2006.03.01

伊丹 → 中標津 をフェリー(空)で空輸し(客室乗務員4名のみ客室の乗せ)、
その後、中標津 → 鹿児島 のチャーターフライトを飛んだ。
普段、飛ぶ路線ではないので、飛ぶ前からちょっぴり楽しみだった。

本当に久しぶりに大好きな中標津空港へ行った。
あいにく、日本列島のほとんど全てが雲に覆われ、
地上の風景はほとんど見ることができなかった。
中標津空港へのアプローチは ILS 08。
高度 7,000feet 以下に下がってようやく雲の下に出た。
摩周湖がきれいに見える。
MASHU Point という場所を通過しながら右旋回し、ILS 08 の電波に乗る。
再び 3,000feet で雲に入り、1,500feet で雲の下に出た!
正面に滑走路。
やや右手にとても見なれた空港とターミナルビルが見えた。
滑走路の少し手前、左手に、丸太が山積みしてある場所がある。
その光景が昔のまんまだ。
懐かすぃ〜。

そして、一番楽しみにしていた中標津のお昼弁当。
期待に旨を膨らませ、お弁当の中身を見ると・・・・・・、
イエーーッス!!!
昔のまんまで、超うまそぉーーーーっ!!
うーん、お口ムニャムニャ、唾液がダォーッと放出される。
嬉し過ぎ。

お客さん147名と添乗員3名を乗せて鹿児島へ向かった。
屋久島と種子島を巡る3泊4日の旅行だそうだ。

「屋久島と種子島、いっつも上は通るけど、行ったことはないなぁ。」
きっと、お金かかってると思いますよぉ。
 私、東京にいたころ、屋久島旅行を調べたんですけど、10万円以上しましたもん。
」(コパイ)
「へぇ〜、海外旅行より高いんだね。 でも、きっと、その価値、あるんだろうなぁ。
 行ってみたいなぁ。 行ったことある?」
航大時代、種子島空港には着陸したころありますけど、
 空港の外には出ませんでした。 行ってみたいですね。
」(コパイ)

客室乗務員(CA)さんにインターフォンで客層を聞いてみると、
いい感じのおじいちゃんとおばあちゃん達が多いようだった。
ならば、アナウンス長過ぎ、というクレームはないはず。
いつもよりかなり長めに、通常と違うアナウンスを入れてみた。

巡航中、コパイと交互にお昼弁当を食べた。
うまかったぞぉ〜。
また、行くぞ、中標津!



2006.03.03

飛行機に乗る前には、必ず検査場を通る。
検査場には歩いて通る縦長の四角い枠状の金属探知機がある。
危険なもの、ナイフやハサミのような金属物を持っていないことを確認するためだ。

私達、パイロットは、一日に何度も金属探知機を通らなければならない。
ある空港では、会社に出頭し、勤務便に乗務するまでに2回、金属探知機を通る。
要領が悪いと(自分の不手際なので仕方ないが)、
便乗(移動便)の前に、4回も通ることがある。
その度に金属探知機で音を鳴らすと大変だ。
携帯用金属探知機でくまなく体中をサーチされ、さらに、
手で触れてボディチェックをされてしまう。
時間をとられ、便が遅らせると大変だ。

財布と携帯電話だけ出せば、ほとんどの金属探知機は音を鳴らさずに通れるが、
なかには鳴ってしまう探知機もある。
そういう検査場では、たいてい、携帯用金属探知機で靴をチェックした時、
安全靴(つま先に金属が入っている靴)でもないのに、ピーッ、と音がなる。
恐らく床下や壁内の配線や配管の金属を、設置型の金属探知機も拾っているのだろう。
そこでは腕時計をはずしても音はなる。
その他、身につけている金属製品は、自作のネクタイピンとベルトのバックルだ。

そっか、この2つをプラスチック製にすればいいんじゃ〜ん♪

ホームセンターでバックルのパーツとナイロン紐をゲット。

ウエストポーチのベルトの長さを調整するパーツ。
これを2つ重ねて使う。 (1つ約250円)
ナイロン・ベルトは、このパーツにピッタリの規格のものが1m50円程度。
糸で縫えばで〜きあ〜がり〜。

