モルディブ珍旅行記
2001.05.16
シンガポ−ル航空でモルディブへ向かった。
うわさ通り、関空 → シンガポール 間のトリプルセブンはきれいだった。
シートがとても座り易く、しかも液晶ディスプレー付き。
6時間強のフライトだったが、映画を2本見つつあっという間の快適なフライトだった。
シンガポールで5時間待ち。
シンガポール → モルディブ 間はかなり古いエアバス310だった。
機内はとても寒く、毛布2枚にくるまって寝た。
シンガポール航空といえども、綺麗な飛行機は幹線に投入しているのかなぁ・・・・
お客さんもまばらで、座席前についているトレーや内壁など、プラスチック部分が黄ばんでいるのが印象的だった。
モルディブという国はは「珊瑚の王国」と言われていて、インド洋の真ん中に浮かぶ1,200あまりの小島の集団です。
その中の約70島が、島がまるごと1つのリゾート(ホテル)になっているリゾートアイランドで、
どの島も1周歩いて10分から40分ほどの小さなものです。
(これは今回、旅行することになってから初めて知ったこと。)
モルディブ到着は暗くなってから。
空港のあるモルディブの首都マーレからリゾート(ホテル)までは小さなボートでの移動になる。
時速40キロぐらいで水面を走るSpeed Boat
が気持ち良かった。 一面の星空がとても美しかった。
10:00pm にはホテルにチェックイン。 今回、初めてのモルディブだったので「地球の歩き方」などで勉強し、
スノーケリングに適していて、憧れの水上コテージのあるホテルを選んでいた。
木造でログハウス風。 バスルームが広く、素敵! こりゃ、ゴージャスで楽しい
Vacation になりそうだぞ!
長旅で疲れた。 とにかく寝て、明日は早く起きよう。 きっと最高の休暇になることだろう。
が、しかし・・・・・、夜中にトイレに行った妻がベットの側面を動く”ゴキブリ”を発見してしまった!!
更に最悪なことに、殺虫剤も無かったため、取り逃がしてしまった・・・・・。
果たしてそんなベットで熟睡できるだろうか???
しかし旅の疲れもあり、恐る恐る再びベットに入り眠りにつきかけたその時、
私の頭から肩、腕にかけて何者かが、這っている気配が・・・・・。
「ゴ・ゴキブリだぁ〜〜!」と言うと同時に払いのけ、飛び起きた。
明かりをつけ呆然と立ち尽くす私達・・・・・。
それでもめげず、再びベッドに横になった。
数分後、素っ裸で寝ていた私は激痛とともに飛び起きた。 「ギャー!!??」
何かが私の 「き○○ま」 にかぶりついたのだ。
飛び起きてバスルームへ行き確認すると、その場所は白くなっていた。
妻は完全に固まってしまっていた。
私はブリーフをはいて寝ることにした。
「わかった、ゴキブリはベットが好きなんだよ、きっと。 オレがベットで寝てゴキブリの餌食になるから
おまえはソファーで寝たら大丈夫だよ、絶対!(本当かなぁー。)」
妻は泣きそうな、こわばった顔でソファーの上に横になった。
(頼む。 寝てくれ。 明日から楽しい休暇が、このままじゃ台無しになっちゃうぞ。)
それにしてもなんて図々しいゴキブリだ。
日本のゴキブリは人間の体に這い上がったりしないだろ? 普通!
ゴキブリが私の顔の上に乗った、ということは口に入る可能性もあるのか?
妻にはマスクをして寝るよう薦めた。
まさか、初日からこんな目に遭うなんて・・・・・。
2001.05.17
妻はほとんど眠れなかったようだ。
私は妻ほどのゴキブリ嫌いを見たことがない。 世の中で何が一番恐ろしいって、ゴキブリ以外には何もない。
そんな妻だけに、朝から恐怖心丸出しで、かなりブルーになっているように私には見えた。
フロントでゴキブリが部屋に出たことを話したが、
「部屋にゴキブリが出るのは珍しいケース、スプレーをしておいてやる」と言われた。
しかしあまりにも気持ち悪いので部屋を変えて、そして更に殺虫剤を貸してくれ、と言うと
部屋を変えて欲しいのか、それとも部屋にスプレーして欲しいのか、とイヤな顔をされた。
眠れなかった妻を思うと引き下がるわけにもいかず、部屋を変えてもらい、さらにスプレーを貸してもらった。
朝からずっとどんより曇り、時々スコールのような大雨が降った。
全く晴れることはなかった。
それでも妻をつれてスノーケリングに行った。
海はとてもきれいで、大小種種雑多な魚を見ることができたが、海は暗く不気味だった。
私はそれでもめげず、一人で何時間も海上を漂い、海ガメ、エイ、沢山のシャコ貝を見つけた。
中でも大きさ 40cm はあろうか、と思われる大きなシャコ貝には感動した。
この夜、部屋を代えてもらったにもかかわらず、寝る前にゴキブリを一匹発見し、殺虫剤で殺した。
全室、ゴキブリ付きなのか!!
