2006.11.02
半年に一回の航空身体検査を受けに、りんくうタウンに行った。
午前中にほとんどの検査を終わらせ、昼休みをはさみ、午後から眼科と耳鼻科を受ける。
いつもはりんくうの診療所でするはずの耳鼻科だが、今日は別の病院で行われた。
今年の4月に開業した、とかで、とてもきれいな病院だった。
診療台に座った。
鼻の穴を拡大する器機を鼻に突っ込み、鼻の穴の中をチェック。
次は口。
口を開けてお医者さんが喉を眺めながら言った。
「イビキかきませんか?」(医者)
「どーしてそんなことが分かるんですかっ!?」
「のどが普通の人より小さいからです。」(医者)
へぇ〜〜〜。
次は耳のチェック。
まずは左の耳から。
お医者さんが椅子を時計方向に回した。
前方に液晶画面がある。
画面が明るくなった。
ゲェッ!?!?
何、このおぞましいの??
耳の穴の中の映像だ。
「この奥に見える白いのが鼓膜です。」(医者)
りんくうの診療所には、こんなハイテクマスィーン、なかったぞ。
それにしても、耳の穴の中って、汚ったないし、毛が生えてて気持ち悪いし、おぞましいなぁ〜。
「ウォッ!! 耳クソやっ!! グロテスクですねぇ〜。」
「この映像、二度と見たくないっていう人もいるんですよ♪」(医者)
でしょうね。
「この耳アカ、ついでなんで取っておきますね。」(医者)
ピンセットで取ってくれた。
うまいもんだ。
痛くも痒くもない。
全然、感じなかったぞ。
りんくうでは、こんなサービスないなぁ。
「じゃあ、次は反対の耳ね。」(医者)
椅子を反時計回しに回されつつ、思った。
「この液晶画面は一緒に回らないんだ。 反対の耳の穴の中は見えないんだ。
ふぅーーーん・・・・・・・・。」
そして、左向け、左、のポジションになって、またビックリ。
ゲッ!?!?
左側にも同じ液晶画面が設置されてるっ!
お金、かかってるなぁ〜。
右の耳も同様に耳クソを掃除してくれた。
アリガトォ〜〜〜♪
こうして、無事、身体検査は終了した。
帰りに、りんくうプレミアム・アウトレットへ行った。
毎年参加しているリスマスパーティーでは、プレゼント代が1000円分、と決まっている。
5割引でいいものがあったので、2000円の商品を購入。
これで、1000円、ちょうどだ。
前回同様、QUICKSILVER にも行ったが、欲しい物が何もなかった。
NIKE、REGAL、Timberland、等々を回ったが、何もない。
(欲しい商品がない、のではなく、私の買値が低過ぎるから買えないだけ)
最後に EDWIN に入った。
定価の商品には目もくれず、大幅に値引きされているジーンズの棚へ向かった。
2年ほど前までは、売れ残ったジーンズが1050円から山積みになっていたので私でも躊躇せず買えたが、
最近は一番安くても2100円から。
すそ上げすると、2300円もする。
あまり期待はしていなかった。
お゛っ!!
これって、高そうなジーパンじゃん?
2100円かぁ。
定価で並んでるジーンズ郡で4000〜5000円の商品よりはずっと高そうで、
もしかすると8000〜10,000円ぐらいしそうな雰囲気だ。
これって、買いだよな・・・・。
2100円の値札のシールをソーッと剥がしてみたが、その下には元の値段が書いていなかった。
こいつ、もともとはいくらだったんだろう?
自分の勘のみが頼りだ。
裾上げが210円。
ってことは、2310円。
高いかなぁ。
この生地の肌触り、やっぱ、ちょっと高級そうだ。
しかも、裾の部分が絞った状態で染めたのか、いぃー感じに色落ちしてて、そこがまた高級感たっぷり目だ。
とりあえず履いてみるか。
そう、試着、試着。
試着してみないことにはしゃーないわな。
ゲッ!?
裾上げしたら、ちょうどいい感じに色落ちした、かっちょいいデザイン部分が
丸ごとカットされてしまうではないかーーーっ!!
なんて足が短いんだぁぁぁあああぁぁぁぁ〜〜〜〜〜♪
LEE だろ?
LEE って今まで所有したことないなぁ。
小学校の頃、友達が 「LEE」 って書いてあるジーパン履いてるの、羨ましかったっけ。
ジーパンの右後ろのベルトのところについてる皮の 「LEE」 マークが高級そうだったなぁ。
LEE とか、EDWIN とか、BOBSON とか、LEVIS とか、Wrangler とか、
ブランド品のジーパン、買ってもらったことなかった。
高2で留学中に自分で買ったのが LEVIS。
そうそう、米軍基地内のお店で LEVIS の501が18ドルで売ってたのはビックリだったっけ。
どうして今まで LEE を買わなかったんだろう?
