2006.06.01
スンーゴイの、見ーつけたぁー!!
あり得ない程ぶっとくて長っい ☆ ミ・ミ・ズ
☆ ちゃん。
太さは私の小指ぐらい。
胃や腸の蠕動(ぜんどう)運動みたく移動するミミズの移動速度の速いこと!
一回の伸び縮みで5cmぐらい移動してたさぁ。
すんばらすぃ〜♪
もち、奇声を発して逃げる妻をミミズを持って追いかけ回し、その後、蒲焼にして食べましたぁ〜♪
んなわけ、なかろうさぁ〜。
2006.06.03
出勤の時間が近づいた。
Yシャツを着ていると、シンちゃんが言った。
「おとうさん、かえるの?」(息子)
「へ? 今、何て言った??」
「おとうさん、もうかえるの?」(息子)
すんげぇ〜、ショック!! (TT▽TT)
そういえば、最近勤務がきつくて泊まりが多いせいか、
家に居る時間が短い気がする。
「おとうさんのいえにかえるの?」(息子)
泣きたくなった・・・・。
2006.06.04
千歳発庄内行き。
庄内空港へ初めて行った。
あまりにも天気が良かったので、IFRをキャンセルした。
千歳−新潟を飛ぶとき、いつも高い高度から見下ろしている鳥海山を
左手、真横に眺めつつ、高度を下げていった。
海岸線を南へたどっていくと、赤川が見えた。
そのもう少し向こう側に空港にあるはずだ。
初めての空港なので、いつもより早めに減速し、眺めを楽しみつつ空港を探した。
あった!
緑の中に白っぽく、横長に空港の敷地が見えた。
目視で滑走路に対して直角に向かうとき、たいていは Direct Base へ向かい、
3マイル・ファイナルぐらいに乗るようにするが、
初めての庄内なので、う〜んと控え目に長めの7マイル・ファイナルに乗って着陸した。
地上滑走の速度まで減速した。
滑走路09に東から西へ向かって降りた。
左手に小高い丘があって、その、一帯が公園になっている。
天気が良かったせいか、家族連れが多かった。
とっても気持ち良さそうな公園だ。
この丘の存在が、強い西北西の風が吹く冬場に、着陸前の気流を乱すのだろう。
着陸前の気流がガッタガタだったとしても、この公園の存在は地元の人には嬉しいはずだ。
滑走路からターミナルへと続く誘導路に入った。
おや?
これは、また随分と上り坂になってるなぁ。
駐機場が坂になっている空港って、他にあったっけ?
ディスパッチへ挨拶に行った。
公園のことを聞いてみると、やはり人気スポットらしい。
空港の駐車場がタダで、家族連れが空港に車を乗り捨てて公園に行くらしい。
でも、台数があまり入れないので、週末にはすぐに満車になってしまい、
空港利用者が駐車場に停めることができないこともあるそうだ。
それは困ったことだ。
タダの公園専用の駐車場、是非是非、作ってあげてくださいね♪
(って、誰にお願いしてたらいいのかな?)
2006.06.05
千歳発新潟行き。
新潟空港へのアプローチは ILS 28 で北からのベクターだった。
管制官から 3,000feet まで降下の指示をもらった。
TCAS が計器に映し出す機影を発見。
随分、低い高度だ。
800〜900feet ぐらいか。
動きがとても遅い。
きっとヘリだ。(ヘリ=ヘリコプター)
管制官からのトラフィック・インフォメーションがあった。(トラフィック=他機)
「Traffic unknown, 11 o'clock. Moving very slowly.」(管制官)
操縦は右席のコパイがしていた。
11時の方角は、左席の私の方がよく見える。
どこだ・・・・・。
いた〜♪
へぇ〜、飛行船じゃん♪
飛行船を見つけるとほぼ同時に管制官から指示があった。
「Descnd and maintain 2,200feet.」(管制官)
ILS の Glide Slope を Intercept する高度までの降下の指示だ。
高度を下げ、距離が近づくと飛行船の色が見えた。
赤い。
なんて書いてあるんだ・・・・。
「NISSAN」 だっ!!
カルロス・ゴーン、頑張れぇ〜♪。
普通は飛行船の宣伝は地上から見上げるものだけど、
上から眺め降ろすのもなかなかなもんだ。
ILS 28 のファイナルに乗ると、管制官が別の飛行機に出す指示が聞こえた。
「Kyokusin Air, you are number two. Number one is airbus 320, on fainal for ILS 28.
Proceed to left base runway 04.」(管制官)
佐渡からの定期便だろうか。
滑走路04のベースへ向かって飛んでいる飛行機がいるはずだ。
今度も左席の私の方がトラフィックを発見しやすい。
おっ! こいつだな。
TCAS が機影を計器に映し出す。
目をこらしてその方角を探すが、見えない。
小さな飛行機だから、見つけるのに苦労する。
でも、見つけたい。
滑走路と計器(姿勢、速度、ピッチ、降下率、風、エンジン出力等)をクロスチェックしながら
飛行状態を常にモニターしつつ、
外を飛んでいる飛行機も探さなければならない。
近くを飛ぶ飛行機が不穏な動きをしていないかどうか常に監視して、
(管制官の指示に従っていないかもしれないので)
何らかの理由で自分がゴーアラウンドしたときなど、
自分が飛ぶであろう飛行経路が安全かどうか考えなければならないので、
他機を目視できていることのメリットが非常に大きいのだ。
ILS の電波に乗って高度を下げていったが、500feet を過ぎてもまだ見えない。
距離にして5マイル(距離)程度だから、どんなに小型機でも、もう見えて良いころだ。
高度 200feet。
いたぁーーーーっ!!
水平距離3マイル。
小型機がかなり大きく見えた。
ちょうど窓枠と重なっていて視認が遅れてしまったようだった。
着陸、いい感じだったぞぉ〜。
うまいもんだ。
飛行船は、「NISSAN」ではなく、「NISSEN」だったそうです。
目撃したのは、まさにこの飛行船でした。
ありがとうございました!
2006.06.08
朝、自宅で宮崎の天気を確認したとき、ヤバーイ気がした。
中部から宮崎へ向かう345便。
宮崎に着陸すれば、用意してある夕食の弁当が食べれるが、
降りれずにどこかへダイバートすると、夕食にはありつけない。
一度、弁当を食べ損なうと、次はいつ食べれるか分からない。
キッチンをゴソゴソ探した。
なんか、食いもん、ないかなぁ〜。
おっ!
