2012.07.20

今の自宅を購入し、リフォームを終え入居したのは2005年の春。
7年前から住んでいる。

当時、私の独断と偏見で、洗面は天板だけのデザイン重視で作ってもらった。
でも、洗面所を一番使うのは妻。
収納が全くなく使い勝手悪すぎ、と、当初からすこぶる評判が悪かった。



近所に IKEA ができて、お手頃価格でお洒落な家具が手に入るようになり、
妻からのリクエストが年々強まっていった。
リクエスト
・天板の下に引き出し型の収納を入れたい。
・今の洗面台を取っ払い、IKEA の洗面をつけてくれ。                 ↓↓↓ IKEA の洗面 ↓↓↓

更には、
・TOTOやINAXが出している、普通の洗面台に換えてくれ。              ↓↓↓ 普通の洗面 ↓↓↓


数々の要望があったが、我がままな私は却下し続けた。

というのも、
1.私的には、今の洗面が気に入っている。
2.自分でリフォームしてる時間がない。
3.他人に任せるとお金がかかる、アンド、やるなら楽しいから私がやりたい。
4.天板下に引き出しを入れるにも、構造上無理があり、既製品は入らない。


IKEA の洗面はデザインが美しいし、価格もお手頃。
更に、自分でやる楽しみがあるから、最終手段としては申し分ない。

国産メーカーの既製品は目が飛び出るほど高い上、デザインも嫌いなので、到底選択肢とはなりえない。
ネットで検索してみたら、、例えば・・・・

  ↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑
左上、定価 \297,000、40% OFF で \178,000。
右上、定価 \466,000、40% OFF で \279,000。

妻だって、こういう種類の洗面は許せないはずなのに、
それでもいいから換えてくれ、っていうんだから、よっぽど現状がイヤでイヤで仕方ないのだろう。

それに、既製品で収納が多い方が良いなら、
リフォーム前の YAMAHA 製の洗面をそのまま使えば良かったではないか。
← リフォーム前


一番の問題点は4.構造上の無理
天板を支える大きな金具が後ろの壁から突き出ているため、
収納の引き出しの形状、高さ、幅、奥行きに制限がかかってしまう。
その制限の内側に収まる既製品があるわけがないことを
私は知っているけど、妻に説明してもなかなか理解してくれない。



この収納ゼロの洗面を、いつかなんとかしてやろう、とずっと考えてきた。
天板を支える金具を撤去し、天板はそのままで引き出しをつける。
そのイメージは、私の中では何年も前に完成していた。

しかし、6年離れて下の子が生まれ、とにかく時間がなかった。
今年の春にヤツが幼稚園に通いだし、平日は午後まで自宅にいない。
ようやく平日の休日にまとまった自由時間が取れるようになった。
即、製作開始だ。


まずは、作業工程を考える。
最も用意な方法は、天板も水道管も配管も、全て撤去した上で、引き出しを作り、
全部完成してから天板を乗せ、水道管と配管をはめる。
だが、この工程には問題点がある。
作業が終わるまで、誰も洗面も、洗面所にある洗濯機も使えない。
材料を置いておく場所、材料を加工し、組み立てる場所、今、洗面所にある
洗濯機を含めた全てのモノを保管しておく場所を確保しなければならない。

更に、この作業工程を成し遂げるのに必要な要件は、
引き出し作成に必要な材料が切断、穴あけを終え全て揃っており、
かつ、数日連続の休みを取り、製作および設置工程で失敗をしないこと。
可能なら、一日で作業を終了すること。

でも、それは無理だ。
作業工程の中で木工用ボンドのみで固定する箇所があるため、
12時間以上の乾燥時間を何度かに分けて確保したい。
材料を一度にホームセンターに発注できるほど、精密な設計図を作ってる暇はない。
作業工程には必ずといって良いほど、何らかの予期しないハプニングが起こるので、
問題点を解決するために何日も考える場合がある。

そんなわけで、洗濯機を移動せず、天板を動かさず、
天板の上に乗ってるものも、下に置いてあるもの、ほとんど動かさずに作業を進めることにした。
時間がかかりめんどくさいけど、家族の生活を妨げずにすむ。
ゆっくり考えながら、途中、妻と相談しながら、楽しむことにした。