沢山のブランドの中で、自分の中では小学生時代の 「LEE」 の文字が目に焼きついている。
私に縁がある 「LEE」 といったら、
時々無性に食べたくなって衝動買いしてしまうレトルト・カレーの 「LEE」 ぐらいだ。
よしっ!
買うぜよ。
前回のように沢山の買い物ができなかったが、とてもウキウキした気持ちで帰宅。
そして、自慢の 「LEE」 を履いて妻に見せびらかしたのだった。
2006.11.07
朝、5時前に自然に目が覚めた。
最近、毎日、仕事が朝早いので、目覚ましがなくても自動的に目が覚めてしまう。
とはいっても、休みの日も20:00〜21:00には寝てしまうので、
5時前に起きたところで睡眠時間が十分取れているのかもしれないが。
新聞を取りに外に出ると、地面が濡れていた。
雨が降ったんだろう。
リビングでインスタント・コーヒーをすすりながら新聞を読んでいると、
外から音が聞こえてきた。
風の音だ。
へぇーー。
風が結構強いのね。
低気圧が通過したのか?
会社につき、ディスパッチで地上天気図を見てビックリ。
はうっ!!
等圧線がスンゲェー混んでる。
風が強そうだ。
千歳、新潟、福岡の空港予報をチェックした。
やっぱり等圧線の間隔が一番狭い、低気圧に最も近い千歳の風が一番強く、
続いて新潟、福岡、と弱まっている。
今日はの勤務は、伊丹 → 新潟 → 福岡、便乗で那覇へ移動。
伊丹空港で出発前に飛行機の外部点検をした時は風が弱かったのに、
Push Back を開始し、エンジンをかける頃には風が強まっていたようで、
清掃さんが帽子を遠くまで飛ばされ、走って追いかけていた。
新聞やゴミ袋が宙を舞っているのが遠くに見えた。
Runway 32R から離陸し、機体が浮き上がったと同時に、予想外に気流が悪いことに驚いた。
新潟へのアプローチも、かなり悪いかもしれない、とそのとき思ったのだった。
23,000feet で追い風120kt、25,000feet で追い風140kt も吹いていた。
この比較的低高度でこれほど強い風が吹くとは、ようやく冬が来た感じだ。
新潟発福岡行きでは、この追い風がもろに向かい風になる。
きっと遅れる。
まぁ、その心配は、また後でしよう。
長野県の山岳部は、盛り上がった雲頂高度がちょうど
25,000feet 程度だった。
雪雲に似た形をしている。
入ったら揺れそうだ。
降下開始点に近かったので、高度を上げずに東に迂回することにした。
新潟の使用滑走路は28。
ILS 28 をしていた。
新潟近辺にエコーを伴った雲が散在しているのは分かっていたので、
無線でカンパニーを呼び、地上レーダーで見たエコーの分布具合、
南からのベクターがいいか、北からのベクターがいいか、を聞いた。
すると、通常通り、南からのアプローチで問題ない、とのこと。
ついでに、離陸した飛行機からの情報も送ってきてくれた。
なになに、23,000feet から 25,000feet でかなり揺れたって?
きっと、今、避けてるあの塊だ。
高い高度から降下するときは見えてるから避けれるけど、
下から上昇してくるときは見えないし、レーダーに映らないから避けることができない。
新潟へ向けて降下して間もなく、着陸10分前の合図をキャビンに送った。
コンピューターが計算する着陸までの予想時間は16分程度あったが、
ここから先はお客さんにも客室乗務員(CA)にも決して立って欲しくなかったので、
早めに合図を出すことにした。
「日本語で申し上げます。 先行機からの情報では、新潟の南35マイルで、
雲の中で Moderate の揺れがあったそうです。」(管制官)
あぁ。 あの雲ね。
確かに揺れそうな形だ。
でも、あそこを突っ切らないといつまでたっても高度を下げれないし、着陸できない。
突っ込もう。
10分前の合図を出してから3分20秒経過か・・・・。
もう、CAさん達、見回り終わって、全員着席したかな?
インターフォンでみんなを呼び出し、状況を確認した。
「全員座った? これから大きく揺れるから、座っててね。」
速度を300ktから250ktに減速し、スピードブレーキを引きながら雲に恐る恐る入ってみた。
すると・・・・・・・・、
ギョヘェェエエエ〜〜〜〜ッ!?!?!
