206.09.02
今日は、新幹線で大阪から中部空港へ移動後の勤務。
新大阪駅で改札を通り、エスカレーターに乗って、何気なく下を見ると・・・・、
ちょっと大きめの男が視界に入った。
坊主頭に、お尻まである長めの白いTシャツに、黒い短パン姿。
向こう向きに歩いていた彼がエスカレーターに乗るため、180度左に回り、顔が見えた。
!?!?!?!?
あ゛っ!!
見たことある!!
誰だ??
芸能人の名前を全然知らない私。
そこで妻に電話した。
「芸能人でさ、坊主頭の太めのお笑いキャラの人って、名前、何ていったっけ? 伊集院?」
「伊集院じゃないと思うけど・・・・・。 あっ! 内山かな? なんで?」(妻)
「いやさ、今、その人が新大阪の駅にいるんだよ。」
「それじゃ、きっと内山やわ。 さっき関西の生番組に出てたから。」(妻)
先日は新大阪で石田純一を見たし、最近、よく芸能人を見かけるなぁ〜。
って、君達!!
新幹線じゃなくて、飛行機を使ってよ!
今日の勤務はスーパー楽勝パターンだ。
中部 → 旭川 → 中部 で終わり。
325便 326便
明日は、
中部 → 福岡 → 中部 で終わり。
233便 236便
325、326、233、236便、つまり、
中部 → 旭川 → 中部 → 福岡 → 中部 と4便を一日で飛ぶのが本来のパターン。
それを分割して二日で飛ぶのだから、嬉しすぎる。
とっとと仕事を終わらせ、ホテルにチェックインし、パソコンを立ち上げた。
なっかなか立ち上がらないパソコン。
昨年はソースネクストのウィルスセキュリティを使った。
1年で1980円のアンティ・ウィルス・ソフトで、何台のパソコンにもインストールできる。
それまでノートンを使っていたが、プログラムが重いわ、高いわ、一台にしか搭載できないわ、で、
ソースネクストを試してみたのだが、なかなか使い勝手が良かった。
もちろん、一度もウィルスには感染しなかった。
しかし、先日、フリーのアンティ・ウィルス・ソフトを雑誌で見つけた。
Avast と呼ばれるソフトで、雑誌によれば、頻繁に自動アップデートをしてくれて良い、との評判。
ならば、使ってみよう。
そう思い、早速ダウンロードして入れてみたが、プログラムが重い。
なかなかパソコンが立ち上がらないのだ。
まぁ、いい。
タダなんだから。
外出するためパソコンをシャットダウンし、部屋に戻ってから電源ON。
テレビをつけ、お茶を入れ、机にもどると・・・・・、画面が真っ暗だ!
しかも、聞いたこともないハードディスクへのアクセス音がする。
強制終了もできない状態なので、バッテリーをはずし、電源を抜いて、再び電源ON。
ゲッ!
また同じ状態になった。
何度も電源を抜いては、差し込み、立ち上げを試みたが、パソコンが立ち上がらない!!
マズイッ!!
サーバーにアップロードしてないサイトのデータのバックアップ取ってない!!
ガビーーーン!!! (TT▽TT)
息子といつも歌う 「クラリネットをこわしちゃった」 の 「どーしよう、どーしよう」 の、そこだけを
気がつくと何度も何度も心の中で歌っている私。
立ち直れないほど落ち込み、部屋の中をウロウロ、オロオロ歩き回った。
電源のON、OFFを繰り返すこと、数十回。
もうダメだ。
あきらめて寝よう。
深夜1時過ぎ。(普段は8時には寝る私にとって、ありえない時間帯)
寝れなーーい!!
クッソーッ!
なんでだ、なんでだ、なんでだぁぁぁあああーーーーっ!!!!
きっと、明日の朝、電源を入れたら、立ち上がる。
そしたら、とりあえず、バックアップを取って、リカバリーの準備をしよう。
って、明日の朝に電源が立ち上がるわけがないじゃないかぁぁぁあああーーーーっ!!
うううう〜〜〜〜〜〜ん・・・・・・・・・。
よーーし、もう一回だけ立ち上げてみよう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・。
やっぱ、ダメだ。
なんとか深夜2時には眠りについたようだった。
(続く)
2006.09.03
パソコンのことが不安だったせいか、いつも早起きのせいか、6時過ぎに目が覚めた。
眠くても一度起きると二度寝ができない私。
起きた。
昨日はさんざんだった。
せっかく勤務が楽で、珍しく時間がいっぱいあったのに、数時間はパソコンに振り回された。
フリーのアンティ・ウィルス・ソフトのせいか?
それとも、これまたネットで取り込んだフリーのソフトを使ったので、そのせいか?
