2007.07.07
NH4921。
とても久しぶりに千歳から中標津へ向かった。
残念ながら、昼食は千歳ミール。
中標津の弁当、食べたかったなぁ〜。
私達の到着時間帯に中標津空港からの出発便があった。
Block Out 13:42、Takeoff 13:50予定のB6だ。
私達の到着予定時刻は14:05。
重なると待たされる。
案の定、管制官から MASHU Point の上で待機するよう指示が出た。
天気は良かったので、MASHU の手前でIFRをキャンセルした。
MASHU Point から空港までは、一直線。
左手に摩周湖を眺めながら気持ちよーく降下していくと・・・・、
ゲッ!!
揺れる!!
北風15〜20kt程度で弱かったが、やはり山からの風で意外と気流は悪かった。
着陸後、ディスパッチへ行った。
久しぶりなので、そこにいる人達の顔を見るのが楽しみ。
ドアを開け、中に入ると・・・・・、あれぇ〜?
女性が一人。
どこかで見たことあるけど、思い出せない。
「以前、もっとふっくらしてましたよね?」(女性)
「それって、もう、だいぶ前ですけど。」
「私、紋別の昔の空港で以前は働いてたんです。」(女性)
そっか!
それで私も見覚えがあり、彼女も私を知ってるのか?
「Iさんは、今日、お休みなんです。 所長ならいますけど。」(女性)
と言って、電話して呼び出してくれた。
「すみません。 所長、今、会議中だそうです。」(女性)
挨拶できずに寂しかったが、仕方なく飛行機に戻った。
客室乗務員(CA)さんとクルーブリーフィングを終え、コックピットに戻った。
何気なくPBBに目をやると・・・・・、
あ゛っ!!
所長だっ!!
わざわざ来てくれたんだ。
再びコックピットを出て挨拶に向かった。
「こんにちは。 お久しぶりです。 会えて良かったです。 あまりこれないんで。」」
「そうだよね。 今月は2回だったっけ。」(所長)
「え゛っ!? よくご存知で。 じゃ、行ってきまーーす。」
お客さんが乗り終えるまで、所長は見送ってくれたぁ〜♪
夜、テレビをつけたら「シックスセンス」をやっていた。
前回見たときは2回目だったのに、最後のシーン(指輪が落ちるところ)を見るまで、
ブルース・ウィルスが死んでることを思い出せなかった。
映画のストーリーを忘れるのが、得意中の得意な私。
「今日はこの映画、録画しないの?」(妻)
「しないよ。 もう2、3回見てるからさすがにストリー覚えたしな。
って、あれ? この場面、見た記憶ないな。
でも、あれでしょ。 要するに、この子供とブルース・ウィルス、二人とも死んでるんだよね。」
「子供は死んでないって。」(妻)
「え゛え゛え゛ーーーーーっ!?!?!
子供は生きてるの?
もう、誰が死んでるのか、難しすぎてわかんないよ。」
「オマエが死んどけって。」(妻)
今日も冴えまくる妻のブラック・ユーモア。
そういえば、今日は七夕だ。
飛行機に乗るときに必ず記帳するジャニログ。
日付のところに、「07.07.07」 と記入した。
息子が幼稚園で作った七夕飾りを持って帰ってきていた。
願い事は、「おとうさんみたいになれますように」 だ。
う〜〜ん、嬉しいこと言ってくれるじゃんか。
「お父さんみたいになりたいって、どんなふうになりたいの?」(父ちゃん)
「こわれたおもちゃをなおせるようになりたいの。」(息子)
「それだけ?」(父ちゃん)
「パソコンでおしごとするの。」(息子)
休みの日に、そんなに長時間、パソコンの前に座ってるかな?
「飛行機の運転は?」(妻)
「うーーーん・・・・。 せーへん。 だって、こわいから。」(息子)
そっか、そっか、それは良かった。
パイロットはやめとこーな。
2007.07.13
今日の勤務はスタンバイ。
伊丹の事務所で雑用していると、スタッフに声をかけられた。
「もしかすると稼動するかもしれませんので、準備してください。」(スタッフ)
フライトバッグの中身がそこらじゅうに散らかっていた。
差し替えをしていたからだ。
それらを大急ぎでカバンに放り込み終えると同時に、スタッフに言われた。
「稼動がきまりました。 関空→伊丹のフェリーをお願いします。」(スタッフ)
「何時発ですか?」
「11:00です。」(スタッフ)
時計を見ると・・・・、9:30?!