ピーナッツ入りカキの種、発見。
あとは・・・・・、何もないなぁ〜。
じゃあ、チョコレートを持っていくか。
キャンディーのように一個ずつ小分けになっている、
一袋300g入り200円のチョコレートと、カキの種をフライトバッグに入れた。
腹が減っては戦はでいんからなぁ〜。
宮崎の上空で天候が回復するのを待ち、着陸できたとして、345便が少々遅れても、
折り返し伊丹行き510便まで、便間に余裕があるから定刻で出発できる。
でも、もしダイバートしたら・・・・、
きっとフェリーで(空で)宮崎に戻ることはしないはず。(夕方から夜にかけて天候悪化の予想)
福岡にダイバートしたらフェリーで伊丹に戻るか・・・・。
福岡も含めて、九州全域、天気が悪いから、中部リターンもあり得る。
ってことは、やっぱ、その後、伊丹にフェリーか?
自宅から新幹線移動で中部空港へ行った。
中部空港へ到着してすぐディスパッチへ行った。
そこに、ちょうど今、宮崎から中部へ便乗で来たクルーに会った。
どの高度もガッタガタに揺れており、ベルトサインは消えていたけど、
途中、突然大きく揺れることが何度かあり、
ベルトサインは飛行中、ずっと消さない方がいいかもしれない、とのことだった。
赤外線画像で雲の状況を確認すると、確かに巡航中は揺れそうな雰囲気だ。
宮崎空港の天候が悪くて着陸できない場合について考えるだけでもやっかいなのに、
巡航中の客室のサービスについても考えなくてはならないなんて・・・・。
今日は常時、脳をフル回転させないといけないかも。
飛行計画は FL340(34,000feet)で計画されていた。
オルタネート(宮崎に着陸できなかった時、向かう空港)は、福岡と中部。
中部に戻ったとして、宮崎上空で1時間待機できるだけ燃料を搭載予定だ。
待機に1時間の余裕をもたせた燃料計画は、アプローチ1回とミストアプローチ1回を考慮している。
(ミストアプローチ=進入復行=着陸できず上昇する)
3回アプローチして、3回ともミスった(ミスとアプローチして)とすると、もっと少なくなってしまう。
中部リターンで、上空で待機可能な燃料は20分ぐらいか?
それだけあったら十分か。
中部の天候は全く問題ない。
福岡は微妙だ。
どっちの滑走路も ILS が使えるし、一応、空港予報ではオルタネートとしての条件は満たしている。
でも、エコーの推移を見る限り、あまり行きたくないかもなぁ。
345便。
搭乗が始まり、コックピットで準備していた。
最新の宮崎の天気を取った。
なぬっ?!
着陸できない天気だ!
ILS 27 では追い風が強すぎ、Circling 09 だと視程が悪すぎ。
天候悪化が予報より3時間以上も早まっているのか?
ワーストインフォもつけずに
(着陸できなかった場合、最悪○○空港へ向かいます、というお客さんへのアナウンス)
就航してしまっているけど、大丈夫かなぁ?
でも、今更、ワーストインフォを流しても、搭乗が始まってからでは遅すぎる。
しばらくして、カンパニーが無線で呼んできた。
宮崎の天候悪化に関わる情報だった。
地元、宮崎のディスパッチによると、345便の到着時間帯までには
悪天候をもたらしている雲の塊が東の海上に抜け、
回復するはずなので問題ない、とのことだった。
本当か〜?
今日の天気の感じからすると、一度悪くなったら回復しない雰囲気だぞ?
それに、エコーを伴う雲、遠くで出来たものが空港を通過する、というより、
空港のすぐ近くでどんどん湧き上がって、次から次へと通過する感じだぞ。
ただ、それはあくまでも私のイメージ。
地元の人が言うことを信じよう。
他機のレポート通り、上昇中 12,000〜13,000feet 近辺の Cloud Base で大きく揺れ、
雲に入ってしばらくスムーズ、その後 24,000feet を通過すると気流は安定してきた。
インターフォンで客室乗務員(CA)さんを呼び、ベルトサインを消せる時間はおよそ15分、
西へ向かうに従い気流は悪くなる、また、
途中、突然大きく揺れる可能性もあるので十分注意してサービスするよう指示し、
ベルトサインを消した。
カンパニー無線で 34,000feet の最新のエンルート情報(水平飛行中の揺れの情報)と
宮崎空港の天候の推移を聞いた。
あいにく、私たちが飛ぶ航路上の FL340 の情報はなし。
また、宮崎の天候は変化なし、とのこと。(アプローチすらできない状況のまま)
土佐清水まできたとき、突然揺れだした。
私が予期していたより揺れが始まるタイミングはかなり遅かったのは幸いだった。
CA さんのサービスはだいぶ前に終わっていたので、すぐにベルトサインをつけ、
宮崎へ向けて降下を開始した。
21,000feet を通過中、宮崎のディスパッチャーから無線連絡が入った。
ILS 27 では追い風が強すぎて進入は不可能。
サークリング 09 をするにはエコーを伴った雲が空港の上空にあり、
視程もシーリング(雲底)も低すぎて、無理とのこと。
エコー(雨雲)が抜けて天候が回復するまで20分ぐらいのはず、と言われた。
300kt で飛んでいたが、すぐに 200kt まで減速。
前方を見ると雲が広がっている。
推定 Top(雲頂高度)は 19,000feet 程度か。
降下指示は 6,000feet までだったが、
すぐに 20,000feet で水平飛行させて欲しい、と管制官に伝えた。
同時に ILS 27 の進入開始点である OYODO の上空で待機させてもらえるようリクエストした。
待機の許可はすぐに来た。
高度は FL190 ならOKとのこと。
ギリギリ雲にかかるかどうかの、まあまあの高度だったので、
Accept した。
今から20分待つ、ということは17:05までは待機する、ということか。
すぐにインターフォンで状況を CA さんに伝え、アナウンスを入れた。
17:03頃、17:00の最新の宮崎空港の天気を
ACARS で取った。
天気は・・・・・・、
ダメじゃーーーん!!!
着陸できないじゃんかよーっ!!
