2005.05.01

便乗で伊丹から羽田経由、千歳まで行き(24便、67便)、
千歳−中部を往復(714便、717便)。
不思議な勤務だ。
きっとゴールデンウィークで伊丹 → 千歳、関空 → 千歳が満席なんだろう。
ネットで調べてみると、どうもそうではないようだ。
千歳→中部、714便にちょうど良いタイミングで千歳に入れる大阪からの直行便がないのだ。
自分が飛ぶことを考えると、大阪→東京→千歳、というルートは長く感じる。
それに千歳での待ち時間が意外と長い。
もっと待たずにすむルートはないものか?
大阪 → 新潟屋 → 千歳
大阪 → 庄内 → 千歳
大阪 → 仙台 → 千歳
色々調べてみたが、結局どれも接続がうまくいかない。
結局、24便 → 67便が一番効率が良いことが判明。

伊丹空港についてチェックインするためにカウンターへ行った。
一便だけの便乗なら自動チェックイン機でもいいが、
Transit で Through でチェックインすることが機械でできるのかどうか分からない。
(後で知ったが、チケットを2枚同時に機械に投入すればいいらしい。)
んっ???
カウンターの風景が違うぞ?
色が違う?
あぁ、そっか。
今日から ANA の制服が変わったんだ。
GH さんの制服は良くなったなぁ〜♪

ターミナルの隅の方には、
新しくなった制服姿の地上係員さん達との写真撮影をするコーナーが設けてあった。
ちっちゃい男の子がダブダブのパイロットの制服と帽子をかぶっている姿が可愛らしかった。

チェックインを済ませ、荷物を預け、ゴミ捨て場に向かった。
長いこと便乗するなら読むものがあるといい。
ちょうどゴミ収集車が来ていたが、車の雑誌、DIME、日経ビジネスをゲット。
雨が降っていたので表紙を少し塗れていたが、機内に持ち込めばすぐに乾く。

ターミナルを歩いていると、向こうから知ってる女性が歩いてきた?
なんか違和感がある・・・・。
そっか、制服か。
うちの客室乗務員(CA)も ANA と同じになってしまったんだなぁ。
確かに以前の ANA の制服は好きじゃなかった。
でも、うちの CA の制服は良かったんだよなぁ。
それに、ANA と同じ制服っていうのはイヤだなぁ。
ANA は ANA、うちはうち。
会社が違い、社風も全然違う。
待遇も悲しいかな全然違う。
一緒にするなぁ〜〜〜〜〜!!!!!
あっ、でも、お客さんに見えないパイロットの制服は今まで通り別々。
うちの方が質を下げているので単価安いし、当たり前か・・・・・。

羽田から千歳へ向かう飛行機の中、離陸と同時にウトウトしてしまったようだった。
恥ずかしいことに、体がビクッとなって飛び起きた。
ウトウト寝ていて、ビクッと飛び起きることはよくあるが、今回は様子がいつもと違った。
最近、スケボーにはまっている。
「オーリー」と呼ばれる飛ぶトリックがやりたくて猛練習している。
ジャンプしてひざを胸にひきつける動作を頻繁にくりかえしているが、
とくに、右足でデッキを蹴る動作がうまくいっていない。
恐らくそのことがいつも頭から離れないのだろう。
ウトウトしているときも、オーリーを練習している夢を見ていたような気がするが、
ビクッと飛び起きた瞬間、床を右足で蹴ってしまった!!!!
確実に右ひざが浮き上がってたぞ?!?!
恥ずかし過ぎ。
隣の女性、ビックリしたろうなぁ。
飛行機、満席だったし・・・・・。

CA さんと GH さんの制服も同じかと思ったら、ジャケットのボタンの数が違うらしい。
CA さんは3つボタンで、GHさんは2つボタンなのね・・・・。
どうして違うのかな?
CA さんのジャケット、ボタンが多くて上まで閉まり過ぎで、
オーバーヘッド・ストゥエッジのドアを閉めるとき窮屈なんだそうだ。
新しいカバンは旧 ANA のに比べ若干大きく、うちのに比べ、少し小さい。
ANA の CA さん達は喜んでおり、うちの CA さん達は困っているらしい。
今回の制服は、夏服、冬服兼用。
そういえば、以前の ANA の CA さんの制服、1年中同じだったような気がする。
うちは夏服、冬服別々だった。
石垣の夏も冬服っていうのは可哀想だなぁ〜。