このゴキブリは日本にいるものとほぼ同じ色、形をしていたが、若干ツヤがなかったように思う。
2001.05.18
朝、ベットサイドのテーブルに置いてあった文庫本の表紙の1箇所が無残にかじられボロボロになり、
そのすぐ横にゴキブリの糞と思われるものが落ちていた。 ま、まだ潜んでいるのか・・・・・。
さっそく探すことに。
カーテンを引っ張ったところ、発見!
すかさずスプレーを持って追い掛け回した。
殺してみると、それは日本のものとは違い、黄色いまだらがある不気味なゴキブリだった。
妻が初日にベットで見たゴキブリと同じタイプだという。
文庫本の表紙をボロボロにするほど噛むことができるのなら、
昨晩私のき○○まにかぶりついたのはこいつだったのだろうか?
この日は午前中の数時間は晴天だった。
島一周 歩いて5分程度なのだが、とにかく天気が良いうちに済ませておこう、
ということで記念撮影をしてまわった。 案の定、午後からは灰色の空が広がった。
いつもと違う方角へスノーケリングへ行くと、同じ場所にかたまって3つのクモ貝を見つけた!
妻に見せるために捕まえてコテージへ向けて泳いでいる途中、さらにもう1つのクモ貝を発見。
妻は呆れていたが写真を撮ってもらい、クモ貝を返しに行こうと再び海へ入り
20m ほど進むと、
見たこともないほどでっかいクモ貝のようにツノのある貝を発見! 私の顔と同じくらいの大きさだ。
それも捕まえ、返すはずの4つのクモ貝もかかえて再びコテージへ戻った。
妻は、「増えてるよ・・・・」、と呆れかえっていたが、とにかく記念撮影をした。
クモ貝を返しに行く途中は潮の流れに逆らって泳がなくてはならず、
両手は貝でふさがっているので、腕を使って泳ぐことができない。
空を見上げると雷雲が接近しており、雲の下から海面に向けて大雨が降っているのが見える。
風が除々に強まり、波が高く、潮の流れも速くなってきた。
ヤバイなぁ・・・・ そんなことを考えながら必死で足ひれをつけた太ももを動かした。
水上コテージに戻るころには雨脚が強まっていたが、なんとかたどり着くことが出来た。
せっかく午前中は晴れていたのに、午後になるとずっと曇りで、雨が降ったりやんだりの天気となった。
この日は大きなシャコ貝を沢山見つけて感動した。
去年、サイパンで小さいもの(15cm程度)を数個見ただけだったので、その大きさに驚いた。
花びらを広げたようなその巨大な姿は、海底の砂地にあたかも置いてあるようだった。
今日は妻の誕生日。
レストランでいつものウエイターがバースデー・ケーキを持ってきてくれた。
私達は嬉しくて、思わず "Thank you !!"
と声をかけたが、無視されてしまった。
彼は無言でうなずき、テーブルに置いて行ってしまった。
ケーキにはロウソクが刺さっていたが、火もつけずに・・・・。
毎日、毎食、同じウエイターなのだが、とてつもなく無愛想だ。
朝、コーヒーをお願いしても、無言でチラッとこっちを見て、しばらくの間他のテーブルの皿を片付けて
数分してからようやくやってくる。
何度ミルクを入れてくれるようにお願いしても、毎回言わないとミルクを入れずにとっとといなくなってしまう。
彼の担当するお客さんは数人しかいないし、一日3回顔を合わせているのに、覚えていないのだろうか?