サークリングはお呼びじゃないし、ILS をするには追い風17kt以上だ。
最大追風は2500m滑走路なので15kt以下でなくてはならない。
すぐに宮崎のカンパニーに現況を聞いてみた。
「さきほどから、若干風が弱まってきていまして、今は
ILS 27 で、追い風13kt ぐらいです。
もうう少し様子をみて、追い風が確実に15kt以下で安定してることが確認できたら連絡します。」(ディスパッチャー)
風が追風15kt以下で安定して、「今、すぐアプローチしてください」、って言われても、
19,000feet にいてはすぐにアプローチを開始できない。
とりあえず高度を下げとくか・・・・・。
それにしても、なんで風が弱まってるんだ?
予報から察するに、弱まるはずなかろう?
えぇーい、高度を下げてアプローチの準備しよう。
CA さんにインターフォンで連絡した。
「とりあえず、高度を下げていつでもアプローチできる状態にしときます。
これから雲に入るのでベルトサインをつけます。」
ベルトサインをつけ、フラップを一段降ろし、オートパイロットを切り、
スピード・ブレーキを MAX 引いて降下して行った。
6,000feet を通過した頃、もう一度カンパニーで風を聞いた。
「今は追風14kt〜15kt程度です。 少しずつ強まってますが、まだ
within limit です。
アプローチをお願いしてもよろしいでしょうか?」(ディスパッチャー)
追風が再び強まってる?
何で一度弱まったんだ?
ホールディング・パターン内で空港に向いて飛行中、
ずっとレーダーで雲の様子を見ていたが、ようやく気がついた。
予報通りなら、東北東の風が20kt以上吹くはずだが、
さっき一時的に13ktに弱まったのは、エコーが空港の西にあり、
雲からの西風成分を持つガストフロントが、東北東よりの風を打ち消していたんじゃないのか?
そのエコーが空港の直上までに来て、ほぼ東に抜けかかっている今、
東よりの風を打ち消す西よりの風が弱まってるんじゃないのか?
ってことは、追風が15kt以下に安定するまで待ってる場合じゃなかったんじゃないのか?
雲が空港の東に移動する前に、一刻も早く着陸しないと、
また追風オーバーでアプローチできなくなっちゃうじゃんかっ!
直ちに管制官に進入許可をリクエストした。
すると、離陸機がいるからしばらく待て、というではないかっ!!
マズイ、マズイ、マズイぞぉぉおおおーーーーっ!!
追風15kt超えたら、マジ着陸できなくなっちゃう!
このエコーが過ぎて、再び東北東の風が強くなったら、次はいつ制限値内に収まるか検討もつかない。
カンパニー無線が入った。
「今、追風、時々15ktを超えはじめています。」(ディスパッチャー)
ひょえぇぇぇえええぇぇええ〜〜〜〜〜〜!?!?!
遅かったかぁ〜??
数分経ち、管制官が言った。
「All Nippon 345, clear for ILS 27 approach.」(管制官)
管制官からアプローチの許可が出た。
追風は17ktだ!!
う〜〜ん、マズイなぁ・・・・・。
500feet までに追風が15kt以下にならないと、着陸できない。
ILS 27 の進入開始点 OYODO を 2,000feet で通過。
追風16ktちょっと。
1500feet で風をチェック。
17kt。
1000feet で風をチェック。
16kt。
これはダメかも・・・・・。
カンパニー無線の声が聞こえた。
「追風、今、15kt以下です。」(ディスパッチャー)
おっ・・・・・。
でも、管制官が通報する風が15kt以下であることを私は確認しなければならない。
800feet で風をチェック。
17kt。
やっぱ、ダメか・・・・。
「もう一回、600feet で聞いて。」
600feet。
「Request surface Wind.」(コパイ)
「Wind 060 degrees 17kts.」(管制官)
「入りました。15kt以下です!」(コパイ)
(この時点で高度 520feet)
ヨッシャーーーーッ!!!!!
「Approaching Minimum.」(コパイ)
「Check.」
OK、滑走路見えた。
「Minimum.」(コパイ)
「Landing.」
「気流安定してるから、降りるよ!」
と言いつつも、まだまだ安心はできない。
一瞬でも不安要素があったら直ちに Go Around できるよう、
右手の Thrust Lever は最前方に出す心の準備をしつつ、(Go Around Power を Set するため)
でも Approach Speed を1ktでもオーバーしないように
Thrust Lever を微調整しながら、
接地点めがけて降下を続けた。
100feet でチラッと Wind Sock(吹流し)を見て、地上の風を確認。
計器上の風とほぼ一致している。
気流は全く問題ない。
通常よりかなり早く 70feet ぐらいからパワーをアイドルまで絞り、
1000feet の接地点を狙った。(1000feet =
滑走路末端からの距離)
伸ばすな。(接地点を)
つけろよ。(タイヤを)
速度はいい感じで減速してきている。
ジャスト、 1,000feet にタイヤがつくように機首をジワッと上げた。
お、少し高かったか?
すぐに機首を微妙に下げた。
恐らくタイヤ(後輪)がついたのは 1400feet 近辺。
即、フルリバース。
同時に直ちにノーズ(前輪)をつけた。
オートブレーキが確実に作動していることをチラッと目で見て確認。
減速率はOKだ。
追風ではあったが、ほぼ通常通り
Taxiway S-4 までには地上滑走の速度まで速度が落とせることが分かったので、
オートブレーキをはずした。
そして、いつも通り S-3 から滑走路を出た。
良かった、良かった。
ダイバートせずに降りれた。
お客さんが全員降機し、飛行機を降りてディスパッチへ向かった。
X線検査場を通過後の待合室には、普段はお客さんがいるのに、
今日は人っ子一人いなかった。
うちの便以外、どのゲートにも飛行機がいない。
誰も着陸してないのか?