 その後、ANA の CA さんからの情報をゲット。
 誤りがあったようで、訂正すると、
 1.ANA の前のカバンより小さくなり困っている。
 2.ANA の制服にも以前は夏服、冬服があった。
   ボタンの数が2×2または3×2で異なっていたが、
   気がつく人は少なかったらしい。





2005.05.02

今日の客室乗務員(CA)さん、
一人は若い頃の杉田かおる似、
一人は宇多田ヒカル似、
一人は最近ゴリバのアイスにはまっているアイス好き、
もう一人はどんなに疲れていてもいつも笑顔を絶やさない、
とっても特徴のある4人組だった。

CAさんのうち一人が新聞のテレビ番組欄を見て言った。
あっ、『テレビの力』 だ。 楽しみぃ♪」(CA)
「えっ、今日、勤務終わるの遅いから見れないですよぉ〜。」
あっ! そっかぁ。」(CA)
CA さんも 『テレビの力』 見ることあるんだ。
私も嫌いじゃない。

その後、テレビの話からお笑いタレントの話になった。
「マイケルって知ってます?」
なんと、4名中、3名が知っていた。
あの、寒すぎて笑える人ですよね?」(CA)
マイケルを知らない CA さんに動作つきで言った。
「ほら、赤いテカテカの露出度の高い服着て、こ〜んな動きで、『マイケル?』 って言う人ですよ。」
う〜ん、知らないです。」(CA)
あれぇ、知りません? ちょっとマッチョな感じの人ですよ。」(別のCA)
本当に知らないようだった。

私、『フォォ〜』 って言う人、知ってます。」(CA)
「あぁ、あの土曜日に出てる 『ハードゲイ』 でしょ?」
(レイザーラモン住谷。本名は住谷正樹というらしい。)
これまたなんと、4名中、3名が知っていた。
今度は『ハードゲイ』を知らない CA さんに動作つきで(腕を上げ、腰を縦に強烈に振りながら)言った。
「ほら、黒いテカテカの露出度の高い服着て、こ〜んな動きで、『フォォ〜ッ』 って言う人ですよ。」
残念、やはり知らないようだった。
しかし、ちょっとヤバかったかも。
あの、腰の動きを真似したら、ちょっと引いてたかもしれない・・・・。
いや、マジ引いてた気がする。
でも、私はハードゲイ 『レイザーラモン住谷』 が大好きだぁぁあああ〜〜〜〜〜っ!!!
あいつ、絶対、メッチャ面白いぞぉ〜♪



2005.05.03

千歳→関空、1718便
久しぶりに流れ星を見た。
左から右へ、南から北の方角へ横に長〜く伸びる流れ星だった。
オォォォーーーーーーッ!!!!
こいつは長いっ!!
っと、長さに見とれていて、いつも願い事を3回言うのを忘れてしまう。
かなって欲しい願い事って・・・・・・。
オーリーができるようになりますように♪

夜の便なので、巡航高度へ到達する前にアナウンスを入れた。
客室でのサービスが一通り終わった時点で、インターフォンで CA さんから連絡があった。
珍しくほとんどの人が起きてるらしい。
今日は天気が良く、海岸線の明かりが富山湾をかたどっているのが見え、夜景がとてもきれいだ。
よしっ!
もう一回アナウンス入れちゃおう。
富山市、金沢市近辺を飛んでるよぉ〜、夜景メッチャきれいよぉ〜、
みたいな内容のアナウンスを入れた。

小松まで行くとイカ釣り漁船の明かりが見えてきた。
日本海の上を飛んでいて、見える夜景は飛行機の左側の窓からのみだ。
これはちょっと不公平ではないか。
左手には若狭湾に浮かぶ漁船、右手にはそれよりさらに多くの数の漁船が見える。
一つの船の明かりが、一つの町の明かりよりくっきり、鮮やかに見える。
真っ黒な海に浮かぶ星のようだ。
お客さんに教えてあげたいなぁ・・・・。
左手はるか彼方には、もやった空気に反射する大きな町の明かりが、ボワンッ、と見える。
間の暗い部分をはさんで2つ見える、ってことは、一つは名古屋で一つは大阪。
真中の暗いとこは紀伊半島だろう。
う〜ん、どうしよう。