結局、原因は分からずじまいだった。
早速パソコンの電源ON。
やっぱり同じ症状だ。
えぇーいい、お前なんか、そのまま放置じゃ!
歯を磨き、シャワーを浴びて、机に戻った。
画面は真っ暗。
変な音が続いている。
おかしなハードディスクへのアクセス音を聞きながら、コーヒーを入れ、新聞を読み、
しばらーーーーーーーーーーくして、音が変わった!!
ダッシュで机に戻り、画面を見ると・・・・・、
お゛お゛お゛ーーーーっ!!!!!
立ち上がりつつある!!
ヨッシャーーーーッ!!!!
カモーーーン♪
再び画面が固まり、あのイヤな音が聞こえた。
ダメか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・。
おっ!
音が消えたぞ!
ヤッターーーー!!
立ち上がったぜ。
即効、バックアップを取った。
これで一安心。
後は、もしまたパソコンが起動しなくなったら、リカバリーをかければいい。
とりあえず疑わしきフリーソフトは Avast も含め、全て削除。
ディスクのクリーンアップをして、ディスクのデフラグをした。
デフラグの途中、例のイヤーなハードディスクへのアクセス音が聞こえた!
新聞を読むのをやめ、しばらくパソコンの画面を注視していると・・・・・・、
再びデフラグを継続してくれた。
ホッ。
しばらくしてデフラグが完了した。
あれぇ〜?
なんでデフラグできたんだ??
経験上、パソコンが立ち上がらなくなるときって、デフラグすら終わらないんだけどなぁ?
どっかのセクターが壊れたのでデフラグできない、みたいなメッセージが出るはずなのに。
おかしい。
そこで、もう一度デフラグしてみた。
また、途中でおかしな音がしてフリーズしたけど、やっぱりデフラグは完了する。
変だなぁ。
よし、再起動だ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
あ゛っ!
また、画面が真っ暗になったままフリーズしてる!!
しかも、あのイヤな音がするぅぅぅうううーーーーっ!!!
もうっ!
どうしてっ!?!?
イヤ、待て。
きっと、ほっとけば動き出す。
待つこと数分。
来たぁぁぁあああーーーーっ!!
起動したぞ。
データのバックアップ(サイトの作成中コンテンツ、飛行機のノート等)は取れたから、
当初の目的は達成できた。
あとはリカバリーすれば良い。
でも、できればリカバリーはしたくない。
インストールしているソフトの設定や、プリンターの登録等がめんどいからだ。
そして、一番したくないのは、メールの保存。
受信箱のバックアップがそのまま取れれば良いのだが、そんな機能、なさそうな雰囲気だ。
だから、過去に受信したメール、一つ一つに名前をつけ、保存をしなければならない。
イヤだ、イヤだ、イヤだーーーーっ!!
そんなこと、絶対しなーーーい!!
なんとかパソコンを完全に直したい。
ディスクのクリーンアップ、システムの復元、ディスクデフラグ、パソコン再起動を、
何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、繰り返した。
そして、午後3:00に気がついた。
デフラグをしてる最中、変な音がするとき、いつも同じファイルの名前が表示されている。
デフラグが終わったときのメッセージも、いつもと違う。
ファイルの中に断片化してるものがある、みたいなメッセージだ。
そいつの名は、なんだったけ?
もう一回デフラグをした。
こいつだぁぁああぁぁああぁぁあああーーーっ!!!!!
c:\WINDOWS\system32\drivers\vpctcom.sys
お前か?
犯人はお前だろっ!
コラッ!!
よしっ!
お前、デリート!
って、削除してしまって、大丈夫か?
一応、システムファイルだし・・・・。
よし、SDカードにコピーだ!って、あれぇ〜、できないじゃん?
しかも、変な音がするし。
外付けハードディスクにコピーできるかな?
やっぱ無理か・・・・・。
コピーはできない。
しかも移動もむり、と。
デスクトップにコピーできるかな?
あっ!
できた!
じゃあ・・・・・、デスクトップに移動できるか?
できたっ!
今度はそいつが何者か、ネットで検索。
モデムのデバイス?
「コントロールパネル」 の 「システム」 から
「ハードウェア」、「デバイスマネージャ」
と進んでいくと、
「モデム」 のところに変なマークがついている。
そこを開けると・・・・・、
いたっ!
vpctcom.sys !!
モデムはLANと違うはずだ。
モデムって、電話回線につなぐところだろ?
このデバイス、完全に削除しても大丈夫なんじゃないのか?
このファイルだけ、ネットでフリーでダウンロードできないかな?
調べてみると・・・・・。
ゲッ!
お金かかるんじゃん!?!?
やめたっ!
