガン、ケツを拭きまくった。

次の人のためにトイレット・ペーパーをセットしている暇はない。
仕方なくロールをそのまま床に置き、パンツとズボンを上げ、ベルトを閉め、
そうそう、こういうときほどチャック閉めるの忘れるから気を付けろぉ〜。
後は流すだけだな。
ジャ〜〜〜。

トイレを飛び出た。
おぉーっと、やっぱり人が立って待ってるぞぉ〜。
ペーパー、床に置いたままでゴメンナサイ〜〜〜〜。
09:09。
地上係員(GH)さんに会釈をしてゲートを通った。
PBBへと続く扉のドアを開けるために、テンキーに暗証番号を入力。
イヤ〜ン!
開かないぃぃぃ〜〜〜〜!
もう一回入力。
やっぱ、ダメ〜。
どーして?
そうか、最近、暗証番号が変わったんだな。
振り向くとGHさんが笑顔で歩み寄り、テンキーに暗証番号を入力。
扉を開けてくれた。

ありがとー♪

なんとか 09:10 には飛行機に乗りこむことができたのだった。

お食事中の皆様、大変失礼致しました…。

注) デジカメの写真は、後日、スタンバイのときに撮影しました。



2004.02.14

今日はバレンタイン。
休みを入れなかったために泊まりの勤務。
それで、12日に妻からチョコレートをもらった。

結婚する前はトリュフを作ってくれた。
結婚後は市販のチョコレートに格下げされていたが、今年は作ってみようか、
と思ってくれたようで、昔のレシピを探してみてくれたようだった。
そこまでは良かったのだが、作り方を見て、
こんなに面倒だったっけ、と、あっさり諦めたようだった。
それでももらえないよりはもらえる方が嬉しい。
買ってきたトリュフには、シンちゃんとパパへ、と書かれていた。
ぬわぁにぃ〜〜〜??!!
ちゃんと別々に買えよなぁ〜〜〜。
もちろんシンちゃんの分は私が食べた。

昨日(13日)は会社の事務の女の子にチョコをもらった。
乗員全員分買ってくれていたようで、みんなのメールボックスに入れていた。
わざわざどうもありがとうデス。

仙台を出発し、千歳に到着。
ディスパッチから戻ると、コックピットに結構大きなチョコの箱が二つ置いてあった。
何気なくキャプテンとコパイの席のそばに置かれているのを見て、
メチャメチャ嬉しくなり、CAさんに声をかけた。

「ひょっとしてチョコですか?」
あっ、ハイ。 みんなからです♪」(CA)
「うわぁ〜、どうもありがとう!」

たかが義理チョコ。
されどチョコ。
とっても幸せな気分にさせてくれてありがとう♪
そういえば、もう長いこと乗員やってるけど、ちゃんとした箱に入ったチョコをもらったことって、
なかったような気がする。
妙に嬉しいぞぉ〜。

13日と14日は、機内サービスにチョコを配っていた。
「せっかくの機会だから。」、とオジサン達は喜んでもらっていったそうだ。
そして、当然オバサン達ももらっていったようだった。

CAさんと話をしていて初めて知ったが、バレンタインとは言いつつ、
女性は自分が食べる分も買うのだそうだ。

4便飛び終わり仙台のディスパッチへ戻ると、
カンウンターにはチョコとコーヒーのセットが2つ置いてあった。
「これって、僕達にですか?」
どうぞ、召し上がってください♪」(ディスパッチャー)
「ありがとうございますぅ〜♪」

今日のCAさん達はこの後、便乗までついていた。
仙台 → 千歳 → 仙台 → 広島 → 仙台 が終わってから、
仙台 → 伊丹 を便乗で移動し、伊丹から関空近辺の自宅または寮まで帰るのだ。
とても、とても気の毒で、チョコとコーヒーは僕達より彼女達にあげた方が良いのではないか?

ホテルにチェクイン後、ディスパッチでもらったチョコをほうばった。
CAさん達にもらったチョコはどうしようかなぁ〜。
妻が、「CAさんにチョコをもらったら食べずに持って帰ってきてネ♪ 一緒に食べよ。」 って言ってたけ。
やっぱ、お土産に持って帰るか。



2004.02.21

便間で客室にいるとき、コックピットから客室へのアナウンスの話になった。

この前さぁ〜、Xキャプテンが英語でアナウンス入れたんだけどぉ、
 そのとき種子島のこと 『 Tane Island 』 って言ったんだよねぇ〜。
 『 Tane Island じゃなくて Tanegasima Island でしょ?』 って言ったら、
 『いや、Tane Island だろ? だって八丈島のこと Hachijyo Island って言うじゃん。』
 って言うのさぁ。
」(CA)
「僕も Tane Island でいいと思うんですけど、おかしいですか?
 あっ、それとも Tanega Island か・・・・。」
え゛ぇ゛〜〜〜〜!!??
 だってさぁ〜、だったら大島のこと何て呼ぶのよぉ。
 『Oh〜 アイランド』 ってかぁ〜?
 それじゃ、全然わかんないじゃ〜ん?
」(CA)