インターフォンで CA さんを呼んだ。
お客さん、半分寝てる。
どうしよう?
イカ釣り漁船の明かりについて教えてあげた。
そうですね・・・・・。 なんとか(アナウンス)入れてみます。」(CA)
CA さんは飛んでいる場所、地点に関するアナウンスを入れることはあるが、
イカ釣り漁船は入れたことないだろう。
何て言えばいいのか考えてるのか、
それとも、お客さんが寝てるのにアナウンスを入れてもいいか考えてるのか?
「あっ、いいです。 前でアナウンス入れますんで。」

3回目のアナウンス。
しかも半分のお客さんは寝ている。
「お休みのところ、コックピットから失礼します。」
という内容を、アナウンスを始める前と終わってから付け加えた。
さらに、今回は 「当便機長がご案内致します。」 と、
起こされて腹を立てるなら、CA さんにじゃなくて私に、という気持ちをこめた。

客室内での様子は私には分からない。
迷惑だったかな・・・・・・。

関空に到着後、帰宅前に CA さんに聞いた。
みなさん、こーんなして窓に張りついて外を見てましたよ♪」(CA)
ジェスチュアー入りでそう言ってもらえて、ホッ、としたのだった。



2005.05.07

ある便での出来事。
旅客係員が客室乗務員(CA)さんにブリーフィングしているのが聞こえた。
なに、なに、お客さんの中に、今日、誕生日の人がいるって?
それは30歳の女性。
CA さんに聞くと、絵葉書にメッセージを書いて差し上げるのだ、と言う。
それなら私も一筆。
しかし、書こうと思ったことが、すぐに漢字で思い浮かばない。
書き間違うのも格好悪いし、英語で Happy Birthday!! by Captain とだけ書いた。
もっと、気の効いたことが書ければ良いのだが、想像力が豊かではなく、
表現力、語彙に乏しい私には無理だ。

もちろんアナウンスで Happy Birthday を言うことは決めていた。
名前を Full Name で呼んでから Happy Birthday!!と言うのが良いだろう。
シートナンバーも分かっている。
外国だったら座席番号もアナウンスに入れてあげると思う。
周りの人も一緒になって拍手して祝福してくれるからだ。
でも、日本人はまずしてくれないだろうなぁ〜。
Happy Birthday と言われたのが自分であることを周りの人に知られるのは、
恥ずかしいかもしれない。
それに女性だし。
本人にだけ分かればいいから、名前だけでいこう。

「誕生日おめでとう、のアナウンス入れてあげようと思うんだ。」
そうですね。 30歳の女性ですから、喜ばない人もいるかもしれませんね。」(コパイ)

なるほど。
そういう可能性もあるのか。
全く気が付かなかった。
さて、どうしたものか・・・・・・。
やっぱ、入れよう。

上空で CA さんにインターフォンで呼ばれた。
女性のお客さん、とっても喜んでいた、とのことだった。
やったゼイっ!!

飛行機を降りるとき、また CA さんに言われた。
お客様、降りて行かれるときも、
 『記念になりました。ありがとうございました。』 って喜んでましたよぉ♪
 ありがとうございました!
」(CA)

そっか、それは良かった、良かった。



2005.05.12

千歳 → 中部空港、714便

新潟の手前で中部空港の天気を入手した。
空港の真上に積乱雲があり、東進中。
視程1500m。
きっと、かなり雨が激しく降っているのだろう。
私達がアプローチを開始する頃には、積乱雲は空港の真上から移動して、
天気は回復しているに違いない。

アプローチを開始する頃、まだ地上の風は南風だった。
にもかかわらず、アプローチはそれまで ILS 18 だったのが、ILS 36 に代わってしまった。
北からアプローチするときは、ILS 18 の方が到着まで時間がかからない。
ILS 18 で計算した到着予定時刻はすでに定刻より5分遅れ。
ILS 36 になると、10分遅れは確実だった。
何故、南風なのに ILS 36 なのか?
しかも、積乱雲の壁は空港の南20マイルの地点にあった。
ILS 36 をするとなると、その壁を突っ切らなくてはならず、揺れることが予想できた。

なんで南風なのに ILS 18 じゃないんですかねぇ。
 しかも、ILS 36 すると積乱雲の壁を突っ切らなくちゃいけないし。
」(コパイ)
「そうだなぁ。 きっと、管制官も何か考えがあってやってるんだろう。」

しばらくして、うちの別の便が ILS 18 をリクエストしている無線交信が聞こえた。
おっ! やっぱり、みんな同じことを考えてるのだろう。
管制官、どうするかなぁ・・・・。