ディスパッチに到着。
「その後、風はどんな感じですか?」
「345便が着陸したときだけ、一瞬、15ktを切りましたが、あとはずっと17kt以上です。」(ディスパッチャイー)
タイミングが良かったのだろう。
本当にラッキーだった。
「JAL便はダイバートしたので、JALの伊丹行きのお客さんがうちに流れてくると思います。」(ディスパッチャー)
「じゃあ、ほぼ満席になりますね♪」
宮崎に着陸できて、お客さんにも喜んでもらえたろうし、
伊丹行きのJAL便に乗るはずだったお客さんは救済できたし、
私たちクルーは宮崎空港に置いてあった夕食の弁当にありつくことが出来たし、
終わりよければ全て良し。
今回はたまたまタイミングが良かったから私の便は着陸できて、
JAL便は降りれなかったが、当然、その逆もありえる。
今回は単に運が私に味方しただけ。
本当にラッキーだっただけだ。
(着陸できたのは会社が良い、とか、機長の腕が良い、とかいうことでは決してない。)
折り返し510便で離陸する頃、私達が345便で着陸したときより若干風が北に振っていたため、
ILS 27 でのアプローチは可能な状況だった。(追風が弱まっていたので)
離陸滑走路は09。
離陸滑走を始めるとき、左斜め前方から17kt程度の風で大したことなかったが、
機体が浮き上がった直後、風が20ktも増速し、37ktになっていた。
当然、気流は結構悪かった。
『これから着陸する347便は大変だろうなぁ〜。頑張ってなぁ。』、と思いつつ、
宮崎空港をとっとと後にしたのだった。
2006.06.13
年2回ある審査のうち、1回がやっと終わった。
ここ1か月ほどずっとブルーだった。
精神的なストレスがたまる。
朝目覚めるとアドレナリンが分泌しまくっているせいか、心臓がバクバクしている。
目覚めた瞬間に冷や汗が出たりする。
時には一日中ドキドキしている。
それがようやく終わった!!
シミュレーターのチェックが終わり、伊丹へ戻る便乗で、久しぶりに新聞を熟読した。
最近は文字を追いながらも、数行読んで、そこに何が書いてあったのか分からないほど、
何も頭に入らない状況が続いていた。
今日は違った。
遠くで声が聞こえた。
機内サービスに関する客室乗務員(CA)さんのアナウンスだ。
新聞に集中しているので、意識の彼方で音声が流れている。
そろそろ飲み物がくるころか。
私はトイレに行きたかった。
サービスカートが通路に出てくると、トイレに行くとき CA さんのサービスを邪魔してしまう。
今のうちに行っておこう。
機内はすいていた。
読んでいた新聞を隣の席に置き、シートベルトをはずし、立ち上がった。
前方の CA さんと目が合った。
んっ?
なんで、CA さん、2人とも座ってるんだ?
機体の左端と右端にある一席ずつある CA シートに、CA さんが座っている。
サービスをなんで始めないんだろう?
あれ?
なんか、2人とも私を見てるぞ・・・・。
しかも、ものすごーく戸惑っている雰囲気だ。
私に声をかけようか、どうしようか、2人ともメッチャ困ったような感じの表情をしている。
なんでだ?
あ゛っ!
上を見上げると、シートベルトサインがまだ点灯しているではないかっ!?
なんで消えてないの?
だって、さっきサービスのアナウンスしてたじゃん??
CA さん達の表情の意味を悟り、申し訳なさそうな表情をしつつ頭を下げ、
すぐに着席してシートベルトを装着した。
私は制服を着ており CA さんは私が乗員であることを知っていたはずなので、
普通のお客様に対して声をかけるように、
「お客様! お座りになってシートベルトをお閉めください!」、とは言いにくかったのだろう。
とても悪いことをした。
それから1分程して、シートベルトサインがOFFになった。
私の後ろの列にも便乗の乗員が座っていた。
きっと、彼は、「こいつ、アホやな。」、と思ったに違いない。
あぁーー、かっこわるぅー。(シンちゃんの言い方)
2006.06.16
仙台 → 千歳 → 庄内 → 千歳 → 福島 → 千歳
恐怖のファイブ・ランだ。 (5ラン = 5 Landing = 5路線乗務)
東北をひたすら行ったり来たりするこのパターン。
前回やったときは天候に恵まれ、各空港の天気が良く離着陸の条件は良かったし、
上昇、巡航、降下、全てのフェーズで気流は安定していた。
そんな時は、比較的(あくまでも比較的)楽だ。
しかし、今日は違った。
揺れるタイプの雲が東北地方を覆っていた。
水平飛行中はきっとゴトゴトどこかで揺れる。
その度に、ドキッ、ドキッ、としながらの運航だ。
ストレスがたまる。
しかも、千歳は強い南風の影響で、確実に着陸前は気流が悪いはずだ。
長ーい一日になりそうだった。
仙台発千歳行き(723便)と、庄内発千歳行き(577便)は、コパイに操縦をしてもらった。
仙台は離陸時、かなり風が強く、また横風成分が若干強目だったが、
副操縦士の操縦実施要件は満たしていた。
庄内の離陸時は、雨が降っていたものの、気流は良好で特に問題なし。
千歳は、2回の着陸ともに南東の風が強く気流は悪かったが、
これまた副操縦士の操縦実施要件は満足していたし、腕の良いコパイだったので、まかせておいた。
この二つをやってもらったので、私としてもだいぶ楽ができた。
千歳発庄内行き(578便)
予想していた通り、雨が降り出す直前にアプローチを開始することができたので、
IFRをキャンセルし、気分よくVFRで海上で高度を処理し、Runway
09 へ降りた。
風は120度から20kt弱だったと思う。
大した風ではなかったが、意外と気流が悪いことに驚いた。
千歳は夕方からさらに南東の風が強まり、
福島発千歳行き(869便)で千歳着陸時、気流が悪いことは予想できていたので、
庄内での着陸はほど良い予行演習だった。
千歳発福島行き(870便)
福島は南風が卓越していたので、福島VOR上空から
Runway 19 へアプローチする予定だったが、
若干天候が悪化しており、シーリングが下がってきているようなので、 (シーリング=雲の底の高さ)
ILS 01 リコメンド(Recommend)する、とのディスパッチャーからのアドバイスをカンパニー無線で受けた。
福島へ千歳から(北から)アプローチする場合、
VOR 19 より、ILS 01 へアプローチする方が、旋回と高度処理の関係から
どちらかというと ILS 01 の方が時間を短縮できる。
追風ではあったが接地時の風は Tail 10kt弱。
滑走路の長さは2500mあるので特に支障なし、と判断し、ILS 01 をオーバーヘッドから実施した。
(オーバーヘッド=福島VORの直上(空港直上)を通過してからのアプローチ)
Outobound から Inboud へ左旋回する頃、ILS
ファイナルの風は追風30ktだった。
強めの追風が少しずつ弱まるタイプの Head Windshear のアプローチ。
満席で燃料も沢山積んでいたので、着陸重量はかなり重めだ。
追風で着陸するときは早めにパワーをカットしたいが、
重量が重いときにアイドルにするタイミングが早すぎるとピッチだけで支えきれず、
強めの接地になってしまう可能性がある。
また、福島の Runway 01 は少し上り坂になっているので、
接地させるときの機首上げ(フレア)の角度の微調整も考えなくてはならない。
そんなことを考えつつ、ILS 01 を実施。
気流良好な中、問題なく着陸した。
福島発千歳行き(869便)
空港の予報通り、地上の風は150度の方向から25kt、ガスト35kt。
(ガスと=風の息=扇風機のような一定の強さの風ではなく、うちわであおいだときの強い方の風)
シーリング(雲の底)が比較的低かったので、VOR/DME
19L ではなく、ILS 19R を実施した。
ILS の Glide Slope を Intercept する高度
2,000feet での風は150〜160度で50kt程度だった。
意外と気流は悪かったが、以前、千歳のアプローチしたとき
2,000feet で80kt、1,000feet で70kt吹いていたときに比べれば大したことない。
想定内だ。
高度を下げていくと 500feet 付近で滑走路が見えた。
オートパイロットをはずし、マニュアル操縦に切り替えた。
結構気流は悪いが、やはり想定内。
Path を維持しながら滑走路に接近。
19Rの滑走路末端を通過。
おっと!