下のパーツは、上のパーツと同じ袋に入っていた。

次はプラスチック製のタイピン。
タイピンに使えそうなものを想像する。
洗濯バサミのようなクリップで、厚さの薄いものがいい。
このタイプのクリップの欠点は、バネに金属が使われていること。
はさむだけで、つまむ部分のないものはないか?
考えられる形状のものは、ボールペンのキャップ。
何を買いたいか分からないとき、まず初めに行くのはダイソー(100円ショップ)。

あったぁ〜♪

左のボールペンのキャップはドリルで穴を開けて、携帯ストラップを通した。



こいつらを身につけて、敏感な設置型金属探知機を恐る恐る通ってみた。
ドキドキドキドキ。
すると・・・・・・・、
音が鳴らないっ!!!
感激した。

タイピンの使い勝手は完璧だが、ボールペンのキャップは格好悪過ぎだし、
蛍光黄緑色、っていうのも問題ありだ。(透明のものがなかった)

後日、自分の部屋を探した。
捨てる前に後で何かに使えそうなのでパーツを外して取っておくことが多い。
(例えばステイバックに使ったインラインスケートの車輪)
なかには、小学生の頃から取っているものもある。
他にも拾ったものもあり、私の部屋はグチャグチャだ。
調べていて、見つけた!
加工しなくてもそのまま使えそうなクリップがあったじゃん!
なんで、これに気がつかなかったかなぁ。

首からぶら下げる身分証明書に携帯用ストラップで装着。
これならなくすこともない。
ボールペンのキャップや、変な色のクリップより、よっぽどいい。
これからはこれを使おう♪



2006.03.07

たまたま見つけた詩が、とっても心に残った。
作者は分からないらしい。
無断転記はいけないことと知りつつ、それでもアップすることにした。
誰か、作者を知っている人がいたら教えてください。

こんなジジイになりたいと思う。


 ボケずに長生きしなはれや

 年をとったら  出しゃばらず
 にくまれ口に  泣きごとに
 人のかげ口   ぐちいわず
 他人のことは  ほめなはれ
 聞かれりゃ   教えてあげてでも
 知ってることも 知らんふり
 いつでも阿呆で いるこっちゃ

 勝ったらあかん 負けなはれ
 いずれお世話に なる身なら
 若いもんには  花もたせ
 一歩さがって  ゆずるのが
 円満にいく   コツですわ
 いつでも感謝  忘れずに
 どんなときでも へえおおきに

 お金の欲を   すてなはれ
 なんぼゼニカネあってでも
 死んだら    持っていけまへん
「あの人は   ええ人やった」
 そないに人から言われるよう
 生きているうちにバラまいて
 山ほど徳を   積みなはれ

 というのは   それは表向き
 ほんまはゼニを はなさずに
 死ぬまでしっかり持ってなはれ
 人にはケチと  言われても
 お金があるから 大事にし
 みんなベンチャラいうてくれる
 内緒やけど   ほんまだっせ

 昔のことは   みな忘れ
 自慢ばなしは  しなはんな
 わしらの時代は もう過ぎた
 なんぼ頑張り  力んでも
 体がいうこと  ききまへん
 あんたはえらい わしゃあかん
 そんな気持ちで おりなはれ

 わが子に孫に  世間さま
 どなたからも  慕われる
 ええ年寄りに  なりなはれ
 ボケたらあかん そのために
 頭の洗濯    生きがいに
 何か一つの   趣味もって
 せいぜい長生きしなはれや



 何名かの方から、早速、作者に関する情報をいただきました。
 どうもありがとうございました。
 残念ながら、それらの情報からは、作者を特定できませんでした。 
 念のため、作者らしき人達の候補?を載せることにします。

 http://www2u.biglobe.ne.jp/~m-matu/NsbWld/N60COLMN/MIYAGI/T60101.html 
 石川県小松市那谷寺の管首、天牛将富氏 94歳の時の作

 http://plaza.rakuten.co.jp/kinsumi/diary/200510310001/
 朝日新聞、昭和62年読者投稿欄より 天中新一郎 94歳