しばらくして、管制官の声が聞こえた。
今、ILS 36 でアプローチしている飛行機が3機あって、
 それら全てが降りてからなら ILS 18 を許可できます。
 それまで待機しますか?
 36 に着陸した飛行機からのレポートでは、ILS ファイナルは着陸まで気流良好です。
」(管制官)
そんな内容の交信に対し、ILS 18 をリクエストしていた飛行機の答えは、
もちろん ILS 36 で着陸する、だった。

実際に積乱雲の壁を北から南へ向かう途中 7,000ft で、
また南から北へ向かう途中 3,500ft で突っ切ったが、予想していたほど激しく揺れることはなかった。
そして、ILS 36 でアプローチ中、風は北西〜西北西で安定しており、着陸直前は追い風 2kt 程度。
気流も極めて良好。
この風なら積乱雲の壁さえなければ、ILS 36 で正解だった、と言える。

10分遅れで714便は到着。
次便、717便で中部空港を出発する頃は、空港の地上の風も北東風 5kt 程度になっていた。
ILS 18 から ILS36 へ変更した管制官、風が変わることを予想していたのだろう。

中部空港 → 千歳、717便は、10分遅れで出発し、10分遅れで到着した。
途中、星空がきれいだった。
進行方向、正面より若干左にカシオペア座を発見。
そういえばカシオペア座を使った北極星の見つけ方があったっけ・・・・・。
う〜ん、どれだろう・・・・・。
上の方を見ると、、、お゛っ!? あれは北斗七星だ!!
北斗七星から線を引っ張り、カシオペアから線を引っ張り、その交点が北極星のはず。
そういえば北極星って、2等星だったはず。
それほど明るくない星は・・・・・、あれだぁぁぁあああーーーーーーっ!!!!!
みぃぃぃぃいいいいーーーーーーーっけ!!!!!
うーれーぴぃ〜〜〜〜〜〜〜〜♪
生まれて始めて分かったぞ、どれが北極星か。
おっ! 流れ星もみっけ〜♪




2005.05.13

千歳 → 中部、716便。
気流良好とのレポートがあった 35,000ft を巡航高度として計画していた。

中部空港への北からのアプローチは、千歳出発前は 28,000ft〜22,000ft 近辺だった。
ちょうど長野の松本から新潟にかけて、北西から南東に走るジェット気流があり、
急激に風速が変わるのがその辺りの高度だった。

離陸後、巡航に移り、新たに中部空港への北からのアプローチの情報をゲット。
なに、なに?
35,000ft〜28,000ft だって?
困ったな・・・・・。
カンパニーを聞いているかぎり、FL350 は新潟より南西が揺れているように思われた。
揺れ出してから FL260 以下に降りてもいい。
いや、待てよ。
揺れている空域が北上している可能性もあるな・・・・。
千歳のディスパッチで見た衛星写真の移り変わりでは、ジェット気流が北上しているように思えた。
お客さんは満席だから、きっとサービスには時間がかかる。

離陸前は飛行機の重量が重過ぎて FL390 には上がれなかったが、今の重量なら十分上がれる。
千歳出発前の情報では 39,000ft は新潟近辺も揺れてなかった。
よし、上がってみるか・・・・・・。

FL390 に到達してから、カンパニーの周波数を北海道から関東に切り替え、
FL390 の気流のレポートを聞いてみた。
えっ?
誰も飛んでないから情報がない?
で、羽田を上がった北陸へ向かう飛行機は 31,000ft、35,000ft ともに気流がスムースだって?
中部空港のアプローチ・コンディション変わったのかなぁ?
ACARS(飛行機と地上とのデータリンク)で改めて空港の情報をゲット。
やはり FL350〜FL280 はかなり揺れるようだ。
おっかしいなぁ?