今から関空へ移動し、ディスパッチへ行ってログ(飛行計画)をもらい、シップサイドに到着するのは・・・・・。
どう考えても11:00を過ぎそうだ。 (シップサイド=機側)
「私、キャプテンですか?」
「いえ、コパイです。」(スタッフ)
それなら間に合うか?
Sキャプテンがログを取り、シップへ行く、と。(シップ=飛行機)
私はダイレクトでシップへ向かえばいい。
関空に到着したのが10:37。
シップ到着が10:45。
外部点検、コックピット内の準備は全てSキャプテンが終わらせて、待っていてくれた。
私は機上コンピューターの設定と、完了した操作の再確認だけした。
私がヘッドセットとチャートをセットしている間に、Sキャプテンは機体ドアを閉め、
重量と離陸速度をコンピューターに入力し、クリアランスをもらった。
Sキャプテンのしていることを私は目と耳で確認しながら、手だけ動かしてチャートのセットを終え、
すぐに Push Back をリクエスト。
時刻は10:56だったぁ♪
(もちろん規程で定められた操作が全て完了していることを、二人でダブルチェックしている。)
私は関空−伊丹間をフェリーで飛ぶのは初めて。
きっと、ありえないほど飛行時間が短いに違いない。
巡航高度は 11,000feet だ。
関空は Runway 24 で離陸し、伊丹と反方位へ少しだけ飛んでから
ほぼ180度左旋回し、SHINODA Point へ直行した。
チェックリストをして、伊丹の天気(ATIS)を取って、到着スポットをもらい、
アプローチチャートをセットして、ランディング・ブリーフィングを終えた。
その間、ATCまたはカンパニー無線でしゃべっているか、
ATIS が流れているか、Sキャプテンがブリーフィングをしているか、
息つく間もない状態が続いた。
伊丹到着は11:20。
Push Back から Spot in までが24分。
飛んでいた時間はたったの15分だった。
スゲー、スゲーと関心していたら、Sキャプテンが言った。
「以前、伊丹→関空をフェリーしたことがあるんだけど、あのときの飛行時間は7分だったよ。」(Sキャプテン)
そのときの計画上の飛行高度は 13,000feet。
計画飛行経路は延々と遠回りするルートだったらしく、油断していたら、
伊丹空港の Runway 32R から離陸し、左旋回している途中に管制官に言われたのだそうだ。
「Stop climb 4,000feet. Do you have airport insight?」(管制官)
「Affirmative. Airport insight.」(Sキャプテン)
「Clear for visual approach runway 24.」(管制官)
マジっすか?
それって、メチャッ、最短コースじゃないですか?
あっ、伊丹を 14 で離陸して、関空 24 にビジュアルで降りたら、もっと短縮できたか。
いや、いや、でもスゴイですよ、それ。
その記録に勝つとしたら・・・・、関空 06 で離陸して、神戸 27 のビジュアルっきゃないっしょ?
やってみたわぁ〜。
2007.07.16
台風4号の影響で2泊3日のパターンが大幅にスケチェンになった。
(スケチェン=スケジュール・チェンジ=勤務変更)
1日目 オリジナル 関空→鹿児島→伊丹→新潟→中部
最初の2便が鹿児島強風のため欠航となり、伊丹→新潟→中部
中部行きは横風制限ギリギリで着陸できない場合は羽田にダイバートする可能性あり、の条件付き運航
2日目 オリジナル 中部→女満別→中部→仙台→千歳
中部→仙台が仙台の天候(低シーリング+追い風)により欠航となり、
中部→女満別→中部、 中部から千歳へフェリー(お客さんを乗せず空輸)、 千歳→仙台
仙台の最終便までに天候回復の見込み。但し条件付き運航
3日目 オリジナル 千歳→中標津→千歳→新潟→伊丹
全部スケチェンで、 仙台→千歳→仙台→神戸
このスケチェンのおかげで、中標津に行けなくなってしまった。(TT▽TT)
2日目の空輸により、一緒に乗務した客室乗務員(CA)さんのうち1名の次の日の勤務は、
仙台→千歳→中標津→千歳→新潟→伊丹 その後、便乗で羽田移動、
となった可能性がある。
もし本当ならすさまじい勤務だ。
その後、彼女がどうなったのか、私は知らない・・・・。
2007.07.17
今年も期間限定の飲み物、トロピカーナのマンゴーとリンゴのミックスジュースを機内で提供している。
一番偉い?客室乗務員(CA)さんに声をかけられた。
「キャプテ〜ン♪ 何か飲みますかぁ〜?」(CA)
「あっ、じゃあ、マンゴージュース、お願いします。」
「ハイ。 マンゴー・パーティーですね♪」(CA)
「えっ? ぱ、ぱーてぃー、って・・・・。 まんごーぱーてぃー?」
「えぇ、マンゴー・パーティーっていうんです。 知りませんでしたか?」(CA)
意味、ぜーんぜん分かんねぇーーって、と思いつつも、
「そうなんですか・・・・。 じゃあ・・・・、マンゴーパーティー、一杯ください。」
「ハイ。 マンゴーパーティー、一杯ですね。 コパイさんはどうなさいますか?」(CA)
「えぇーーーっと・・・・。 じゃあ、私もマンゴーパーティーでお願いします。」(コパイ)
他のCAさん、なんか、引いてた気がするけど、気のせい?