気持ちいぐらいに揺れるじゃんか??
ビックリだ。
管制官が教えてくれた通り、新潟の南35マイル近辺の雲が一番強烈に揺れ、
そこから先は 4,000feet 程度まで LIGHT PLUS 程度の揺れが続いた。
飛行場の風は250度の方向から25kt、ガスト38kt ぐらい。
ILS 28 のファイナルに align し、 グライドスロープに 2,200feet で乗り、高度を下げていった。
対地 1,000feet を切ったぐらいから揺れが始まった。
Runway 28 end の末端を通過し、接地する間際に、
風の影響で翼が落ちるようなローリングがあったが、エルロンでささえて普通に着陸した。
なかなかいい気流だったぞ。 (いい気流=悪い、という意味)
ディスパッチへ行き、巡航、アプローチ、ファイナルの気流の状況についてレポートした。
「冬に向けて、いい練習になったんじゃないですか?」(ディスパッチのお姉さん)
日本海側は冬、西風がビュービュー吹いて、着陸前の気流が悪いことが多い。
その予行演習になった、という意味だ。
「そうですね♪」
次の便、新潟発福岡行きのお客さんの情報を聞いた。
修学旅行の生徒が多いらしい。
えっ? 福岡経由、那覇行きの就学旅行?
ってことは、福岡発那覇行きの便乗で、彼らと一緒になるんだ。
新潟空港は相変わらず強風で横殴りの雨が降っていた。
パイロットは出発前に外部点検をしなければならないが、
飛行機に備え付けの長めのレインコートだけではズボンがビショ濡れになる。
そこで、先日100円ショップでレインコートのズボンを買った。
今日、初めてそのズボンをフライトバッグから取り出し、試着した。
サイズはぴったり。
全く問題なさそうだ。
100円ショップ、恐るべし。
外部点検をしながら思った。
今まで、大雨の中を外部点検していて、ズボンがグショグショに濡れることが時々あったが、
機内は乾燥しているので、次の便の乗務が終われば乾いている。
だから濡れても気にはしていなかった。
ただ、濡れたズボンが座った状態で乾くと、ズボンの縦のラインが消えてしまい、とてもかっこ悪い。
それがイヤだった。
でも、レインコートをはいてれば大雨だって、台風だってへっちゃらじゃん。
なんでもっと早くに気がついて、買っておかなかったんだろう?
横殴りの雨の中の外部点検終了後、気分よくタンタンタンタン、と階段を登っているとき、
ビリッ、と音がした。
ゲッ!?!?!
破れた!!
しかも、破れ方がエロいぞ!
階段を登りきり、PBBに入ると、そこには整備さんがいた。
整備さん、私のズボンを見て、そのハレンチな破れ方に大爆笑。
指差して笑ってたぞ!
ウケたのが嬉しくてCAさんに見せたら、笑ってたけど、ちょっと引いてた気がする・・・・・。
← PBBで撮影
↑自宅で後日撮影↑
新潟を離陸した。
上昇中、えらく揺れた。
風は 20,000feet で 60kt ぐらいだったのに、 で110kt も吹いていた。
新潟から福岡までは真正面から向かい風を受けて飛んだ。
能登の辺りまでは155kt。
そこから少しずつ減速し、鳥取のあたりで135kt。
福岡はビジュアルアプローチ34をやっていた。
こちらも着陸前、結構気流は悪かったが、全く問題なく普通に着陸。
定刻7分遅れで到着した。
那覇いきの便乗便、489便には、さっきの修学旅行生が乗っていた。
私服姿でほとんど男性だったが、中に数人女の子がいた。
変わった集団だ。
巡航中、操縦室からの機内アナウンスがあった。
「宝島がきれにごらんになれます。 この島を見ると幸福がもたらされます。」
間髪入れず、私のすぐ後ろに座っていた男ばっかりの修学旅行の生徒達の低い声が聞こえた。
「よしっ!」
宝島が見えたのね♪
でも、男が宝島見て、「よしっ!」っていうのも、なんか違和感あるなぁ〜。
明日の勤務は、那覇 → 新潟 → 千歳 → 仙台 → 神戸、で飛行時間6時間20分。
見ただけでゲッソリだ。
今日は早く寝ようっと。
2006.11.12
朝、伊丹は風が強かった。
そして、時が経つにつれ、弱まった。
強風のエリアが西から東へ移動しているのか?
