2012.02.29
便間の出来事。
外部点検から戻り、コックピットに入り、次のフライトの準備を終え、キャビンに出た。
すると、R1 CAに声をかけられた。(R1 CA =
客室際前方、右側ドア担当のCabin Attendant)
「キャプテ〜〜ン。」(R1 CA)
「な〜にぃ〜?」
「キャプテン、かれいしゅう、しますかぁ〜?」(CA)
えっ?!?! ?!(・__・;?
『かれいしゅう』 って・・・・・・
『カレー臭』 か?
『加齢臭』 のわけないよな?
でも、カレーなんて朝食ってないし・・・
第一、ニンニクの入ってない食べ物って、臭い、残らんだろ?
ってことは、、、『加齢臭』のことを聞いてるのか?
今って何時?
12時前だろ?
夕方だったら臭いかも、だけど、、、まだ大丈夫なはずだ。
それとも、やっぱ、臭うのか。
体質、脂っこいし、風呂入る前とか、スンゲェーー気にはなってたんだけど、
こればっかりは恥ずかしくて女性には聞けないもんなぁ〜。
でも、そういうデリケートなこと、
直接、超ストレートに女性から男性に聞くことって、あり得るのか?
それって、かなり失礼じゃない?
セクハラ、とか、パワハラ、みたいな 『ハラ』 系のことなんじゃない?
それとも、それって最近は失礼じゃないのか?
ここ、どう切り抜ける?
「朝、カレー食ってないからなぁ〜」って返すより、
素直に 『加齢臭』 のこと、として返した方が、きっといいよな?
もし、万が一、こっちの勘違いでも、笑いとれるしな。
そーーんな、どーでもいいことを、
約0.2秒程の間に頭の中で考え、私にとってのベストアンサーにたどりついた。
「そーーなんだよ、最近、加齢臭、するんだなぁー。 もう、僕もオジサンだからね♪」(+ピース)
さー、どう返してくる? ドキドキ・・・
「キャプテン、加齢臭するんですね♪ でも、キャプテンかなぁ〜?」(R1 CA)
「どういうこと?」
R1 CAはギャレーから客室通路へ1m程進み、振り返って言った。
「この辺、とっても臭いんです。 加齢臭のような。」(R1 CA)
「ほんと? どれどれ。」
私のCAが立っている付近へ行き、鼻をクンクンさせ、周辺の空気を嗅いでみた。
「しないけどな・・・。
あ、でも、加齢臭するヒトが加齢臭を嗅いでも、きっと分からないだよね。」
「どれどれ」(R1 CA)
そういうと、R1 CA は私の体に接近し、首元5cmほどに顔を近づけ、
鼻をクンクンさせるではないかっ!?!?!?!?!?!
ゲェエェエェエェエェーーーーーーッ!?!?!?!?
ノ゛ォォォオオオオオオーーーーーーーッ!!!!!
やめてくろぉ〜〜〜〜〜〜〜 (TT▽TT)
それまでの経緯を観察していた(無視してた?)CPが堪りかねて言った。
(CP=チーフパーサー=一番偉いCA)
「ダメッ! そんなことしちゃ! キャプテンに失礼だよっ!」(CP)
クンクンクンクンクンクン
CPの叫びにも、私の心の叫びにも、R1 CAが反応することはなかった。
「キャプテンじゃないなぁ〜」(R1 CA)
セーーーーーフ・・・・・・ ホッ・・・・・・
さ、、、、しごと、、しごと、、、、と・・・・・・・・
コックピットに入り、コックピットドアを閉め、確実にカギがかかったことを
いつもより入念に確認してから、即効、コパイに、今、起こった出来事の一部始終を話した。
(『ウ○コ味のカレー』 ネタに登場したコパイ)
「なぁなぁ、どう思う?」
「彼女ですねぇ、、気が強いんですよ。 悪気はないでんす。」(コパイ)
「飲みに行ったことあるの?」
「ええ、よく知ってます。お姉さんがいて、工事現場の現場監督してるらしいんです。
工事現場って、強そうな男たちばっかじゃないですか? そこのトップですよ。
お姉さんの影響じゃないかな、って僕は思います。」(コパイ)
そっか、それは面白いコだな。
次、色んな話を聞き出してみよう。
そこからネタが飛び火。
「そういえば、、聞いてくださいよ、キャプテン。」(コパイ)
「おう、なに、なに?」
「B3でムンバイに行ってた頃の話なんですけど。
現地で2泊3日のパターンがあったじゃないですか?