どーすっかなぁ〜・・・・・・・・。
へっ????
開けっ放しにしていた c:\WINDOWS\system32\drivers のフォルダを見て、ビックリ!!
なんとっ!
知らん間に vpctcom.sys ができてる?!?!
プロパティをチェック。
おかしくなった古い vpctcom.sys とは、サイズも違うし、製造元も違うようだ。
でも、そんなことはどーでもいい。
これで直ったんじゃないの?
パソコンを再起動してみた。
すると・・・・・・、普通にパソコンが立ち上がった!!
ヤッホォ〜〜〜♪
時計を見ると、出社時刻になっていた。
この日、8時間ぐらいパソコンにかかりっきりになってしまった。
オレの時間を返せーーーーーーーーっ!!!
でも、直って良かったぁ〜♪
2006.09.05
パソコンは普通に起動するようになった。
でも、ディスクのデフラグをしてみると、
c:\Documents and Settings\Administrator\デスクトップ\vpctcom.sys
のところで引っかかってしまうことが判明した。
当たり前か。
c:\WINDOWS\system32\drivers\vpctcom.sys の vcptcom.sys をデスクトップに移動しただけだもんな。
消去しなければ完全には復旧しないかもな・・・・・・。
よしっ!
デリートしちゃえ!!
大丈夫か?
うん、きっと大丈夫さ。
削除!!!!
ついでに、ゴミ箱を空にしてしまえっ!
よしっ!
デフラグ、開始!!
あれぇ〜〜〜、また変な音がする。
今度はなんだ・・・・・・・・。
断片化されてるファイルがあるみたいだぞ。
vcptcom.sys を削除したために、新たに別のファイルが壊れたのか?
そのファイル名は・・・・・・。
げっ!
こんなファイル、見たこともないぞ!?!?
それは、Windows の画面上には決して表示されることにないフォルダ内の、「Restore」 関連のファイルだ。
このフォルダ、DOS画面じゃないと、アクセスできないだろ??
ヤバイ!
表示されないフォルダで 「Restore」 関連、といえば・・・・、リカバリー領域か??
このパソコン、リカバリー・ディスクが付属でついてない、ハードディスク内にリカバリー領域があるタイプ。
そこを壊すと、かなりヤバイ。
あぁーーー、なんてこった!
c:\Documents and Settings\Administrator\デスクトップ\vpctcom.sys
をゴミ箱に捨てるまでで止めときゃ良かった。
ゴミ箱を空にするんじゃなかったさぁ。
しかも、デフラグ、一回、終わっちゃったぞ。
もう、元通りにはならない・・・・・・。
ガビーーーーン・・・・・・・・・。
そうだ、システムの復元があるじゃないかっ!!
いけぇぇぇえええーーーーっ!!!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ゲェェェエエエエーーーーッ!!!!
復元できない???
復元ポイントはあるのに、どこのポイントからも復元ができなくなってるではないかっ?!
待てよ・・・・・・、「復元」 = 「Restore」 か。
ってことは・・・・・・、リカバリー領域は壊されてないかも。
それを確認するには・・・・・・、やっぱ、リカバリーしてみるしかないじゃんかぁ〜〜。 (TT▽TT)
最後に残された作業は、メールの保存だ。
(メールソフトは 「Netscape 7.1」 を使ってます。 色々な情報、ありがとうございましたぁ♪)
沢山のメールを一つずつ保存した。
延々とその作業を何時間もこなし、そして、ようやくリカバリーの作業に入った。
リカバリーできた・・・・・・・・・。
「タダほど高いものはないよね。 ウィルスソフト、買ったら?」(妻)
こうして、ソースネクストのウィルスセキュリティ、ゼロを買った。
10年間有効で、3980円か・・・・・・・。
高いなぁ〜。
やっぱ、タダがいいなぁ〜。
2006.09.07
久しぶりに長崎へ行った。
伊丹のディスパッチへ出頭。
天気は・・・・、と・・・・。
九州行きは特に問題なさそうだ。
伊丹 → 新潟 → 中部 はきついかも。
ちょうど、名古屋と新潟を結ぶライン上から西側にかけて、積乱雲がボッコボコにできている。
動きは北東進。
少しずつ 名古屋−新潟 のライン上に移動してきている。
避けるの、かなりキツそうだぞ。
お客さんは・・・・、少なめか。
ベルトサイン、消せる時間が短くてもなんとかなるか。
次に航空情報をチェック。
ん?
長崎のレーダーが修理中で使用不可だって??