夕方、八丈島へ行く。
自宅のパソコンを立ち上げ、現在の羽田と八丈島の天気をチェック。
風はまだ、それほど強くない。
羽田の夕方の空港予報をチェック。
ゲッ!?
私が八丈島へ行く頃、ちょうど風が強くなりそうだ。
26便で移動。
伊丹を出発し、羽田へ向かった。
羽田への着陸前、結構揺れた。
やはり、風は強まっているようだ。
到着後、手荷物を待ちながら携帯の電源を入れ、八丈島の天気をチェック。
う〜〜〜〜ん・・・・・・。
310度から25kt 程度、ガスト 34kt。
ヤバイじゃんか、これ?
着陸しても良い条件だけど、メチャメチャ揺れるぜ。
手荷物を受け取り、所定の場所に出頭すると、すでにコパイが来ていた。
「い〜い風が吹いてますねぇ〜♪」(コパイ)
八丈島の天気の推移を時系列でチェック。
おっ!
今は、290度か。
310度の方角から吹いていた風が、少しずつ、290度の方向へ回っている。
滑走路の磁方位は255度だから、横風成分が弱まっていることになる。
八丈島は北側と南側に山があるので、横風成分が大きいほど気流は悪い。
310度の風より、290度の風の方がまし、ということになる。
羽田の予報では、18:00以降、風が少し弱まることを予想している。
私達の八丈島到着予定時刻は、16:55。
微妙なタイミングだ。
いずれにしろ、現在の風も、これから吹くであろう風も、
八丈島への着陸には規定上問題ないので、羽田を出発した。
829便で羽田を離陸し、巡航高度の 15,000feet
達してすぐ、最新の天気をACARSで受信した。
RJTH 120700Z 29017G28KT 250V320 9999 SCT040 15/06 Q1010 RMK 4CU040 A2984
290度の方角から17kt、ガスト28kt か。
だいぶ弱まったな。
これなら気流はかなり悪いだろうけど、着陸には全く問題なさそうだ。
現地の空港支所が作るアプローチ・コンディションによると、
26の風は、300度〜350度、5〜22kt、最大10〜34kt。
滑走路の中央付近の風は、280度〜310度、14〜22KT、19〜35kt。
これは揺れる。
4,000feet、5,000feet の風は320度から60kt 程度だった。
この風は一体どこで弱まるのだろう?
ローカライザーの電波に乗り、2,000feet に達するころ、まだ320度から45ktも吹いている。
このまま山影に入ると、それはそれは大変な気流になる。
早く弱まってくろーー。
1,000feet を切ったあたりで、300度から30kt程度の風におさまってくれた関係で、
気流は比較的良好だった。
しかし、さらに空港に近づき、山影に入った瞬間、
グワァッ!と機体がローリングし、そこから先はグチャグチャだった。
やっぱな。
でも、まぁ、この程度なら以前にも何度か経験してるから問題ない。
それまでパワーはN1 57〜60%程度だったが、対地
300ft で突然機体が3度のパスより下がりだした。
3度を維持するためにN1 を70%程度まで上げると、ようやく沈みが止まったが、
止まっただけで速度が増えない。
70%で釣り合っている。
Downwash(下降気流)だ。
数秒して速度が増えだしたのを見て、すぐにもとの57%までパワーを絞った。
Runway 26 end を約 50ft で通過した直後、再びローリング。
エルロンとラダーでローリングと戦いながら、さらに高度を下げ、フレアすると機体が浮いた。
八丈は滑走路が短いし、真ん中付近より向こうは下り坂だ。
早く接地させたい。
右のメインギアを無理やりつけようとその瞬間、フッと気流の乱れが収まった。
ラッキー!
フワッと右メインが接地し(たまたま)、即、左メインを接地、
リバースにスラスト・レバーを入れながら、
操縦桿押して機首を下げ、ノーズギアがつく瞬間ちょっと操縦桿を引きノーズ接地のショックを和らげた。
うん、うん、なかなかいい感じだったぞぉ♪
久しぶりに八丈島に着陸した。
羽田−八丈島のパターンは1月頃まで続くらしい。
これから冬になるにつれ、西から北西の風が強まり、八丈島の着陸のコンディションは悪くなる。
次に来るときは、どんな気流が待っているのだろう?
2006.11.14
ホテルからチェックアウトするため、エレベーターホールへ向かった。
そこから見えた別府湾の景色があまりにもきれいだったので、携帯電話のカメラで撮影。
雲の隙間から太陽の光が降り注ぎ、そのスポットライトを浴びながら船がゆっくりと右から左へ、と進んでいた。