右の翼が落ちた。
すかさずサイドスティックを左に傾け翼を水平に戻した。
20feet でパワーをカットし、フレア。
同時に左からの横風が強まったようだ。
無意識に飛行機をアラインさせていたようで (アライン=滑走路の中心線上にもっていく)
左ラダーを踏み、機首をジワッと左に振り、 (恐らく150度方向からのガストが一瞬強まった)
次の瞬間、右ラダーを踏み機首を元に戻しつつ、機体を少しだけ左に傾かせながらタイヤをつけた。
いつもより少しハイテンション気味に操縦したせいか、
5ランの疲れが吹き飛び、爽快に仕事を終えることができたのだった。
2006.06.23
17日、父の日の参観で幼稚園へ行った。
父親参観に行けなかった親御さん、ジジ、ババのために、
さらにその次の週、自由参観の日が数日設定されていた。
参観は一度きりにしてくれ、とは言われていなかったので、
私はは仕事が休みの日に再び参観に行った。
あれぇ〜?
なんで先生が一人しかいないの?
年少さんばかり30人が集まると、手がかかるのは当たり前。
それを普段は2人いる先生のうち、
ベテランの先生の方がいないのだからどうなってしまうことやら。
園長先生が来た。
出張で幼稚園の先生3名を明石に行かせているとか。
フムフム、なるほど・・・・・。
でも大丈夫なのかなぁ〜?
体育の時間が終わり、もとの制服に着替えることになったが、さぁ大変。
自分で着替えることができない子の方が多い。
一時的なヘルプに先生が着ていたが、収集がつかない感じだった。
子供達がトコトコ私の所へ来た。
当然、服を着るのを手伝ってあげた。
すると、別の子も来た。
また別の子も、また別の子も。
いつのまにか手にしていたビデオを床に置き、着せ替えに参加している私。
息子は脱いだ体操着をしまう袋がなくなっていたようで
「お父さん、ヘルプ」 の眼差しになっていたが、ヤツはほっとこう。
服を着るのを手伝う、といっても、全部やってあげては意味がない。
一番上のボタンだけとめてあげて、あとは自分でするよう指導しまくった。
た、・・・・・、たのすぃ〜♪
もともと幼稚園か小学生の先生をしてみたかったので、
私にとっては先生が一人しかいなくて幸いだった。
音楽の授業に入ると、カスタネットを指にはめることができない子が続出。
先生はピアノを弾いていたので、私はヘルプしまくった。
もしかして、私って授業の邪魔してる?
いや、そんなはずはない。
周りの状況を極めて冷静に観察しながら、
私は自分が本当に授業の邪魔をしていないかどうか、考えたつもりだ。
うん、きっと、手助けになっている。
大丈夫だ。
給食の時間がやってきた。
箸で上手に食べてる子もいる。
スプーンの握り方すら全然なってない我が子。
そろそろ教えた方がいいかなぁ。
教えても、イヤッ!、って直す気がないからな、アイツは・・・・。
先に食べ終わった子たちが退屈そうだった。
先生は・・・・、自分の分を食べつつ、他の子たちに気をとられていた。
ならば、と、私がエンターテインしてあげた。
おっと!
妻に頼まれていた写真の申し込みをしないと・・・・・。
廊下に出て、写真をチェックしていると、そこに年中さんがやってきた。
「おっちゃん、今日も変なことしとったろ?」(年中さん)
きっとバスでの通園組だ。
バスが到着するとき、いつも変なポーズをして息子と待っている。
そいつが私の背中をたたいた?!
いってっ!!
振り向くと、ヤツは上履きを脱いで片手に持っているではないかっ!
目が輝いてる・・・・・。
メチャメチャ嬉しそうだ。
「そんなんで人をなぐったらアカンでぇ!!」
そんなこと聞くわけないか。
写真をチェックしていると今度は二回殴られた。
かなり思いっきりだ。
振り返ると、そいつプラス別の子が上履きを持ってニヤニヤしている。
「コラァァアアアアーーーーーーッ!!!!」
いつの間にか子供に囲まれ、両足を取られ、股下に一人入られ、
不覚にも廊下を引きずられてしまった。
へっ?
シンちゃんも父ちゃん、引っ張って喜んでるんか?
ワー、ワー、ギャー、ギャー、騒ぎながら、廊下を行ったり来たりしていたら、
別のクラスの新任の先生が、冷ややかーな視線を私に向けつつ立ち去った。
でも、メッチャ、楽しかったぞぉぉぉおおーーーーーーっ!!!!
生まれ変わったら、幼稚園の先生になーろおっと♪
家を出る前に妻に言われたこと。
決して授業の邪魔をしないように!
授業に参加しないように!