仕方なく呼ぶと、またイヤな顔をされるのだ。
こちらから声をかけても、返事はしない。
ところが仕事中に電話をしているときは、とてもいい笑顔をしている。
毎回彼が給仕をするので、次第にレストランに行くのがイヤになってきた。
食事の時間になって彼の顔を思い出すと、ブルーになる。
だが、他のウエイターの中には、とても気さくな人もいる。
夜、バーでカクテルを注文した。
妻は Mai Tai、私は Dry Martini を。
出てきた Mai Tai はなんじゃこりゃ?という味だった。
私が注文した Dry Martini の代わりに Margarita
が出てきた。 しかもマズイ!
だが、カクテルを作ってくれたバーテンは、とてもいい笑顔をしていた。
まっ、いいか!
バーの床を最低でも2匹のゴキブリが這いずり回っていた。
フロントのおじさんは、ゴキブリは稀にしか見かけない、なんて言ってたけど、あれはきっとウソ。
その時、そう確信した。
バーの横はすぐ海で、悠々と泳ぐ大きなウツボがライトに照らし出されていた。
なんとも不気味だった。
夜は雨がやむと同時に風が強まり、台風のように吹き荒れていた。
2001.05.19
食堂の裏手から 「グァッ、グァッ」 という泣き声が聞こえた。
カエルかな?と思いきや、それはアヒルだとコックさんが教えてくれた。
この日の朝食時、スクランブルエッグやオムレツに使われている卵がアヒルのものであることを初めて知った。
どうりで日本で食べるものに比べて、黄身が白っぽかったわけだ。
高いレストランの天井には、毎日必ず、ヤモリのようなトカゲが4匹はりついている。
あいつらは何を食べて生きているのだろうか?
食堂からコテージへ戻る途中、私は思わず立ち止まった。
体長 20cm ほどのトカゲ、しかも背中にトゲトゲのあるイグアナを小さくしたようなヤツが
後ろ足で立って私達の前を走り、立ち止まってこちらを見ている。
それを妻に教えたが、草むらの中でなかなか見つけられない。
しばらくして、「ギャー!」 という叫び声と共に後ずさり。 「背中にギザギザがあるよ・・・・・」
トカゲが私達に襲いかかることはないだろう。 別にそんなにおびえなくてもいいのに。
朝まで続いた風のせいか、海は濁っており、透明度が良くなかった。
午前中はまた雲っていたがそれでも天気はまずまず。
妻にどうしても海ガメとエイが見せたくて探し回った。
いた! でもすぐに深い海へ逃げて見えなくなってしまった。
その後タコを発見。 カモフラージュし姿を変える様子に見とれていた。
サンゴに隠れるときは、白と黒のまだら模様で、表面がザラザラな感じに変化する。
白い海底を移動するときは全身を白くする。
そして影に身を潜めるときには、魚屋さんで見かけるような、褐色になるのだ。
色が変化する瞬間が面白い。 ジワッと、しかも一瞬で変わってしまうのだ。
妻は寒くなり一人でコテージへ向けて泳いでいった。
しばらくして遠くから私を呼ぶ妻の叫び声が聞こえた。 何だろう?
大急ぎで行ってみると、大きな海ガメが浅瀬で海草を食べているようだった。
何の警戒もしていなかったので、すかさず写真を撮った。
妻はかなり長いこと近くで海ガメを見守っていたようで、コテージに戻ってからもご満悦だった♪
午後は再び曇り。
再び一人で海へ戻ると、浅瀬にタコを発見。
岩場もサンゴも回りにはあまりなく、これなら捕まえることができるかも!?
追っかけまわすと、墨を吐いた。 それでも追いかけ続けると、何度も墨を吐いた。
次第に吐く墨の量が減っていった。 もうそろそろ底をついたかな?
泳ぎ回り、疲れ果てたところを手掴みでゲット!
もちろんコテージへつれて帰り、妻に見せるとビックリ仰天!
