2009.02.02

先月、杭州(ハンジョウ)で国際線の資格審査が終わってからというもの、
国内線ばかり飛んでいたが、今日、初めて国際線に乗務した。
資格を取ったハンジョウであれば、PIC(Pilot In Command)として飛べたが、
行き先はアモイ(シャーメン)で、初めて飛ぶ路線なので、再び訓練。
行きは左席、帰りは右席で飛んだ。

初めて行く中国の空港なので、勉強は結構したが、問題は別のところにあった。

路線は、関空 → アモイ → 成田。

ゲッ!?
成田っ?!
マズイよ、マズイ、マズイ。
成田、行くの、初めて。
日本の中で一番ややっこしい空港だ。
そんな所に夜行くなんて、大丈夫か?
PICでなくて、超ラッキーだ。

初めて行く中国のアモイより成田の方がずーっと複雑難解なので、
アモイと成田、1対2程度の割合で勉強した。

関空の1番ゲートに行った。
そしたら、メッチャ久しぶりに仲良しCAのHさんに会った。
「キャーッ、久しぶりぃ〜〜っ!」(H)
「キャーッ、久しぶりぃ〜〜っ!」
といいつつ接近し、流れに身を任せた。
何かイヤァ〜な予感がした。
ちょっと接近しすぎか?
いや、これ、ちょっと距離近くね?
おっ、そういうことね。
ハグしてくれたから、ハグしかえしたぁ〜♪
互いに背中をバンバンしてから離れ、後ろを振り返ったら、
整備さんが呆れて笑っていた。
それを遠くで見ていた本日の教官役PICの課長も、、、、、ニヤッ、と笑ってた。

「ねぇ、聞いて、聞いて。」(H)
なに、なに。
「職場の○○がね、イケアに行って、家具買ったんだって。」(CA)
おぉ、それで?
「そしたらね、『女房に手伝ってもらったけど、意外と作るのがめんどくさくって』、とか言ってんのよ。」(H)
まぁ、面倒だよね。
「結婚してたりさ、カップルだったらさ、どうせ、
『おい、そっち持てよ。』(彼氏)
『えぇー、これちょっと、お、もーいぃー。』(彼女)
『いいから、グラグラしないようにしっかり持てよ。』(彼氏)
『もう、疲れたからちょっと休憩してお茶にしよう。』(彼女)
『なに言ってんだよ。 まだ始めたばっかりだろ?』(彼氏)
『えぇー、ちょっと、ヒドクなーい?』(彼女)
とか言いながら、イチャイチャしながら組み立てるわけでしょ? いいよねー。
私なんかさ、一人で、こーーんな格好して(仕草付き)、
手と足と体と壁で支えながら、それでも支えきれずに、
時々、バキッ、とか言わせながら組み立てるわけさ。
二人で組み立てるなんて、幸せよねー。」(H)
そーーんなこと、言われて、なんてフォローすりゃぁ、いいのよ?
「そっかぁ〜。」
課長、大爆笑だ。

関空 → アモイ は4時間1分のフライトだった。
未だかつてそんなに長いこと空に浮いてたことはない。
個人的には、関空06→高松26とか、関空→伊丹のフェリーのように、
機関銃のようにしゃべり続け、仕事をこなさないと間に合わないぐらいの近距離フライトが心地よい。
なので、4時間も飛んで、もうグッタリだった。
さらに成田まで帰るっていうんだから、ジェット気流に乗っかってたとしても、遠すぎだ。

アモイで待ち時間は40分ほどあり、その後、再び飛行機に乗り、成田へ向かった。

成田の使用滑走路は16LでILSをやっていた。
アプローチそのものはどの空港も同じなので心配ない。
問題は着陸後の地上走行。
クネクネ曲がっていて、しかもあちこち工事中で非常に分かりずらかったが、
教官が丁寧に教えてくれたので、幸い迷わずにすんだ。

飛行時間は2便で7時間40分!!

家を出たのは07:15。
成田から羽田に移動し、ホテルにチェックインしたのは21:00過ぎ。
長い、長〜い一日だった。



2009.02.10

関空 → アモイ → 成田 の国際線に、初めてPICとして乗務した。
勤務パターンの作成担当者にわがままを言って、
機長昇格訓練間近の仲の良いベテラン・コパイと飛ばせてもらった。
(仲が良い、と思ってるのは私だけか?)
長旅ではあったが、訓練と違い初PICは何の緊張もなく、とても有意義だった。
もちろん、何度も何度も飛んで慣れてしまえば、
フライト・タイの長い路線はすぐに苦痛になること間違いなし、だが。

前回の初成田はアプローチ・タイプはILS16Lでゲート58だった。
今回はILS34Rでゲート38。
成田の短い方の滑走路を、両サイド経験できたのはラッキーだった。
地上走行も、前よりはだいぶ余裕があった。
あとは離陸。
早く国内で一番やっかいな空港を制覇したいものだ。



2009.02.11

先月、ダイアリーに鉛筆削りネタをアップしてから、新潟へ初めて行った。
日記の更新は私にとってはだいぶ以前のことなので、鉛筆削りのことはすっかり忘れていた。

新潟のディスパッチに行った。
ん??
なんか、いつもよりヒトが多いぞ。
普通は二人、多くて三人なのに、今日は四人もいる。
どうしたんだろう?
しかも雰囲気がおかしい。
私の顔を見てニヤニヤ笑ってる?
どーーいうことぉーー?
最近、ダイアリーに変なこと、書いたっけ?