新潟を過ぎてしばらくすると 39,000ft は揺れ出した。
その頃までには客室のサービスも終わっていたので、シートベルトサインをつけて、
これから高度を下げますが、大きく揺れるとのレポートがあります、
という内容のアナウンスを入れた。

ベルトサインをつけてから客室乗務員(CA)さんが客室内を点検し終えるのに数分かかることがある。
しばらく揺れを我慢しながら FL390 で飛び、CA さんが座った頃を見計らって降下した。
さぁ、揺れるぞぉ〜。
FL390 から高度を下げて、すぐに揺れが強くなった。
38,000ft 通過、37,000ft 通過、そろそろ激しく揺れるかな・・・・・。

39,000ft で 109kt だった風が、37,000ft では 130kt に増速していた。
130kt の風がどこかで一気に減速するのだから、降下中は必ず揺れるはず。
36,000ft。 あれ? 気流、良くなったぞ。
35,000ft。 ここから揺れるはずなのに、揺れないじゃん。
33,000ft。 全然揺れないじゃん。 まだ風は 130kt 吹いてるのか・・・。
31,000ft。 130kt のまま。 揺れない。 どこで減速するんだ?
29,000ft。 マジ? 揺れないじゃん。
28,000ft。 ・・・・・・。
27,000ft。 ・・・・・・。
26,000ft。 ・・・・・・。
25,000ft。 ・・・・・・。
24,000ft。 ・・・・・・。
気が付くと、既に風は 70kt まで減速していた。
もう、この先は揺れないな、きっと。
揺れる、ってアナウンス入れちゃったけど、恥ずかし・・・・・。
まだ着陸までだいぶあるし、ベルトサイン、もう一回消そう。



2005.05.14

夜なのでアナウンスはやめるつもりだった。
しかし、客室で客室乗務員(CA)さんがアナウンスを入れているのが聞こえた。
インターフォンで呼んで聞いた。
「今、お客さん、寝てる?」
はい、前方は。 でも後ろの団体さんは元気です。」(CA)
「そっか・・・・。 じゃあ、前からアナウンス入れない方がいいよね?」
あっ、いえ。 入れてください。 渋い声でお願いします。 あと、短めに。」(CA)
短め?って、やっぱ、入れない方がいいんじゃないの?
でも、しゃべりながら笑ってたから、きっと、愛嬌だろう。

アナウンスの声は、以前は低めの渋い声でするようにしていた。
格好いいイメージが良い、と思っていたからだ。
でも、キャプテンになってから考えが変わった。
渋くなくていい。 私は温かい方がいい。
客室内ではどう聞こえてるか私には分からないが、
最近はそうイメージしながら受話器に向かって語りかけるようにしている。
でも、CA さんからのリクエストなら、今日は渋い声でいってみよう。

あまり長くならないように心がけた。

飛行機を降りてからアナウンスの話しになった。
ベテラン(28才)の CA さんが言った。
夜は渋い声の方がいいんです。
 とくにカップルがいたりしたら、渋い声が聞こえた方がいい雰囲気になることが多く、
 もう、勝手に盛り上がってください、って感じです。
 そうそう、カップルが乗ってる夜の便では、
 サービスが終わったら、さっさと機内の明かりを暗くしてムード出してあげるんです。
 あと、自分の化粧が崩れてきたら、速攻、暗くするんです。
」(CA)

そうそう、今日、○○ちゃんに 『親分』 って呼ばれたんですよぉ。
 最初、何のことか分からなかったんだけど、
 プラチナのお客さんに 『あんたのことじゃないの?』 って言われて気が付きました。
 ひどくないですか?
」(CA)

子供の話しになった。
昔は子供を見ると、かわいい〜、欲しい〜、って思ったんですよねぇ。
 でも、最近は子供を見ると、産みたい、って思うようになりました。
」(CA)
私がおかしくて吹き出すと、彼女は付け加えた。
私の同期も同じこと言ってるんですよ。」(CA)
そっかぁ〜、そーなんだぁー。

ターミナルを手荷物受取所に向かって歩いていると、お客さんが言った。
あっ、さっきの人だ。」(お客さん)
聞くと、うちの飛行機の後ろに乗っていた団体のお客さんで、
これからバスをチャーターして三重まで帰るのだそうだ。
時刻は21:25。
帰宅は24:00頃か。
まだまだの長旅、お疲れ様です、アンド、おやすみなさい♪



2005.05.18

スタンバイのはずだったが、昨日の朝、会社から電話があり、
コパイが病気のため副操縦士としてスタンバイ稼動となった。
どこを飛ぶのかと思ったら、東京−能登をではないかっ!
ラッキ〜♪
初めての能登に行ける。
しかも、コパイでだ。