レストランへ持っていって調理してもらおうか?とも思ったが、かわいそうだったので、
写真を撮り、すぐに元の場所に連れて帰り、放した。
ほとんど晴れることがなく、いつも空は灰色。 海に入ってもどんよりとしている。
少しだけ晴れた午前中は海の色は鮮やかで、透明度も良いのだが、
曇ってくると波が高くなり、水が濁る。
透明度の良い晴れた日の海の美しさを思うと、天気が悪いことが不満になる。
かなりご機嫌斜め。 なんのためにモルディブに来たのか・・・・・
モルディブへ行く前、何度かインターネットで天気を見ていたが、ずっと晴れマークだった。
5〜6月にかけては雨季なので、天気が悪いかもしれない、ということは分かっていた。
だが、「地球の歩き方」 かなにかで読んだのだが、最近は地球の温暖化による異常気象で
雨季といえども晴天が続くことが多い、と書いてあった。
私達が来る前はずっと晴天だったのに・・・・・
日の当たらない海は冷たく、日光浴も出来ず、ふてくされて室内にいても何もすることがない。
島にはホテル以外に何の施設もないのだ。
仕方なく妻が持ってきた三浦綾子の小説 「氷点」
を読んでみた。
読書嫌いの私は、たしか小学生以来、小説なるものを読んだ記憶がない。
だが、「氷点」 はなかなか興味深く、一気に読んでしまった。
私自身がホームページにダイアリーを書くようになってから、文章に対する抵抗がなくなったからだろうか?
2001.05.20
いつもと違うウエイターがコーヒーを持ってきてくれた。
彼はタンクトップから見える私の腕を指差しながら、
"Are you a fighter?" と聞いてきた。 ファイター? 妻と顔を見合わせ、思わず笑ってしまった。
ハワイの海岸にはばかでかいマッチョの男達がウロウロしている。
だが、モルディブには比較的スマートな男性が多かった。
私はウエイト・トレーニングをしているせいか、日本人としては少し大きめだが、
ファイター呼ばわりされたのは初めてで滑稽だった。
強いて言えば最近戦った相手は、タコかゴキブリぐらいなものだ。
朝食の後、ボートで20分程の所にある小さな無人島へ行く、スノーケリング・ツアーに参加した。
イタリア人4名とイタリア人のツアー・コンダクター、それに私と妻の合計7名で近くの無人島へ向かった。
突然イタリア人達が船の先頭へ走った。 船長がイルカが見えた、というのだ。
私はすぐに双眼鏡を取り出し、遠くの海上をくまなくサーチ。
何度も左右に行ったり来たりした。 いたー! イルカの大群だ!
船長は少しずつイルカ達に近づいていった。
どうやら2つの群れを作っているようだ。
より沢山イルカが集まっている大群の方は警戒心が強いようで、近づくと遠ざかる。
もう一つの少ない方の群れは、近づくことはないが、逃げもしないようだ。
と、突然船のすぐ近くに数匹のイルカが現れ、船に並んで泳ぎ出した。
そしてジャンプ!
数頭が何度も後ろから近づいては船首へと追いぬいていく。
時々ジャンプをしながらとても気持ち良さそうに泳いでいた。
イルカの群れを後にして、いざ無人島へ。
そこは長さ 20m、幅 5m 程度の砂浜だけの小さな島だった。
インド洋にポッカリ浮かぶ、砂浜。 回りはさんご礁で、その先の海はとても深く、海面からは何も見えない。
なんと不思議な島だろう。
船は島に近づくことができない。
真っ黒に見える深そうな海でイカリを降ろした。
準備が出来たら船から飛びこみ、島まで泳いで行け、と言う。
本当かよ・・・・ 女の子達はさすがに怖がっていたが、仕方ない。 泳ぐしかないのだ。
みんなで固まって泳いだ。
下を見ると濃い青、紺色の海で何も見えない。 深そうだなぁ。
妻は大丈夫かな? 怖がってないかな? 何度も振りかえりながら泳いだ。
しばらくすると海がうっすら灰色がかってきた。 海底が見えた! ここまで来ればもう不安はない。
次第に視界が開け、見慣れたさんご礁が見えてきた。
私達が泊まっている島で見るものに比べ、そこにいる魚達は種類も数も少なめだった。
だが、砂浜には感動した。
なんて小さい島なんだろう? 数十秒で端から端まで歩けてしまう。
誰かが海底から引っ張りあげてそこに置いたかのように、
白い砂浜の上に、ポツンとシャコ貝の大きな貝殻が置いてあった。
しばらくすると私達の島から別のヨットで5人、この小さな島にたどり着いた。
「うーん、あれで来た方が気持ち良かったかなぁ?」
と言う私に、
「でもそれじゃあイルカの群れには会えなかったよ。」
と妻が言った。
確かにそれもそうだ。
同行したイタリア人のツアーガイドに聞くと、ここ3日程前までは2週間ほど毎日晴天で、
数日前から雨ばかりの天気になった、と言っていた。
何てことだ。 残念。
でも、時々しか照らない日の光で、すでに体中やけどしてしまっていた。
サンスクリーンを塗り、さらにT−シャツを着てスノーケリングをしていてもだ。
もしこれがずっと晴天だったら、コテージから一歩も出れないほど暑かったに違いない。
そう自分たちに言い聞かせながら、残念な気持ちをおさえた。
昼食中、イタリア人達が、突然叫び声をあげ、食堂の壁を乗り越え海へ向かって走り出した。
イルカの群れだ! すぐ近くまで来たのだ。
そこは妻とスノーケリングで行けるほど、水際から近いところだった。
今、あの場所でスノーケリングをしていれば、きっとイルカ達と一緒に泳げたのだろうにー!