困ったなぁ〜。
レーダーがあれば管制官は飛行機が空のどこにいるのか把握できるので、
(テレビ画面に地図があり、その上に飛んでいる飛行機の映像が映される感じ)
出発機、到着機の管制間隔を狭くできるが、
レーダーがないと飛行機の位置が把握できないので、管制間隔はう〜んと開けられてしまう。
長崎行きに使う機材は・・・・・、福岡から帰ってくるのか。
で、その便の到着は・・・・、遅れてるじゃん!
結局、長崎行き167便の出発時刻は定刻より5分遅れだった。
離陸してすぐ、長崎到着時刻を飛行機搭載のコンピューターが計算する。
やっぱり5分遅れだ。
レーダーアウトの影響で待たされると、さらに遅れることになる。
九州に近づき、長崎のカンパニー無線で、私達の到着時間帯の Traffic 情報を聞いた。
(Traffic 情報 = 出発機、到着機の情報)
エアライン系の到着機 がうちを含めて3機で出発機はなしか・・・・。
誰が一番乗りかなぁ。
飛行機の計器上に TCAS が映し出す機影を必死に探した。
誰もいないぞ・・・・。
管制官からの降下指示は、いつもどおり OHGIE 11,000feet だ。
ってことは・・・・・、うちが一番乗りじゃ〜ん♪
「All Nippon 167, expect hold over 長崎 VOR until 0645.」(管制官)
(06:45 UTC = 日本時間 15:45)
ゲェェェエエエーーーーッ!!!
定刻って何分だっけ?
15:40じゃん
アプローチ開始時刻が15:45じゃあ、着陸までさらに7分ぐらいかかるだろうから、
何分遅れか計算できないほど遅れすぎじゃん!!
ダメ、ダメ、ダメ、ダメ、ダーメ!!!
そりゃあ、あんまりだぁ〜。
なに、なに?
Runway 36 に計器進入してる飛行機が1機いるの?
それって定期便じゃないじゃん!?
クッソーッ!
長崎 VOR に近づいてきた。
あっ!
空港、みーっけ。
でも、雲がやたらと多いなぁ。
Over the field 経由の Left downwind runway 32 に普通に入るのは不可能だ。
先行機が VOR C approach からの Runway 36 なら、Visual 14 で降りた方が邪魔にならないけど、
14だと、ちょと追風が強すぎる。
雲の散在具合は、空港上空から南西−南−東−北東−北にかけてが多い感じだ。
空港の西から北西はオープンっぽいぞ。
Overhead の手前から右に旋回し、空港の西象限で高度を下げて
Left downwind runway 32 に向かうか。
通常の 1500feet downwind に入ると、空港の南西に山があるため、
万が一管制官に Extend downwind と言われたら、困る。
Extend させられると少し左(東)に避けることになるから、
アプローチ機の VOR C の Final course に接近する。
先行機の状況を考えつつ、絶対に Extend しなくていいようにプランニングしよう。
そんなことを考えながら、キャンセル IFR した。
空港を通過し、西象限の海上で高度を下げ、空港へ向けて左旋回しながら機首を南東に振った。
前方の海上のかなり低い高度を飛行機が東から西へ向けて飛んでいくのが見えた。
さらに、TCAS を見ると、Runway 36 の Traffic Pattern 内にヘリが3機いるように見えた。
目を凝らして、その方角をよーーーーく見ると・・・・・・。
おっ!
1機みっけ。
ヤツは 36の Short Final にいる。
あっ!2機見えた。
1機は Upwind。
もう1機は Left downwind だ。
これなら大丈夫そうだ。
そろそろ Left downwind runway 32 に入ろう。
そう思った瞬間、管制官に言われた。
「Enter Left downwind and extend downwind.」(管制官)
イヤ、イヤ、それはしたくない。
「ここで左旋回して Left downwind に入り直すって言ってくれる?」
海の上を高度 1500feet、150kt で300度左旋回した。
気持ちいい〜〜♪
通常は2マイル幅の Dwonwind に入り、Abeam end(of runway threshold)から30〜35秒飛ぶが、
1秒でも早く降りたかったので、1.5マイル幅の Downwind に入り、
Abeam End から高度を下げ始め、20秒ほどで左旋回し、そのままShort Final に向かった。
あまり長いファイナルを作ると、36 のファイナルに乗るであろうヘリコプターに接近するかもしれないからだ。
と、案の定、ヘリは左から右に飛びながら 36 のファイナルに Align していくのが見えた。
長崎到着時刻は定刻7分遅れの15:47だった。
Downwind に入る前に300度旋回したため余計に時間を食ってしまったが、
上空で15:45まで待機した後、計器進入で着陸していたら、
Spot in までさらに8分はかかったろうから、まずまずの結果だ。
私的には大満足だった。
折り返し伊丹行きは、お客さんが少なかったせいもあり、
定刻より5分早く出発し、到着も10分も早かった。
きっと、次便までの間に客室乗務員(CA)さん達は、ゆっくり弁当を食べることができただろう。
私達は、中空きの時間が十分取れたので、天気をチェックしに飛行機を降りた。
名古屋−新潟 の西側にあった積乱雲達はどこに行ったかなぁ〜。
アヒョォォオオーーーーッ!!