初めて飛ぶ路線は、コパイで行くにかぎる。
路線の特性を頭にきっちりインプットできるからだ。
次にキャプテンで飛ぶとき、その知識が役に立つ。

キャプテンは東京−能登を2往復するのがオリジナルのパターン。
私は伊丹から羽田へ便乗で入り、
その後、東京−能登を1往復してから、羽田→伊丹を便乗。
寒冷前線の通過にともない、能登空港は午後から大荒れの可能性大だった。
私が飛ぶ便は、正午に能登に到着。
天気が悪化する前、ギリギリに着陸し、逃げ帰ることができる。
キャプテンは、「いいなぁ、いいなぁ。」 を連発していた。
いいでしょ、いいでしょ、いいでしょぉぉおお〜〜〜〜♪

能登半島は地図で見ると東京から遠く見えるが、飛んでみると意外と近い。
そのぶん、仕事は忙しいし、ベルトサインを消せる時間も短い。
大変参考になるフライトだった。
残念だったのは、うわさで聞いていた、着陸前の悪い気流を体験できなかったこと。
ビックリするほどガタガタ、と聞いていたのに、普通に揺れる程度だった。
きっと、午後の便は大変だったに違いない。



2005.05.22

午前中、シンちゃんと一緒にダイアモンド・シティーに行った。
雨で、外で遊べないから仕方ない。
2時間、遊び倒して、シンちゃんが疲れきったところで帰宅。
昼飯を食べ、シンちゃんを寝かし、私も一休み。
朝一番でウェイト・トレーニングをしているから体が疲労している。

シンちゃんを起こし、雨が止んだのを確認し、自転車で昆陽池(こや)に行った。
1時間半ほどお散歩。
ヌートリアを見て、ハトを追いかけ回し飽きたら、植木の根元や枯れ葉の下、石の下をチェック。
ダンゴ虫は沢山いるけど、他にもっと面白い虫はいないかなぁ〜。
太い木の樹液にハエがいっぱい集まってる。
白い泡を石ですくうと・・・・、ウジ虫じゃぁぁぁああ〜〜〜〜っ!?!?!
う〜ん、危なく指を突っ込む所だった。

ナヌッ!?!?!?
あれはヘラクレスオオカブト?!?!
遠くの木にとまっているではないかっ!?!?!
マジ??
なんで、こんなところにいるの?
私はカブトムシ、クワガタ大好きだ。
なかでもヘラクレスは小学生の頃から図鑑で見て知っていて、一番好きな種類だ。
辺りを見渡した。
近くには誰もいない。
どこからか逃げてきたに違いない。
誰も見てないなら、もらって帰ろうか・・・・。
恐る恐る近づいた。
ちょっと前進。
あれぇ?
あんなに背中、黄色かったっけか?
時刻は17:20頃。
空は分厚い雲に覆われ薄暗いし、雑木林の中だからかなり暗い。
さらに前進。
んっ?
なんか小さくないか?
日本のカブトムシの一番小さい雄ぐらいのサイズしかない雰囲気だぞ。
さらに接近。
捕まえようと手を伸ばした。
ヘッ?????
それは単なるオモチャだった。
人騒がせな。
あ〜、ビックリしたぁ。
なんでオモチャが木に普通にとまってるんだ?
これは、きっと誰かのイタズラだ。
ひっかかった・・・・。
SEGA TOYS  MADE IN CHINA
ヘラクレスの腹には、そう書いてあった。
記念に持って帰ることにした。


さらに他の虫を求めて大きな石をひっくり返した。
すると・・・・、
ギョェェェェエエエーーーーーーーッ!!!!!
これって、ムカデ?????
体長10cmほどのムカデを発見。
もう、シンちゃんそっちのけで追っかけ回したが、取り逃がしてしまった。
残念。
ところが、別の石をどけると、さらに大きなムカデを発見!!
すかさずケータイのカメラで激写。

う〜ん、ちょっとグロテスク〜♪
ヘビ、ニョロニョロしてるねぇ〜。」(シンちゃん)
これはヘビじゃないからねぇ〜。
おててで触ったらだめだからねぇ〜。

雨は上がり、だいぶ道路が乾いていた。
夕飯の前に家に戻り、少しスケボーの練習をしよう。
予定より15分早く切り上げ、帰宅。
すぐにオーリーの練習を開始。
すると、向こうの方から少年がスケボーに乗ってやってきた!!!
なんとも珍しい。
うちの近くでスケボーしてる人を見かけるなんて・・・・。
少年はスケボーを下り、10mほど私の手前で停止した。
ウヌ・・・・。 観察するのかい!!
彼はかなり若く見えた。
私はオジさんだ。
格好悪いかも・・・・。
えぇ〜いい、恥なんて気にしてられっかぁ〜。
しゃーない。
止まったままオーリーをやった。
ウィール(タイヤ)は20cmほどしか浮かない。
これでもオジさん、必死のジャンプなんだぞぉぉおおぉぉーーーー・・・・・・。 はぁー。
チラッ、と彼を見た。
メッチャ、嬉しそうな顔してスケボーに乗って寄ってきた。
うわぁ〜、マジ嬉しいです。 こんな近所でスケボー仲間、見つけられるなんて!
 友達になるましょうっ!!