ディスパッチでする通常業務をした。
例えば、巡航中、降下中の揺れのレポート、次便の貨物、お客さんの情報を聞き、
帰り便のレコメンド・アルト(推奨高度)、お客さんを飛行機に案内開始する時刻、等々。
その間、ずぅーっと一見まじめそうで、どこか薄笑いを浮かべている彼ら。

一通りの仕事の話をし、次の離陸に使うパワー・セッティングをコパイに伝えるため、
胸ポケットからボールペンを取りだし、カウンターに置かれた紙に○印をつけようとした。
すると、、、、
「どうぞ、こちらを使ってください。」(ディスパッチャー)
伸ばされた手の先を見ると・・・・・、芯の折れた鉛筆があった。
と、そこには、なんと、鉛筆削り器が置いてあるではないかっ!?
ハッ、として顔を上げ、ディスパッチャーに目を向けると、
「芯、折れてますんで、こっちを使ってください。」(ディスパッチャー)
と言いながら、ニッタァー、と笑った!!
やられたっ!
「この鉛筆削り、ここに前からありましたっけ?」 との私の質問には答えず、彼は続けた。
「あ、それ、ストッパー機能付きなんで、奥まで差し込んじゃってください♪」(ディスパッチャー)
そ、そうなの?
(青いボディーに白いペンキで備品1996と書いてあった気がする。)
随分、古そうな鉛筆削り器だ。
「これって、前からここに置いてありましたっけ?」
もう一度聞いてみた。
すると、別のディスパッチャーが答えた。
「これ、探すの苦労したんですよ。 電源まで届かなかったんで延長コードも探して。
 結構、時間かかりました。 喜んでいただけました?」(別のディスパッチャー)
「もちろんですよ!」

同業、かつ、顔見知りのヒトに日記を読まれるのはかなり恥ずかしいことだが、
こういうジョークをしかけてニヤニヤ待っていてくれるのは素敵なことだ。

新潟のみんな、大好きだゼイッ!!



2009.02.XX

男の子が無事誕生した。
結構、大変なお産だったが、母子ともに健康でなにより♪

出産は立ち会うことにしていたが、お産は早まるかもしれないし、遅れるかもしれない。
そこで、またまたスケジュール作成担当者に無理を言って
予定日−5日、+10日、休みを取っていた。

長期休暇が始まって1日が過ぎた。
まだ生まれる気配ナッシングだった。
休暇期間に突入した以上、出産は遅れるよりは、早まってくれた方がいい。
出産後の家事を手伝えるからだ。
運動したほうが早く生まれるらしいので、休暇2日目に IKEA に行った。

洗濯機の上にベビーバスが置ける棚が欲しかったので、「BRODER」 を買った。
父ちゃんは IKEA の1階で100円ホットドッグを食いつくし、
その後、2階のレストランで妻の食事に付き合った。
IKEA は家具は安いが、レストランは高い。
IKEA カードがあれば、2階のレストランで同伴者の飲み物はタダになる。
出費を抑えつつ、妻を喜ばせる最善の方法だ。

IKEA に行ったその夜、深夜、陣痛がきた!
生まれるまでに24時間かかったけど、
一人目に比べればちょびっとマシだったかな・・・・。
私が長期休暇に入って2日後、予定日より3日も早く生まれてくれて、
休みを取ったタイミングは完璧だった。


病院の棚に不思議な表示を発見。

「マクドセット」 ってどういうこと??
そこにハンバーガーやポテトらしきものは見当たらなかった。
(マクドナルドは関西では 「マクド」 と呼ばれている。)

 読者の方々から 『マクドセット』 について教えていただきました。
 ありがとうございました!
 勝手に編集して引用してしまい、ごめんなさいっ!

 『マクドセット』 とは、子宮頸癌の摘出手術に使う機材・用具のセット、子宮頸管を縛る処置用のセット

 自覚症状がないうちに子宮口が開いき、流産や早産のリスクが高まる病気に子宮頸管無力症がある。
 その病気の処置方法として、子宮頸管を糸で縛り早産のリスクを減らす子宮頚管縫縮手術が存在するが、
 シロッカー法とマクドナルド法という2種類がある。
 『マクドセット』 はマクドナルド法の処置に使う器材のことだと思われる。
 (マクドナルド法=マクドナルド氏術は手術方式の考案者(開発者)の名前)

 写真の右、『アウスセット』 とは流産の時、子宮の中身を体外に出す時に使う器具のセットと思われる。