完全に行く手がふさがってんじゃんか!?!?
でも、雲の間に隙間はありそうだ。
お客さんは少なめだから、シートベルトサイン15分も消せれば大丈夫だろう。
なんとかなるさ。
伊丹空港を離陸し、左旋回しながら名古屋方面へ向かった。
低い雲の上に出ると、東遠方の積乱雲達が見えてきた。
うん、早めにベルトサインを消そう。
ベルトサイン OFF。
機上レーダーをつけ積乱雲に伴うエコーをチェック。
名古屋と新潟を結ぶラインの東側を上昇し、長野の上で左に機首を振って
南西から北東に続く積乱雲の壁の隙間を通り抜け、
佐渡へ向かい、佐渡の少し手前から東に進み、新潟まで行けば大丈夫そうだ。
当初 29,000feet を計画していたが、途中の積乱雲を超えるため、33,000feet まで上昇した。
新潟 → 中部 はこの雲の中を通過しなければならないのね・・・・。
どーしましょ。
ま、後で心配しよう。
新潟の Approach は VOR ILS 28 をやっていた。
空港近辺にあった積乱雲は思ったほど活発ではなく、
33,000feet から降下を開始後、着陸するまであまり揺れなかった。
ただ、雲を避けるため、通常飛ぶルートより飛行距離が伸びてしまったので、
到着は定刻5分遅れだった。
新潟 → 中部 は 24,000feet で飛ぶ予定だった。
中部空港の使用滑走は18。
上昇と降下を考えると、24,000feet でもあまり水平飛行の時間がとれない。
しかも、新潟−中部間は積乱雲があり、できれば 24,000feet より高い高度で飛びたい。
幸い、お客さんは40名程度。
ベルトサインが消えている時間は、短くてもなんとかなりそうだ。
22,000feet を通過中、雲の影響で FL240 が揺れるであろうことが分かったので、
すぐに 30,000feet までの上昇を管制官にリクエストした。
新潟 → 中部 を FL300 で飛ぶのは、未知の領域だ。
どれだけ水平飛行の時間がとれるのか?
ちょうど FL300 に達する頃、積乱雲の上に出たっ!
と、同時に揺れが収まった。
ラッキ〜♪
すかさずベルトサイン OFF!
進行方向、かなり遠方に積乱雲の壁がまだある。
距離はだいぶありそうだ。
レーダーで場所を確認・・・・・・。
うん、降下開始までベルトサインを OFF にしておけそうだ。
ってことは、10分間か。
30,000feet まで上昇して10分も水平飛行の時間をとれれば、上出来だ。
中部に向けて降下を開始する前に、ベルトサインを ON にした。
レーダーエコーのうすいところを通り高度を下げていった。
雲に入ると当然揺れたが、想像していたよりはずっと軽い揺れだったので、ラッキーだった。
こうして、長い一日を今日も無事終えたのだった。
2006.09.08
来たぁぁあああーーーっ!!
中部 → 旭川 → 中部 → 福岡 → 中部
長〜い一日だった。
珍しく福岡に到着するまで3便とも、定刻発、定刻着(もしくは早着)だった。
昨日は4便とも私が操縦したので、今日は天気も良かったし、4便ともコパイに操縦してもらった。
福岡発中部行き、236便。
Runway 16 から離陸した。
南に向かって上昇、しばらくして左旋回して大分の方角へ向かう。
福岡近辺にあった積乱雲は下から消散したようで、
雲の頂上付近のかなとこ雲だけが残っていた。
その下を Cloud Base(雲の底)にかからないように、揺らさないように上昇していった。
大分の西60kmほどまでくると、かなとこ雲に一点の光が見えた。
月だ。
さらに上昇しながら東に進むと、
かなとこ雲のふち付近にある丸い光も一緒に東へ、さらにふちの方へ移動した。
ふちに近づくにつれ雲が薄くなり、
透けて見える一点の小さな明かりが少しずつ、また少しずつ大きく、明るくなっていった。
高度 21,000feet 、大分の西20kmほどでかなとこ雲がなくなり、
同時に大きく、明るい、まん丸の月が現れた。
空気が澄んでいたのか、とても空がきれいで、
月の明かりは今までに見たこともないほど、ギラギラ輝き、まぶしかった。
「きれいですねぇ♪」(コパイ)
「ほんと、きれいだぁ〜。 ギラギラまぶしいぐらいだね。」
「まん丸ですし。」(コパイ)
右手遠方、九州南部の方角には、未だエネルギーを持った巨大な積乱雲があり、
雷で雲の中が時々蛍光灯のように光っていた。
ピカピカ光る積乱雲と、ギラギラ輝くお月様。
すんごーく、きれいだったぞぉー。
中部空港の到着も定刻だった。
コパイの操縦の驚くほど上手で、完璧な一日だった。
2006.09.12
初めて神戸空港に行った。
関空や中部と違って、橋を通るのにお金がかからないことに感激っ!!