 天牛・新一郎(てんぎゅう・しんいちろう)
 大阪の古本屋の創業者で店主だった人。店は現在も吹田と天神橋にある。

 http://zerodama.com/ura0/sugouta/sugo4.html
 加賀自生山

 http://kobe.cool.ne.jp/mumemoro/syoko/ikikata5.htm
 石井光三




2006.03.11

新潟 → 那覇 行き(465便)に、中学生の修学旅行の生徒さん達が乗ってきた。
当然、機内アナウンスを入れたくなる。
他にも観光旅行のお客さんが沢山乗っており、ほとんど満席だった。
昨年末は、期間限定の飲み物 「チャイ」 をアナウンスで宣伝したら好評だった。
今の期間限定ドリンクは、Tropicana のレッドラズベリー味だ。
これが、またまたおいしい。
そういえば、以前、みのもんたの番組で、ラズベリーが体にいいようなこと、言ってなかったけ?
ブドウ類は活性酸素を体外に排出する働きがあったはずだ。
これもアナウンス・ネタに使えそうだ。

離陸後、水平飛行に移ってから、機内アナウンスを入れた。

しばらくして客室でのドリンク・サービス等が一通り終わり、
客室乗務員(CA)さんがインターフォンでコックピットを呼んできた。

先ほどはアナウンス、ありがとうございました。
 修学旅行の校長先生が、今回が最後の修学旅行の引率だそうで、
 生徒さん達へのアナウンスありがとう、と喜んでらっしゃいました。
 キャプテンにって、名刺を頂きました。
」(CA)

そっかぁ、喜んでもらえたのね。
良かった、良かった。



2006.03.12  マカロニ・サラダ

私はマカロニ・サラダが大好きだ。
マカロニは普通茹でのものより、早茹でタイプの方が圧倒的においしい気がする。
もちろん、経済的に余裕があれば、サラダ用のマカロニがイーブン・ベターだ。

マヨネーズはカロリーが高いので、できるだけ少なくし、
そこへ、マカロニが灰色になるまでコショウをかけて食べる。
大量にコショウを使うので、スーパーで買えるサイズのビンに入ったコショウはすぐなくなってしまう。
そんな贅沢、許されるはずがない。
本当は粗引きのブラックペッパーを大量にかけるとウマイのだが、そーんな贅沢も許されない。
業務用スーパーで袋売りの一番安いヤツを買うのだ。
マカロニ・サラダの日に、このコショウを切らしていると、私はマックス不機嫌さ。

クシャミをしながらマカロニにコショウをかけまくる。
これが、私のマカロニ・サラダ・ライフだ。

当然、シンちゃんもマヨネーズ少な目で食べることになる。
ヤツは、食べ過ぎ気味な豆タンクなので、マヨネーズは少なくて良いのだが、
妻は別途、自分の分だけエクストラ・マヨネーズをかけてエンジョイしている。
コショウをかけて食べるのは私だけ。
なぜだろ?
この際、そんなことはどうでも良い。

そういえば、ポテト・サラダにソースをかけるのも、我が家では私だけだ。
妻の父は、ポテト・サラダにソースをかけて食べ、
家族に、「気持ち悪い」、呼ばわりされていたらしい。(過去形)
ヌワヌィ〜〜〜〜ッ!!!!
ポテト・サラダにソースをかけて食べないなんて、ふとどきモノめぇ〜。
ましてや、ソースをかけてポテト・サラダを食べる人を、気持ち悪い、だなんて!
う〜ん、世も末じゃ。
シンちゃんには、
「ポテト・サラダ+ソース」、「マカロニ・サラダ+コショウ」 を教え込むつもりだ。
ちなみに、ポテトサラダには、少量のカラシを入れるのが、プチ・ポイントだ。

さて、今晩も、私の好物のマカロニ・サラダ。
午後5時頃に、キッチンのスィンクのそばに茹で上がったマカロニの山を発見!
ダーメ、ダーメ、ダーメ、ダーメージャーーーーン!!
全っ然っ、ダメだぁ〜、そりゃ〜♪
6時に夕飯を食べるまでに、
マカロニ達をギンギンに冷やしきらねばならないんだからさぁ〜。
と、やけに、マカロニ・サラダにだけうるさい私。

そして、夕飯。
シンちゃんが、パクッ、とマカロニを口に入れた。

これ、なんか、いつもと あじが ちがうねぇ。
 しろい けちゃっぷ、ちいさく いれたのぉ?
」(シンちゃん)

「白いケチャップ」 にバカうけする、バカ親ども。
そういえば、今日はマヨネーズが、いつもより多いようだ。
その味の違いを、シンちゃんは、「いつもより少ない」 と勘違いしたのかも。
妻曰く、「いつもと あじが ちがうねぇ。」 の言い方が、私そっくりなのだそうだ。