何もせず、黙って、ただ見るだけ。
やっぱ、守れなかったなぁ〜♪
2006.06.24
先日、息子と田んぼへカブトエビを採りに行く途中、
家の近くの道路わきの溝で赤いカニを見つけた。
連れて帰り、100円ショップで買ったプラスチック容器に入れておいた。
玄関にはメダカの水槽が3つも置いてあり、そのうえカニのケースとなると、妻がイヤがる。
深いケースだし、カニは逃げれるはずはない、と確信し、庭に出した。
次の日の朝、カニはいなくなっていた。
きっと猫だ。
近所の猫がザリガニのケースをよく眺めている、と妻が言っていた。
ケースには必ずフタをつけるように言われていたのに、油断してしまった私。
朝、息子が起きたとき、カニが猫に食われたと告げた。
息子が固まった。
どことなく悲しげで、無表情。
ハグをしようと近づいたら逃げられた。
息子に謝った。
息子は言った。
「おとうさん、ゆるさない。」(息子)
息子も泣きそうだったが、父ちゃんも泣きそうだった。
息子に言われた言葉の中で、一番お父さんの心に突き刺さった言葉だった。
昨晩、妻とカニのいる公園に今日行くことを計画していた。
「今日、カニを採りに行こう。」
息子に笑顔が戻った。
フタ付きの昆虫用のプラスチックケースは、大きいものは1000円近くする。
フタがなくて良いなら100円ショップに売っている容器で十分だ。
でも、これからは是非ともフタつきのケースを買おう。
少々、高価でも仕方ない。
息子の悲しい顔は見たくない。
コーナン(ホームセンター)は土・日・祭日は9時オープンだったはず。
「ネットで調べてから行ったら?」(妻)
電話帳を見ると・・・・・、あった、あった。
私の直筆で「土・日、9時オープン」と書いてある。
9時にコーナンに行った。
しかし、何故か店が開かない・・・・・。
なんで?
お店の人に聞くと・・・・・・・、
なんとっ! 土曜は平日と同じ、9時半オープンではないかっ!
クッソォォオオオーーーーッ!!!!
公園に到着する時刻を考えると、どうしても9時半には家を出たい。
9時半のオープンを待ってから帰宅すると、家を出れるのは10時頃になってしまう。
「父ちゃん、間違った。 コーナンまだ開かないみたいだからおうちに帰ろう。」
「いやだ! おさかなと、いぬ、みる!」(息子)
「ごんめんな。 でも、おうちでお母さん、
『早く帰ってこないかな? カニ採りに行きたいな。』、って待ってるから、帰ろう。」
なんとか息子をなだめすかして車に乗せ帰宅した。
予定通り09:30に出発。
10:05に公園に到着。
沢に下りた。
とっても水がきれいだ。
小さな子供が2人、お母さんとバーバと何かを採っている。
「何、採ってるの? 見ーせーて?」
お゛お゛お゛ーーーーーっ!!!!
カニじゃぁぁぁああ〜〜〜〜〜〜!!!!
動きがそれほどスピーディーでない感じのお母さんと、小さな子供とで
3匹も捕まえることができたとは・・・・。
きっと、カニはそれ程、動きが速くないはずだ。
妻と息子と私で水に入り、捜索開始。
と、約1分でカニ発見!!
逃げられないように、ゆっくり近づき、ソーッと手を伸ばし、一気に掴み採りにいった。
ゲットォーーーーーッ!!
って、全然、逃げるスピード遅いじゃ〜ん♪
さすがに3歳の息子は自力でカニを捕まえることはできなかったが、
妻も私も捕まえまくった。
結婚して以来、こんなに妻が必死ぶっこいて生き物を採る姿を見たことってない。
しかも、シンちゃんのことそっちのけだ。
なんて珍しい!
なかなか微笑ましい姿だった。
あんまり捕まえても仕方ないので、カニ採りは妻にまかせ、
息子と一緒に岩を登って川の中を歩いた。
「できない。」 ばかり言う息子に、岩を掴む場所、足のかかりそうな所を教えつつ、
少しずつ岩をよじ登っていった。
きっと、昔の子供はこうやって遊びながら育ったんだろうなぁ。
沢ガニが沢山採れ、息子、ご満悦。
妻もカニ採りに熱中できたようで、かなり嬉しそうだった。
そこから別の場所に移動し、私はメダカを10匹ほどゲット。
帰りの車の中で息子が言った。
「ことしはいっぴき、カニがねこにくわれたねぇ。」(息子)
何故か、今年のまとめに入った息子だった。
そのままマクドへ行った。(マクド=マクドナルド)
新聞の折り込み広告にマクドのクーポンが入っていた。
そういうときは、お腹いっぱいマクドをエンジョイできる。
私はダブルチーズバーガー3つとポテトMを2つにマックナゲットを1パック完食。
「随分、小食になったなぁ。」
「そんなだけ食べれば十分っしょ?」(妻)
「やっぱ、キャプテンになって良かったなぁ。 やっとマクドがたらふく食えるようになったわ。」
「全部、半額やけどね。」(妻)
帰宅後、妻は疲れてグッタリ。
マクドに行く前は、食いしん坊の息子も 「ぽてとたべない。 ねむい。」
と言っていた。
息子もかなり疲れているはず。
私は、朝5時に起きているし、7時からウエイトトレーニングをしていたので、かなーり疲れていたが、
息子に言ってみた。
「寝る? 川に行く? どっちにする?」
「かわにいく。」(息子)
よっしゃーっ! そうこなくっちゃ!
「こんな炎天下、そんなに連れまわして大丈夫?」(妻)
自転車をこいで川に行った。
なだらかな上り坂が続くので、朝のスクワットで既に疲れている太ももが悲鳴を上げていたが、がんばった。
メダカの赤ちゃんを30匹ほどゲットし、父ちゃん幸せ〜。
(ザリガニも飼っているが、今年はメダカに凝っている。)
息子も眠気が去ったのか、川に来ていたお兄ちゃん、お姉ちゃんと一緒に川の中を歩き回った。
近くを通りかかったおっちゃんが、小学生に何かをあげていた。
ヒメクワガタのオスだっ!
昆陽(こや)池にいたらしい。
すぐに息子を連れて小学生の所へ行き、ヒメクワガタを見せてもらった。
息子、大興奮。
????
小学生が持っていた小さなプラスチックケースに、黒いものが入っている。
ほぼ満タン、隙間がない。
押し込まれたような黒い物体。
光ってる?
黄色い斑点がある?
目だっ!
あ゛あ゛あ゛ーーーーーっ!!
これって、ウシガエルじゃんっ!!
息子も私も大興奮!
「どーしたのこいつ?」
「あのおっちゃんがな、ここ踏んでみ、って言う場所を踏んだら、こいつが出てきん。」(小学生)
なんでそんなこと知ってるん? あのおっちゃん。
ずいぶん変わった人やなぁ。
ウシガエルを触らせてもらった。
息子も触った。
スンゲェー、嬉しそうだ。
伊丹空港の近くにウシガエルのいるところがある。
そいつをとっ捕まえるのが、今年の夏の私のプチ課題だ。
なかなか用心深く、逃げ足が速いので、捕獲作戦を練っていた矢先の出来事。
小学生に先を越されてしまった・・・・・。
それにしても、あのおっちゃん、何者だ?