初めての出勤なので、かなり時間に余裕をもって神戸空港に到着した。
ディスパッチまでの行き方、スタンバイルームの場所、テンキーの暗証番号など、
あらかじめ完璧に調べておいたのに、
何故かその暗証番号が間違っていたようで、どこにも入れなかった。
携帯で伊丹の事務所に問い合わせようとしたら、携帯の電池切れだ。
携帯電話の電池切れを経験したのは、携帯を2年前に購入していらい、今日が2度目だ。
前回は、稚内にスタンバイ稼動で行ったときだったっけ・・・・。
あれっ?
そういえば、あの時と今日と、同じコパイじゃん?!
そっか、ヤツと一緒に飛ぶときは、携帯電話の充電、しっかりしとかないといかんわけだな。
とりあえずトイレにこもり、新聞を読んで、しばらーくしてからディスパッチへ行くと・・・・・。
ラッキ〜♪
ドアが開いていた!
中にいた人に聞くと、つい最近、テンキーの暗証番号が変更になったようだった。
ターミナル内を歩いて、X線ゲートを通過し、飛行機へ向かった。
客室乗務員(CA)さんに会った。
4名のうち2名は羽田のクルーだった。
「昨日は神戸を満喫しましたぁ♪
まるで、ハワイに行ったみたいに、素敵でしたよ!」(CA)
ど、どこが、そんなに素敵なんだ????
同期に関西出身の子がいて、
神戸についてからその子に電話して、お出かけスポットを聞いたらしい。
二人とも、もの凄く神戸をエンジョイしたようだが、どういうコースを回ったのか、とても気になる。
でも、あえて聞かなかった。
ひとから聞いてはいたが、神戸空港は意外と小さかった。
今日行った鹿児島空港より、ずっとずっと小さい。
佐賀、能登、大館、中標津より一回り大きい程度か。
今日は東風が吹いていたので、使用滑走路は09だった。
関空からの離着陸機と垂直間隔を保つよう、Runway
09 から離陸直後、一旦 1500feet で水平飛行する。
沖縄空港からの離陸時と似たような出発方式だ。
那覇と違うのは、周辺が海だけではなく、淡路島や鳴門大橋のような障害物が沢山ある、ということ。
関空の離陸滑走路が06だったり、着陸滑走路が24だったりすると、
周辺を飛ぶ飛行機にもかなり気を使う必要がありそうだ。
もちろん、伊丹空港を離陸して西へ向かう飛行機も、神戸の真上を飛んでいる。
とても厄介なところに空港を作ったものだ。
神戸発鹿児島行き、417便で神戸を離陸したときは、近くに全く飛行機がいなかったようで、
1500feet からの上昇許可が管制官からすぐに発出された。
鹿児島発神戸行き、418便は、ILS 09 を実施した。
Glide Slope Intercept Altitude は 3000feet。
滑走路を正面に見ながら ILS の電波に乗ると、ちょうど明石海峡大橋の真上を通る。
それも、2本ある橋げたと橋げたの間の、
つり橋のケーブルがたわんで一番低くなっている所の、ちょうど真上を通過した!
スッゲ!!!
左手に須磨海岸がよーく見えた。
海岸線沿いのアプローチは、なかなか良い眺めだ。
きっと、夜は神戸の町が、とっても美しいのだろう。
神戸-鹿児島 を往復した後、中空きの時間があったので、ターミナルをブラッとした。
小さなローカル空港なのに、「田崎真珠」 が入ってるの??
誰がここで買うのかなぁ・・・・・。
そこで、店に立ち寄ったが、さらにビックリ。
店の一番前の目立つディスプレーに、とてつもなく高級そうなネックレスが一つ、展示してあるではないか?!
¥105,000,000
これって、二つ目の 「,」 の上が百万の単位で、その上がゼロってことは・・・・・・、
1億5百万?!?!
いち、じゅう、ひゃく、せん、まん、じゅうまん、ひゃくまん、せんまん、いちおく!!!
誰が買うんだよっ!!
どーしてこんな破格なネックレスが展示してあるの?