彼女は 『Oh〜』 のところをとってもバカっぽく発音した。
それが私には異常におかしく、得意の高笑いをしてしまった。

Sキャプテンはこの会話の最中、たまたまコックピットにいた。

Sちゃ〜ん。 なんか冷たくな〜い?
 せっかくなおちゃんがこんなに喜んで笑ってくれてるのに、
 Sちゃんは会話に入ってこないわけぇ〜?
 なに、コックピットなんかに座ってるのよぉ〜。
」(CA)
ゴメ〜ン、ゴメ〜ン。」(Sキャプテン)

キャプテンはちょっと照れて、頭をかきながら客室に出てきた。

偉〜いキャプテンも “ちゃん” づけで呼んでしまう、少〜しガラの悪い、
でも、とってもしっかりた、仲間から信頼されてる仕事のできる CA さんなのであった。



2004.02.26

私はどちらかというと牛肉より豚肉の方が好きだ。
BSEで米国産牛肉の輸入が止まって以来、
「豚どんぶり」をいつか食ってやろう!と企んでいた。
吉野家の牛丼も好きだが、きっと豚丼はもっとうまいに違いない。

すると、い〜いタイミングで新聞にチラシが入っていた。
「な○○」の豚丼(並)(400円)が50円引き、白菜キムチ(80円)は無料、
豚角煮丼(550円)が50円引きだ。
これは試すしかないっ!

腹ペコの限界まで我慢して、「な○○」へ向かった。
足取り軽〜く、ルンルン気分だ。
「な○○」で食べるのは初めての私。
初心者みたく見えないように、振舞わねば。
ああいうお店にクーポン券を持って行くときは、常連客のように振舞いたい。

勝手は吉野家と同じようでホッとした。
まず、お茶が出てきた。
つぎに80円相当のキムチが出てきた。
ゲェ〜〜〜ッ!!??
こんなに少ないのぉ〜??
20円分くらいなんじゃん??
まぁ、いっか、タダだし・・・・・。
そして、お待ちかねの豚丼の登場〜♪
カウンターに置かれたドンブリを見てギョッとした。

ブタ、薄っ!
厚めに削った鰹節みたいに薄いじゃん!?
量、少なっ!
下のご飯が見えてるじゃん!?
汁、多すぎっ!
汁だく、っつったって、バシャバシャのジャブジャブじゃん?

おっかしいなぁ〜。
数週間前、テレビで「な○○」の豚どんぶりの特集やってたんだよなぁ〜。
店長が集まって、豚をすくってドンブリに盛る練習をしていた。
牛よりも多めに盛ってしまう傾向があるようで、適量になるよう注意しなければならない、
とその店長は言っていた。
それでも、「適量」で盛られた感じは少なくなかったけどなぁ〜。
テレビに映った豚は厚みが充分にあるように見えたし、
豚肉特有の白っぽい色に汁がからまっているように見えておいしそうだった。
私の目の前の豚は干からびたかんなクズのようで、
脂身部分は白いが、肉の部分は汁に漬け込まれたように茶色くなっていた。
超薄い肉を(客の回転が低いせいで)煮込みすぎて、
汁の色が沈着し、かつ肉汁が出切った後でパサパサに干からびた、そんな感じだった。

で、お味は・・・・?

マズッ!?!?!?!?!

Amazing!!

ベーコンを買ってきて、食べきれないからラップに包み、
冷凍庫で長期間保存後に過熱調理すると、時々、臭うことがある。
何故だか分からないが、経験上、古くなったブタの脂は臭うのではないか?

豚丼を一口、口にした瞬間、あの悪臭が口内いっぱいに広がった。
ゲェ〜〜〜ッ!
マズ過ぎるなぁ〜、これ・・・・・・。
この私が全部残そうか?と思うほどだからよっぽどだ。
生のまま食べるニンジンやブロッコリーの方が、まだおいしくいただける。
どうしよ〜っかなぁ〜?
でも、もったいないし、食べちゃえ。

とっととかきこんで食べ終わり、350円払って店を後にした。
豚角煮丼もいつか食べてみようと思っていたが、
それは、あまりにも Too Risky だ。
止めよう。

きっと、たまたま私が食べた「豚どんぶり」がそんな味だったのであって、
違う時間帯に作った豚や、他店舗の豚は。きっともっとおいしいのであろう。
そうあって欲しい・・・・。