聞くと彼は14才。
以前はアグレッシブ・インラインスケートをやってて、足を怪我したから止めたって?
アグレッシブ・インラインスケート、オジさん、最近買ったぞぉ〜。

会話が弾む。
スケボーのビデオ、貸しましょうか?
いやぁ、悪いさ。 わざわざ持ってきてもらうの。
いえ、1分くらいの所に住んでるんで。
彼は、すぐに戻ってきた。
私が買った本のDVD版だ。
オジさん、お金もったいないから本しか買えなかったんだなぁ〜。
ありがとう♪
USEDで DC SHOES(スケートシューズ)を売ってる店を教えてもらった。
そんな高い靴、買えるかなぁ?
そろそろ中間試験でスケボーを 「封印」 するって?
オジさんも、あと1か月で審査なんだなぁ・・・・・。
中間でいい成績だったら新しいスケボー、買ってもらえるんだ。
そっか、がんばれよ!

そういえば、彼との会話の中で、「封印」 という言葉が2回もでてきた。
最近の若者の間で流行ってるのかなぁ?
こんど、CA さんとの会話で使ってみよぉーっと。



2005.05.24

一つ年下の機長(A)とダブル・キャプテンで飛んだ。
スタンバイ・ルームには、25才のコパイ(B)がいた。
スタンバイ・ルームを出ると年下の機長が言った。

B を見て感じることあるません?」(A)
「えぇ? 何のこと?」
ピチピチしてません?」(A)
「へ? なにが?」
顔の肌ですよ。 ピチピチ、ミチモチしてません?」(A)
「なに言ってるのさぁ?」
だって、自分の顔を鏡で見ると思うんですよ。 肌がガザガサでオヤジになったなぁ〜って。」(A)
「まぁなぁ。 ガサガサでヒビ入ってるよねぇ。」
つくづく年取ったなぁ、って思います。」(A)
「でもさ、B は25才だよ。 10代じゃないし。 それに男だし。」

実は、鏡を見ながら私も感じていた。
肌の感じがボロボロ。
いつからそうなのか?
いつの間にかそうなっていたのだった。



2005.05.31

最近、休みの日は昆陽池三昧。

池のほとりに白鳥がいつもいる。
枯れ葉で丸い形を作って、その中央に陣取っている。
そばにはいつももう一羽の白鳥がいる。

昨日も白鳥を見に行った。
いつもと変わらず、定位置に座っていた。
と、白鳥がモソモソ動いたかと思うと、立ち上がった!
へぇ〜、動いたの見たの初めて見たぞ。
ん????
お腹の下に何かある・・・・・・。
あ゛っ!?!?
タマゴじゃん!!
そっか、これって白鳥の巣だったんだ。
巣のそばにいつもいる白鳥、きっとつがいなんだろう。

カメラを持ったおばさんがやって来た。
まだ産まれてないようだけど、白鳥が温めるのを中断して立ち上がるときって、
 もうまもなく産まれるときなんですって。
 でも、残念ね。 タマゴは1つしかないみたいね。
」(おばさん)
そこへおじさんがやってきた。
どうですか、まだですか?」(おじさん)
まだみたいですけど、いよいよじゃないですか?」(おばさん)

携帯のカメラで写真を撮った。


そして今日、また昆陽池に行った。
もちろん、まず初めに白鳥の巣を見に行った。
そこにはもう白鳥はいなかった。
今までいつ行っても枯れ葉の上に座っていた白鳥がいない。
そこだけぽっかり穴があいてしまったしまったような、そんな感じだった。
産まれたのかな?
そうだ、きっとそうだ。
タマゴの殻はどこに行ったんだろう??
野犬に襲われたりしなかったかな?
いや、大丈夫。
きっと元気にどこかを泳いでいることだろう。