値段はさておき、とても凝ったデザインのネックレスに、私は釘付けになってしまった。
DIAのコンテスト入選作品か・・・・・・。
91.4カラットもダイヤがついている。
やっぱ、スポンサーがついてると、材料代にお金をかけられるんだろうなぁ。
久しぶりに興奮した。
神戸発千歳行き、403便で離陸した後も、管制官の指示で 1500feet で水平飛行した。
その後、3000feet、5000feet、7000feet、10,000feet、12,000feet、17,000feet、といった具合に、
管制官からちょっとずつ上昇するよう指示がきた。
それもそのはず。
計器上に TCAS が映し出す、周辺の飛行機の多かったこと!!
恐ろしいほど飛んでいた。
すごい所に空港を作ったもんだ。
きっと、管制官は大変だぁ。
2006.09.13
福島空港に到着した。
何気なく管制塔を見ると・・・・・、窓に顔が3つあるのを発見。
珍しい光景だ。
窓から少し離れたところに管制官が見えることはあるが、
窓に張り付くように顔が並ぶことって、滅多にない。
興味があったので、視力2.0の両目で激視した。
すると・・・・・・・。
青いジャージ姿か?
女の子か?
名札が胸についてる?
?????????
そっか、高校生か中学生が見学に来てるのかな?
スーパーのレジや、幼稚園で、明らかに社会人ではない、と思われる子達が、
名札をつけて働いているのを見ることがある。
職業体験をしているのだろうか?
手を振ってみた。
反応はなかった。
高いところから遠くを眺めているようだ。
管制塔の窓から見ると、コックピットの窓はかなり下の方だ。
こっちを全く見ていないようだった。
管制官のお仕事に興味をもってくれたかな?
2006.09.18
昨日は休みで良かった。
台風の影響で、かなりの便が乱れていたようだった。
521便で熊本空港に到着すると、いつもいるはずのトリプル(B777)がいなかった。
旅客係員から連絡があった。
羽田行きの便がキャンセルになり、カウンターにお客さんの長蛇の列ができている。
524便は遅れるかもしれない、とのことだった。
やはり、昨日の羽田からの最終便のトリプルが、熊本空港、強風のためキャンセルになっていた。
旅客係員が言っていたように、524便は15分遅れの出発となった。
伊丹の使用滑走路は14。
空港が報じる風は、200度方向から14kt、ガスト28kt。(ガスト=風の息)
そんな大した風じゃないけど、着陸した飛行機のレポートでは、着陸直前の気流はかなり悪いようだ。
ふーーーーん・・・・・、まぁまぁ悪い、っていうぐらいだろう、きっと。
エアバス320は、通常、伊丹では短い方の32R/14Lを使うが、
今日は気流が悪そうなので、長い方の滑走路、14Rをリクエストした。
ILS 32L から Left Break して、梅田の東端をかすめながら、つかしんの方角に飛んでいった。
風は200度方向から45kt程度で、進行方向、向かって左から吹いており、
飛行機はかなりの速度で右に流されている。
14Rへ向けて旋回すると強い追い風になるので、通常の2マイル幅の Downwind だと飛びにくい。
少し、広めに飛ぼう。
1500feet から 1000feet にかけては200度方向から45kt程度吹いていた。
滑走路脇のウィンドソック(吹流し)を見ると・・・・・、真横に突っ立っている。
あれは平均風速14ktじゃなくて、平均風速25ktぐらいのはずだ。
Base から Final Turn への旋回は追い風40kt程度だったが、風下に流されることなく、
一発で WCA(Wind Correction Angle)を取ってファイナルに align した。
よっしゃ〜〜♪
いい感じだぁ〜。
ウヒョ〜〜〜。
結構、気流、悪いのね。
Runway 14R に対し、右から風が吹いているので、機首は右に向いたまま、
滑走路末端を通過した。
タイヤつけるぞぉー。
うぉっ!
飛行機が浮いたっ!
えぇーーい、風に負けてなるものか。
つけるぞい!!
横風の強度が瞬間的に増えたり減ったりしているので、
飛行機を滑走路の中心線からずらさないため、ラダーで機首を左右に微調整しつつ、
浮き上がり、接地点が延びようとするのを必死に抑えて・・・・・、
そしてタイヤをつけた。
リバーーース。
チラッと目を右に向けると・・・・、
空港の西側に新しくできた公園が視野に入った。
お゛お゛お゛ーーーーっ!
かなり沢山の見物客がおるでぇ〜〜♪
伊丹空港到着時刻は、残念ながら定刻より11分遅れだった。
伊丹−福岡 を往復後、佐賀へ便乗で移動した。
佐賀空港からホテルまでの道中、街路樹の松の木が何本も、根っこからなぎ倒されていた。
聞くところによると、佐賀市内の最大瞬間風速50.3m/秒。
それって・・・・・、100kt ?!?!?!