やっぱ、マヨネーズは多い方がおいししいなぁ〜。



2006.03.13

関空 → 女満別(1793便)で女満別空港に到着した。
私達より5分程前に到着したA300の折り返し便の女満別出発時刻が、
私達(女満発関空行き)と同タイム。
毎回のことだが、Push Back がどちらが先になるか、が問題になる。
前回はA300に負けてしまった。
今回は負けたくない。

普通ならA320の場合、お客さんの機内への案内開始時刻は出発時刻の15分前。
それを5分早めて、20分前からにした。
女満別空港は人気空港なので、お客さんが多く、X線検査場が大変混雑しており、
全員の搭乗が遅れてしまうかもしれない、と事前に係員から連絡を受けていた。
しかし、定刻より5分前にお客さんは全員、乗り終えていた。
飛行機へ乗りこむドアが閉まり、インターフォンで客室乗務員(CA)さんが呼んでくる。
そこで搭乗人数、着席状況を聞き、全て準備OKであることを確認してから、
管制官に Push Back をリクエストする。

ピンポーン

インターフォンの呼び出し音が鳴った。
CA さんから旅客搭乗数、着席状況を聞き、ドアが確実に閉まったことの報告を受け
まさにインターフォンの会話が終わろうとした瞬間、A300の無線が聞こえた。
Request push back.」(A300)
Oh, Nooooooooooooーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!
やられた!
また、負けてしまったのだった。

結局、定刻1分遅れで Push Back を開始。
1分ぐらいどうってことないのだが、定刻をめざして5分前にドア・クローズしているわけで、
お客さんには早めに飛行機に乗ってもらい機内で待ってもらっている。
待ってもらう時間を少しでも短くしたいから、
やはり、A300より先に出発したかった。

この1分の遅れが後々まで響き、結局、関空到着は定刻より8分遅れてしまった。

不幸中の幸い、とでも言うべきか。
関空での待ち時間が、通常の便間(30〜35分)より多くとってあった。(45分)
そのおかげで、次便の関空発千歳行き(1717便)は定刻に Push Back できるはずだった。
ところが、Push Back を開始したのは、定刻1分遅れ。
お客さんの搭乗が遅れてしまったのだ。

私達のスポットは17番だった。
隣の16番スポットからB767が、私達より1分ほど早く Push Back を始めた。
お客さんが乗り遅れなければ、B767より先に Push Back できていたかも・・・・・。
また、負けた。
今日、これで2敗だ。
この時間帯って、関空、混むからな・・・・。
それでも、エンジンをかけ終わったタイミングは私達とほとんどかわらず。
数十秒先に16番スポットのB767が管制官に地上滑走の許可をもらった。
そのすぐ後、私達も地上滑走の許可をもらった。
最初の指示では、私達がそのB767に続き、Runway 24 へ向かうはずだった。
しかーし、ここで、私達に停止指示が来た!
ゲェェェエエエーーーーッ!!
うちの前に、離陸機、さらに2機も入れるの??

16番スポットから出発したB767が離陸滑走を開始したのが19:12。
その後、着陸機を2機待ち、さらに出発機2機の後、
私達が離陸滑走を始めたのが19:22。
出発が1分遅れただけで10分も差がついてしまった。

飛行機で10分の差は大きい。
車だったら時速40kmで走るところを、急ぐために時速60kmで走れば、速度は50%増す。
時間は5割、短縮できる。
飛ばそうと思えば、まだまだスピードを出せる。
飛行機は、計画速度が時速40kmだったとしたら、
ギリギリまで加速して飛ばして、時速42〜44km程度だ。
どんなにがんばっても、その遅れを取り戻すのは不可能に近い。
結局、千歳到着は結局定刻から7分遅れてしまった。

関空 → 女満別 → 関空 → 千歳 と6時間30分も飛んだ。
長ーい一日だった。



2006.03.25

能登発羽田行き。
羽田へ向けてアプローチを開始し、高度を下げていった。
低高度の雲の頂上は 7,000feet 付近。
所々、地面が見える程度に雲は散在していた。
その隙間をぬうように、できるだけ雲に入らず揺らさないように、さらに高度を下げていくと、
5,000feet を通過する頃、見なれない物体が視野に入った。
それは小さな赤い点だった。
ナヌッ??
1秒もしないうちにそれは大きくなった。
あ゛っ!!
風船だ。
赤い風船だ。
今の、風船でしたねぇ。
 風船って 5,000feet も上昇できるんですね♪
」(コパイ)
5,000feet も上昇できることにも驚きだが、
子供用の普通の大きさの風船が、肉眼で認識できる所を飛んでいることもビックリだ。
一体全体、どこまで上昇できるんだろう?