さらに、そのおっちゃん、何かを見つけたようだった。
アミを使って何かを採った!
でっか!
長さ30cmぐらいのナマズだ。
ナマズを近くで見るのは息子はもちろん、私も初めてで大興奮。
可哀想にそのナマズ、背中の皮が10cmほど裂けていて、肉が見えていた。
どこかで怪我をしたのか?
食われかけたのか?
おっちゃん、可哀想だから、とナマズを逃がした。
私は息子にもっとよく見せてあげたかったので、
ヨロヨロ泳いで逃げるナマズを追いかけ、再びアミで捕まえ、息子に見せた。
「どうしてナマズ、けがしてるの?」(息子)
「弱肉強食って言ってな、強い生き物が弱い生き物を食べるんだ。
ほら、今日、猫がカニを食べたでしょ?
本当は動物を殺すのは良くないことなんだけど、生きるために殺して食べることがあるの。
わかる?」
「わかった。」(息子)
きっと、分かってない。
でも、教えておきたかった。
ナマズさんを放し、息子とバイバイした。
それから数分後、20mほど下流でサギのような大型の鳥が、そのナマズを丸呑みにしているのを目撃した。
息子の動きが一瞬止まった。
「ナマズ、くわれちゃったねぇ。」(息子)
私の方を振り返ってそう言った息子の顔は、ひきつりながら笑っていた。
ナマズを採ったおっちゃんから離れ、別の場所でさらにメダカの赤ちゃん採りに励んでいた。
隣で息子も水中を覗き込んでいる。
別のおっちゃんが話しかけてきた。
「何を採ってるんですか?」(おっちゃん)
「メダカの赤ちゃんです。」
「ほんとだ! この川にはまだメダカがおるんですなぁ。」(おっちゃん)
宝塚からウォーキングに来たらしい。
往復2時間半から3時間もっ!?
暑い中、お疲れ様です。
宝塚の川の話を聞いた。
おじさんが子供の頃はメダカやホタルが沢山いたのに、
土手をコンクリートでがっちり固めてしまったため、生き物達がいなくなってしまったそうだ。
我々の税金を使って自然を破壊するなんて、と、おじさん、悲しそうだった。
「おとーさん、おうちにかえろうよう。」(息子)
いつもは、おうちに帰ろう、と声をかけても、イヤーッ、と言う息子が、
自分から帰る、と言うのだから、よっぽど疲れていたのか。
父ちゃんは帰宅後、車で再びコーナンに行った。
大きなフタ付きのプラスチックケース3つと、
コンクリートを混ぜるための巨大な容器(60cm×90cm×25cm)をゲットした。
プラスチックケースは、ザリガニとカニ用。(ザリガニの赤ちゃんを数匹残して飼っている。)
コンクリートを混ぜるでっかい容器はメダカ用だ。
週末のコーナンがこんなに混むとは思わなかった。
駐車場を出るまでに10分。
おかげで帰宅してからセットアップしようと思っていたカニとメダカの水槽は、後回し。
息子を風呂に入れ、自分も入り、晩ご飯を食べて、薄暗くなってから買ってきた水槽の後片付けをした。
気がつくともう20:00。
明日は5:00起きだから、もう寝なくちゃ。
しもうた!
腹筋するの、すっかり忘れてた!
2006.06.28
再び川にやってきた。
小学生の男の子がジジ、ババとやってきた。
ジージがアミを持って川に入っていった。
それから30分ほど経ったが、ジージだけ川の中。
男の子とバーバは土手から見ているだけ。
なんで男の子は入らないんだ?
男の子に声をかけた。
「なんか採れた?」
男の子、照れてるのか、黙ってうつむいてる。
バーバが答えた。
「メダカを採りに来たんだけど、さっぱりです。」(バーバ)
「じゃあ、僕が採ったメダカあげますよ。」
採ったばかりのメダカを2匹あげた。
それにしても、ジージがアミ持って川に入っても意味ないじゃん?
男の子に自分でやらせればいいっしょ?
大人のメダカはすばしっこいので捕まえにくい。
赤ちゃんメダカなら動きが遅いので初心者でも捕まえやすい。
私の小さいアミを男の子に渡し、一緒にメダカの赤ちゃんを採ろう、と誘った。
男の子は黙って私について来た。
やる気はありそうだが、イマイチ覇気が無い。
なんでこの子はこんなにおとなしいんだ?
もしかして川に入ったことないのか?
彼の手を取り、私が川に入ると、息子もすぐに飛び込んだ。
でも、彼は入らずに立ち止まった。
?????
素足にサンダル姿なので、そのまま入ればいいのだが・・・・・・。
私はアクアシューズ、息子はサンダル履きでそのまま川に入る。
「サンダル、脱いどくか?」
彼の手を離すと、しゃがんでゆっくりサンダルを脱ぎ、恐る恐る川に入った。
「こっちに来てみ。」
わずか1mほどなのに、先に進めない彼。
再び手を取り、歩くのを手伝ってあげた。
小さいアミを手渡し、赤ちゃんメダカを指差した。
「あそこに小さいのいるの、見える?」
返事がない。
見えてるのか、見えてないのか?
もう一回聞いたが、返事が無い。
アミを持った彼の右手を私が握り、赤ちゃんメダカをすくった。
「ほら、採れた! 見える? 今度は自分でやってみ。」
「あそこ、あの草の下にいるの見える?」
返事はないが、男の子は私の指差した方向に歩いていった。
「あ、そんなに近づいちゃダメ。 逃げちゃうよ。」
案の定、メダカはスッと視界から消えた。
「待ってると出てくるから。 そこから動くなよ。」
「ほら、出てきた。 見える?」
「あら、本当だ。 私もメダカの赤ちゃん見るの初めて。
そこ、そこ。 そこの空き缶の上にいるでしょ? 見える?」(バーバ)
いつの間にかバーバが私達のすぐ後ろまで来ていた。(川の中には入っていない)
男の子が動いた。
サッ!とアミを動かした。
「どう? 採れた?」
「うん」(男の子)
もう少し、感動しろよっ!