お、おそろしい・・・・・・。
2006.09.20
521便で熊本に行った。
使用滑走路は Runway 07。
天気が良かったので、Visual Approach をやっていた。
気流もいいし、操縦はコパイにしてもらっていた。
いつものように ASONO point を 10,000feet で通過するよう、管制官から指示がきた。
モヤッていて若干視程は悪かったが、ASONO point の上空近辺で滑走路が見えた。
「おっ! 空港、真正面にあるね。」
「えぇ、見えました。」(コパイ)
「Runway insight って言っていい?」
「お願いします。」(コパイ)
すぐにビジュアルアプローチの許可が出た。
高度を下げていくと、空港の東側の山の尾根に設置されている風力発電の風車が大きく見えてくる。
ASONO point から、ほぼ、まっすぐ空港に向かうライン上に、風力発電の風車が3台ある。
みんな、こっちを向いてクルクル回っている。
こっちを向いているのは当たり前か。
今日は東風だから。
あれっ?
あの3台の風車、直径が違うじゃん。
左側の2台は同じサイズで、一番右側のより直径が大きいぞ。
へぇ〜。
直径の小さい一番右側(北側)の風車が、一番早く回っている。
大きい2台は、ゆっくりと、同じ速度で回転している。
風速が同じなら、風車は直径が小さい方が早く回るのは当たり前か・・・・。
なんで、同じ所に等間隔で設置されているのに、3台とも同じ直径じゃないんだろう?
そんな、どーでも良いことを考えながら、コパイの操縦を観察していた。
前回、彼が熊本空港で Visual Approach 07 を行ったときに、
私が指摘した事項を覚えていてくれていたようで、
その辺を考慮しつつ飛んでくれている姿が、初々しかったぞぉ〜♪
2006.09.21
能登空港で外部点検をしていると、視線に虫が飛び込んできた。
げっ!!
デッカイ、はさみ虫!?!?
体、本体の長さは、どこにでもいる程度の大きさなのに、
ハサミの部分だけ、妙にでかくて、しかもしっかりしてる。
当然、捕まえた。
こいつは、持って帰って息子に見せたい。
小さな箱がいるなぁ。
ディスパッチに何かあるかも。
私がウロウロしていると、搭載さん達が声をかけてくれた。
「何か、探し物ですか?」(搭載さん)
「小さい箱がないかなぁ〜、と思って。
虫を捕まえたので、こいつを入れる容器を探してるんです。
そうだ、空になったタバコの箱、ありませんか?」
そう言いながら、自分もゴミ箱の中を探した。
ない、か・・・。
「これ、どうぞ。」(搭載さん)
私が振り返ると同時に、搭載さんはそう言いながら
タバコの箱をひっくり返してテーブルに中身を出して、箱を空にして私にくれたっ!!
まだ、中に4、5本は入っていただろうか。
その突然の行動を、私は止めることができなかった。
「すみません! そんな・・・・・、大変申し訳ない。
いや、そこまでしていただくても・・・。 すみません。」
「いえ、いえ、いいんですよ♪」(搭載さん)
「ごめんなさい。 それじゃあ、遠慮なくいただきます。
ありがとうございます!」
笑顔でそう言ってくださった搭載さんの親切を、ありがたく受けることにした。
本当にありがとうございました。
息子、メチャクチャ喜んでましたよぉ〜♪
2006.09.24
伊丹 → 熊本 → 伊丹 → 福岡 → 伊丹、その後便乗で、伊丹 → 佐賀
が、オリジナルのスケジュール。
しかし、今日はラッキーなことに真ん中の 伊丹−福岡 がなかった。
ならば、一つ早い便で佐賀へ行ってしまおう、と思ったが、便がなかった。
でも、まぁ、いっか。
間もなく審査だし、勉強をミッチリしよう!
出社して、まず、差し替えをチェックした。
ギョェェェェエエエエーーーーッ!!!!!!!
分厚い差し替えが来ているではないかっ!!
冗談じゃないぞ・・・・・・・。
中身をチェックして、さらにビックリ。
手書きで沢山書き込んであるページばかりの差し替えではないかっ!!
もちろん、パソコンでノートを作っている部分も、たっぷりある。
伊丹−熊本の乗務を終え、イヤイヤながらも、早速、差し替えに取り掛かった。
審査の勉強もしたいが、差し替えも当然やらければならない。
3時間ほどかけて、1%ぐらいは終わっただろうか。
もう、うんざり・・・・・・。
(その後、毎日数時間ずつ差し替えをし、全て終わったのは10月2日だった。)