赤いバルーンは1秒もしないうちに、視界から消え去った。



2006.03.26

羽田発八丈島行き、821便はオープンスポット407番からの出発だった。

クルーバス(乗務員専用バス)でオープンスポットへ向う途中、
スポット V1、V2 に同じ形の海上保安庁の小型ジェット機が2機、駐機してあるのを目撃。
誰があの飛行機に乗るのだろう?
VIPが乗るのは間違いない。

V1、V2 はVIP専用のオープンスポットで、
総理大臣や海外からの来賓があるときに使用される。
駐機される国内機は、通常、政府専用機のジャンボ、B747-400で、
2機ならんでいることが多い。
それが、今日は海上保安庁の小型ジェット機。
同じ形の国内機、2機を飛ばすのだから、
国内の偉い人が乗ることはほぼ間違いない。
でも、政府専用機のジャンボじゃなくて、小型機なのだから、
若干スケールの小さい、それほど偉い人ではないのかも。
総理大臣ならジャンボのはずだ。(根拠はない)

V1、V2 の隣の隣の407番スポットにクルーバスで到着した。
整備さんから飛行機に関わる昨日までの整備状況と、
今朝の状況に関するブリーフィングを受けた。
整備さんはさらに続けた。
ところで、今日、小泉さんが来ます。 出発時刻は08:00です。
 小泉さんに重なるとお客さんを乗せたバスが通れなくなるので、
 若干早めに(お客さんを飛行機にバスで)案内してもよろしいですか?
」(整備さん)
「もちろんです。 おまかせします。」
へぇ〜、あの海上保安庁の小型ジェット機に乗るのは小泉さんか。

コックピットで出発準備をしていると、整備さんにインターフォンで呼ばれた。
バスが出はらっていて、出発遅れそうです。」(整備さん)

オープンスポットから出発する飛行機が、
みんな小泉さんを避けて早めに案内を開始したのか。
バスがいないなら遅れても仕方ない。

管制官との無線交信が聞こえてきた。
Request clearance to Hiroshima Airport. Spot V1.」(海上保安庁の小型ジェット機)

そっか。
小泉さん、広島市に近い広島西空港へ行くのか。
新しい広島空港は山の中にあり、市の中心部まで時間がかかる。
市内の広島西空港は大型ジェット機は着陸できない。
だから政府専用機のジャンボでは行けないのだろう。

そういえば、以前、(山の中の)広島空港で
政府専用機のジャンボがタッチ・アンド・ゴーしてたっけ。
政府専用機で広島空港へ行くこともあるから練習していたのか?
小泉さんが広島へ行くときは小型ジェット機で広島西空港を使うなら、
誰が広島に行くとき広島空港へ政府専用機のジャンボで行くのだろう?
う〜〜〜〜ん、わからん・・・・・・。
そんなこと、どーでもいいか・・・・。

お客さんの搭乗が終わり、Push Back を開始した。
離陸の使用滑走路は 16R と 16L。
スポットと誘導路、滑走路の位置関係から、Push Back の方向は Face to North。
V1、V2 にお尻を向けて Push Back することになった。
私達の飛行機がエンジンをかけ終え、地上滑走を始めて旋回すると、
後ろに海上保安庁の飛行機が見えた。
おっと、あの小型ジェット機より、うちの方が先に地上滑走を始めていいんだ。
っていうか、うちが動かないと、彼らが動けないってことか。

小泉さんの行く手を私がふさいだ感じで、ちょっと偉くなった気分がしてしまった♪

 またまた読者の方に教えて頂きました。
 政府専用機のジャンボは、要人が海外に行く時だけ使用され、
 国内の移動では使用されないのだそうです。

 その後、さらに詳しい情報を寄せて頂きました。
 政府専用機は天皇陛下と内閣総理大臣の移動および
 邦人の救出以外には使用しないそうです。

 どうもありがとうございました!