シートベルトサインを消す前、インターフォンでCAさんを呼んだ。
「この便、マンゴージュース、十分、搭載されてますか?」
「はい。」(CA)
一応確認しとかないと。
去年、那覇往復便の那覇行きでマンゴージュースのアナウンスしたらメチャメチャ、オーダーがあって、
帰りの便はマンゴージュースの搭載補給がなくて足りなくなるから、
アナウンスを入れないでくれ、とCAさんに頼まれた記憶がよみがえった。
マンゴージュース、おいしいですよ。
私も大好きです。
でも、味が濃くて飲み終わった後、口の中がマッタリするから、
他の飲み物を後でおかわりしてください。
みたいな内容のアナウンスを入れた。
ATCを聞きながらアナウンスしてたら、途中、何をしゃべればいいのか分からなくなり、
一瞬、しどろもどろになってしまった。
到着後、お客さんが降機を終え、コックピットを出た。
そこで、一番偉い?CAさんに恐る恐る聞いた。
「アナウンス、反響はどうでしたか?」
「ウケてましたよぉ〜。
それまで静かだったお客さん達が、突然、ニマァ〜っと笑いをこらえてましたから。
最初、シブく始まって、途中からおかしくなって、良かったです。
『機長さんお勧めのジュース』って注文、いっぱいありましたぁ♪」(CA)
そっか、そっか。
それはなにより。
お客さんの顔が見えない状態でアナウンス入れるから、ウケればいいけど、
シラケてるのに長々としゃべる、なんてことだけはしたくない。
そんなに喜んでくれたのなら、きっとノリのよいお客さん達だ。
もう少し、余計なこと話しても良かったかな?
最初はノーマルなアナウンスを入れてから、
「ところで・・・・・・・、
皆さんが搭乗される前に、私と客室乗務員の間でこーんな会話がありました。」
と前置きして、
実際にあった会話を声色を変えて一人3役でやって(上に書いたヤツ)
で、最後に、
「それでは、 OK, guys. Let's MANGO PARTY!!
コックピットから大変お騒がせしました。」
みたく締めくくる、と。
イヤ、イヤ。
そんな不真面目にしゃべったら、あの有名なYキャプテンみたいに必ずお客さんからクレームもらうわな。
調子に乗りすぎるのが私の悪いところ。
注意しなくっちゃ☆
2007.07.28
ずーーっと前に拾ってきた図鑑に、アブラゼミの幼虫の探し方が書いてあった。
幼虫の出た後は、直径1cmほどの穴が開いているが、
今、まさに幼虫が出てこようとしている穴は、直径5mm程らしい。
近畿はアブラゼミよりクマゼミの方が圧倒的に多い。
クマゼミの幼虫で出た後は、直径1.5cm程度の穴が開いている。
その半分の直径の穴を探せばいいわけだ。
近所の公園で、地面が露出しているところで(草に覆われてない)、
セミの穴が開きまくってるところを夕方探してみた。
すると・・・・・・、小さな穴を発見!!
中を覗くと幼虫と目が合った!?!?
い゛た゛ぁ゛あ゛ーーーーっ!!!!
スゲー、スゲー。
穴を少しずつ広げて、小さな木の棒を差し込むと、木にしがみついて出てきたではないかっ!!
持って帰って羽化するところを観察した。
一晩かけて、ゆっくり羽化するものと思っていたが、
背中が割れてから30分程で体が出て、かつ、羽が広がった。
意外と速いのに驚いた。