そのとき、コパイは僕と、同期のXが泊ってたんです。 CAは I さんがいて。」(コパイ)
Iさんは私より10才ほど年上のベテランCAさんだ。
「で、僕とXと I さんとで、メシ食いに行ったんです。
そしたらIさんが言ったんです。
『かっこいい乗員さんの名前がこの携帯に入ってるんですよぉ〜♪』 って。」(コパイ)
「えっ? どういうこと? かっこいい乗員の電話番号を登録してるの?」
「そうじゃなくて、名前だけ入ってるって言うんです。」(コパイ)
「名前? I さんがかっこいいって思ったヒトを登録してるの?」
「違うんです。若いCAさん達に 『誰がかっこいいと思う?』 って聞いて、
出てきた名前を登録してるんですって!」(コパイ)
「イヤだねぇ〜、それっ!」
「でしょ? で、聞いたんですよ。『僕とXの名前は入ってるんですか?』 って。」(コパイ)
「うん、うん、そしたら?」
「『入ってるわけないじゃないですかぁ〜♪』ですって。
それって、ヒドくないですか? きっと、Gの名前は入ってますよ。」(コパイ)
「うん、入ってるだろうな。」
「しかも、『そのリストに僕たちの名前も入れといて下さい。』 って言ったら、
『ダメです。』 ってキッパリ断られました。」(コパイ)
ギャハハハハッ!
「そっか、そっか、そーーんなことがあったんだぁ〜。。。。
あれ? ちょっと待って・・・。 もしかして、かっこいい乗員ってことは、
コパイだけじゃなくて、機長の名前も入ってるの?」
「そこは聞かなかったんですけど、若いCAに聞くってことは、
出てくる名前は若手のコパイじゃないですかねぇ〜。」(コパイ)
「どうかな? たとえば、Tさん、かっよくない?」
「あぁ、確かにそうですね。 若いコにもモテますよね。」(コパイ)
「さ、じゃ、ぼちぼち、出発の準備、始めるか。」
今度 I さんに会ったら、私の名前がリストに入ってないか、聞いてみようかなぁ〜?
イヤ、、、入ってるわけないし、、、落ち込むのイヤだから、、、やめとこ。
2012.02.26
中部 → 宮崎 を便乗で移動した。
宮崎空港に到着後、預けた手荷物が出てくるのを待っていた。
しばらくしてターンテーブルが動き出した。
へっ?! デカッ!?!?
巨大なみかん?何らかのかんきつ類がベルトコンベヤーに乗って現れた。
な゛ん゛た゛っ、、、アレはっ!?!?!
隣にいたコパイに即効聞いた。
「見て、見て、あのみかん。 何あれ? あんなデカイのあるの?」
「何、言ってんですか? あれ、作り物ですよ!」(コピイ)
「え゛っ・・・・、、、そうなの??」
「当たり前じゃないですか。たぶん、ご当地ものの宣伝で流してるんだと思うです。」
「なーるほど・・・。」
「確か、、高知はあのサイズの寿司が流れてますよ。」(コパイ)
「寿司?」
「まるで回転ずしみたいで面白いですよ♪」(コパイ)
ふぅーーーーん、、、面白いなぁ〜〜〜。
制服姿で格好悪かったけど、お客さんのいる前で写真を撮ったさぁ〜♪