とても悔しかった。
最終日で、本来チェック・アウトは12:00だったが、Spped
Boat で島を発つのは19:30。
19:00まで部屋を借り Late Check Out すると75ドル(US)プラスになる、と言われたが、
せっかく最終日だけ晴れたのだし、19:00まで延長することにした。
そう話はついていたはずなのに、12:30頃、フロントから電話が入った。
初めはその流暢な日本語から、何か日本で緊急事態が起こり、国際電話がかかってきたのか?とドキッとした。
だが、なんのことはない。 フロントからだった。
何故12:00になったのにチェック・アウトしていないのか聞かれて、日本語で説明したのだが、
100%私の言ったことが相手には伝わったようだった。
最後に、と、またスノーケリングをするため海に入った。
午後で波が高いせいか、いつも行く場所の透明度は良くなかった。
そこでとてつもなくでかい、私の太もも程の太さのウツボに出会った。
妻はウツボを見るなりおびえて 5m ほど遠くまで泳ぎ、ジッとしていた。
ウツボは何もしなければ襲ってくることはないのに、そんなに離れることはないでしょう。(笑)
透明度がいまいちで納得できなかった私は、一旦コテージへ戻り海を見渡した。
潮の流れはどうやら北西から南東に向かっているように見えた。
私の行った場所は南東に辺り、潮の流れが北西の砂地の砂を巻き上げているために濁っているのでは?
北西のさんご礁へ行けば、その北西には深い海が広がっているので、濁ってないかも・・・・
潮の流れに逆らいながら、少しずつ北西のさんご礁へ向かって泳ぎだした。
なかなか進まなかったが、除々に透明度が上がってきた。 ビンゴ!
そこには最後に見るのにふさわしい、きれいなブルーの海が広がっていた。
丁度イルカの群れが、昼食中に泳いでいた辺りだ。
残念なことに妻は泳ぎすぎで疲れてしまい、もう海には入らなかった。
下に見える魚達を見ながら、あーあ、もう帰るのか。 やっと晴れたと思ったのに・・・・ と考えつつ頭を上げると
目の前をとても大きなエイが悠々と泳いでいた。
ウワッ! びっくりして私が動くとエイはサッと逃げていった。 しまった、せっかくあんなに近くにいたのに!
それこそ数メートル先にいたのだ。
だが、エイは途中で逃げるのをやめ、旋回して戻ってきた。 ラッキー! ここでジッとしていよう。
同じ場所を行ったり来たりしているのを 5分以上、私はじっと見守っていた。
水中カメラのフイルムを使いきってしまい、もう写真に撮るべきものもなかろうと持ってこなかった。 残念!
最後の海を満喫しコテージへ戻り、妻にエイのことを話すと、悔しがっていた。
夕方、日が沈む前、エイを見つけた近辺の海にイルカの大群を妻が発見。
クソー。 今から泳いであそこまで行ってみようかなぁ・・・・・・
だが、すでに出発前でシャワーをあび終えていたため、海へは入らず双眼鏡で眺めた。
この日、初めて水平線に沈んで行く夕日を見ることができた。
19:30に再び Speed Boat に乗りモルディブの小さな島を後にした。
空一面に星が見えた。 あーあ、きっと明日からまた晴天なんだろうなぁ・・・・
いつかまた、この島に戻ってくるぞ。 でもゴキブリの攻撃はけっこうキツかったなぁ。
うーん、どうしたものか・・・・・。