ほとんど無表情だ。
「そのアミ、貸してやっから、もう少し採ってみ。」
それからしばらくして、男の子の方を振り返ると、ちょうど何かに滑ってコケる瞬間だった。
すごい水しぶきをあげてひっくり返った。
短パンもTシャツもビショビショだ。
立ち上がり顔が固まったままの男の子を、私は指差して笑った。
「見たぞーーーっ!! かっこわるぅーーーっ!!」
次の瞬間、男の子が、ニコーッ、と笑った。
初めて笑うところを見た。
とても子供らしい笑顔だった。
嬉しかった。
さらにしばらくして、また振り返ると、男の子は濡れたTシャツを脱ぎ、
上半身裸で川の中を行ったり来たりしていた。
最初、川に入ったときの恐る恐るした感じがなく、動きがずっとスムーズだ。
息子の手を取り川の中を歩いていると、男の子がアミを持ってやってきた。
すぐに土手に上がり、男の子のもとへ行った。
「どう、何匹採れた?」
「一匹だけです。」(男の子)
恐らく地元の子ではない。
引越してきたのかな。
アミを私に差し出した。
「もういいの?」
「はい。」(男の子)
「また来いよ。」
無言で男の子は去った。
遠くからバーバが私に、「ありがとうございました」、と言った。
男の子、ありがとう、も言えなかったな。
でも、それが失礼な感じじゃなくて、
本当に会話が苦手な、内気な子供のイメージだったので、
「ありがとう」 がなくても違和感がなかった。
それだけに、ずぶ濡れになりながら一瞬見せた満面の笑顔が印象的だった。
毎日、あの子はどんな遊びをしてるのだろう?
大騒ぎ、したことあるかな?
先生に、「コラァーーッ!」 って叱られるような悪ーいイタズラ、したことあるかな?
うちに帰ったとき、親はいるのかな?
いるなら、服を濡らして帰ってきたことを、何ていうかな?
まさか叱ったりしないよな。
川で遊ぶ自分の息子の小さな背中を見ながら、とても複雑な心境だった。
2006.06.29
朝06:10頃、会社に到着し、熊本の天気をチェックした。
視程10km以上。
快晴だ。
福岡も日中は天気が良さそうなので、今日の勤務は天気に悩まされることはなさそうだ。
06:45にディスパッチへ行き、最新の天気をチェック。
大阪、は・・・・、現況、予報ともにいい天気ね。
熊本もいいね・・・・・、
へっ????
視程300m?
3000mの間違いか?
いや、間違うわけないか。
なんでぇぇぇぇええーーーーっ?!?!
「今朝、熊本、天気良かったよね?」
「はい、僕が確認したときは視程10km以上でした。」(コパイ)
霧か?
「資格は?」
「CAT−2です。」(コパイ)
「なら一緒だね。」
先日、熊本で霧でミストアプローチしているので、視程300mと聞くとビビッってしまう。
さらに、最近、北海道によく行くが、いつも低視程、低シーリングで、しかも一日中続いている。
「一度霧が発生すると長時間続く」、いうイメージが脳に焼き付いている。
東京の運航管理の担当部門の電話した。
「熊本の天気が悪化してますが。」
「はい。」(電話の相手方)
相手は全然焦ってないぞ?
「燃料をアップしたいのですが。」
「いいですよ♪」(電話の相手方)
なんで、こんなに声が明るいんだ?
「06:00の予報には入ってなかった予想外の霧のようですが、
06:15頃、新たに予報が修正されてますよね。」
「えぇ、問題ないと判断してます。 気温が上がればすぐ消えるでしょうから。」(電話の相手方)
しまった! 北海道じゃなくて熊本だ。
今日の気圧配置なら、西日本は時間が経つにつれて気温が上がるもんな。
恥ずかしい・・・・・。
電話を切ると、ディスパッチャーが私のところに来た。
「キャプテン。 熊本、視程150mまで落ちてます。」(ディスパッチャー)
「あぁ、はい。 今、東京に電話して燃料アップしてもらうことにしました。」
150mか・・・・。
さっきは300m。
さらに悪くなったな。
まぁ、大丈夫っしょ。
飛行機で出発準備をしながら、熊本の最新の天気を取った。
06:38 視程600m RVR0200VP1800D
06:40 視程400m RVR0200V0400N
06:52 視程300m RVR0100V0250N
07:00 視程300m RVR0100V0200N
07:12 視程800m RVR0150V0300N
07:24 視程7000m RVR0400VP1800U
07:30 視程7000m
もう大丈夫だ。
確実に着陸できる。
視程300mって聞いただけで焦る私は、まだまださぁ。
熊本アプローチの管制官とコンタクトする頃には、すっかり雲がなくなり、遠くから空港が見えていた。
当然、ILS なんてまどろっこしいことせず、ビジュアルアプローチでとっとと着陸した。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
熊本に到着後、客室乗務員(CA)さん達に、マンゴージュースについて聞かれた。
今の期間限定の飲み物だ。
「マンゴージュース、もう飲みました?」(CA)
「えぇ、濃いんですよね?」
「そうなんですよね。 ちょっと濃厚ですよね。」(CA)
「あれ? みなさん、リングジュースと割って飲んでないんですか?」
「そうか。 リンゴジュースで割ればちょうどいいかも!」(CA)
「みんなの間ですでに広まってると思ってましたけど。
僕は混ぜて飲む方法、CA さんに聞いたんですよ。」
「みんな、色々試してますからね。」(CA)
「スープにコーヒー用のミルクを入れると、クラムチャウダーになるんでしたっけ?」(コパイ)
「そうそう。
あと、緑茶にミルクを入れると抹茶ミルクみたいでおいしい、って教えてもらって試してみましたけど、
あれはいけてませんでした。」(CA)
そうだ!
アナウンスに使ってみよう。
現在、期間限定の飲み物でトロピカーナのリンゴとマンゴーのミックスジュースを提供させて頂いております。
私も試してみましたが、とても濃厚で意外とおいしかったです。
ただ、客室乗務員の評判では、味が濃いので、
このマンゴージュースをトロピカーナの100%リンゴジュースで割って飲むのが勧めです。
さらにおしく頂けます。
皆様もこの機会に、是非ともお試しください。
そーんな内容のアナウンスを入れてみた。
どうやら、好評だったらしい。
(CA さんにはアナウンスが。 お客さんには飲み物が。)
その後の2便、CA さんのリクエストに答え、同じ内容のアナウンスを入れてみた。
マンゴージュースが飛ぶように出て、機内の在庫がほとんどなくなってしまった、とか。
しばらくこのアナウンス、続けようかな?