5月に入り、下の子の幼稚園が午後帰宅になると同時に、
必要な材料を探しに近所のホームセンター、尼崎のホームズと、北伊丹のコーナンを何度も往復。
初めに、天板を支える金具を外すために、BOX状の台を作る。

3m×50cm×2.5cm の板を2枚をホームズで購入。
所望の長さにカットしてもらった。(パインの修正材)








3箇所の金具を撤去すると天板が落ちてくるので、金具を残したまま支えを入れる。


   ↑↑右端に板を入れ、落ちてこないようにスペーサーを押し込み、金具を撤去。↑↑
      この板をはめるのにどうしても配管が邪魔だったので、外した。

続いて、シンク側に板をはめるのだが、
シンクを天板に取り付けている金具の右側に板を設置すると、
そのぶん引き出しの幅が狭くなるので(5cm)、幅を確保するために、
シンクの外側カーブと、金具に沿って板を削った。

       ↓↓目分量でピッタシ削るのに3時間もかかってしまった!↓↓


左右の板を縦板にしてBOXを作る。
ネジで板を留めるにはドライバーが必要だが、ネジ長とドライバー長の隙間がないので、
ダボを入れて木工用ボンドで固定する作戦。
全ての板にボンドを塗り、上下、左右、奥の板を一発で固定するのが難しかった。



ここまで、朝9時〜夕方4時まで、昼ごはん抜きで作業を進めた。
当初、3時間もあれば終わる予定だったのに、7時間もかかってしまった。
書ききれない程、あっちこっちで予想外のハプニングが起こっている。

・横壁、奥の壁、床は、それぞれ完璧に直角と思っていたが、そうではなく、
 そこに気づかないから、板が思ったとおりにはまらない理由がわからない。
・板をはめるさい、腕が2本では足らないことに気がつく。(足と頭(≠脳)を使う。)
・指先に木工用ボンドがつく。板をはめるために手を洗わなければならない。
 慌ててるから洗面の蛇口を開く。配管がないから床が水浸しになる。
 配管にビニール袋をつけたのは、事故後。

右側のBOXを作り、設置し終え、失敗しやすい箇所のイメージがわいた。
左側のBOXを作る工程を再確認。
別の日に作業を開始。

左端に板を入れる。
金具を外した時に天板が下がらないように、薄い板を入れて隙間を埋めるのだが、
そのままでは入らない。
誰かが天板を力づくで持ち上げて隙間を広げておいてくれれば作業が楽だが、
誰も手伝ってくれないので自分でするしかない。
床に寝そべって両足の裏で押し上げようとするが、足が短く長さが足らないから、
ふくらはぎを使ってつま先立ちになるも、やっぱり長さが足らない。
そこで、腹筋を使ってケツを浮かして踏ん張る。
スペースを埋める板は場所により厚みが違うから、ヤスリで削ってははめ、外し、
削ってははめ、外しを繰り返す。
この姿勢に入るたび、毎回私がうめき声を上げるので妻が気がつき飛んできた。
最初は、何でこの場所で足上げ腹筋をしてるのか?考えた、と言う。
こんな場所で、足上げ腹筋なんて、するかっ!
もう、全身、汗だくだ。





            ↓↓壁から伸びていた、邪魔だった金具を完全に撤去!↓↓


                  ↓↓左側BOXもネジは使えず、木工用ボンドのみで固定。↓↓



                            ↑↑↑引き出しをつける左右のBOXが完成↑↑↑

引き出しに使うスライドレールは、長さ50cm。
『AIWA金属株式会社、KAGU、スライドレール、ベアリングタイプ』

引き出しそのものの奥行きが50cmで、引っ張り出した時に出てくるレール長も50cm。
だから、引き出しの一番奥に入れたものも取りやすい。
奥行き50cmの引き出し収納、既製品では存在しないと思う。
収納力をアップするために、奥行きにこだわった。

妻と相談し、微妙に深さは変えるものの、左右とも4段の引き出しを作ることにした。
8段の引き出しだから、レールは16本必要だ。
ホームズにもコーナンにも、同じものがあったが、在庫は4個程度。
引き出しに使う板はコーナン・オリジナルのヒノキの修正材。
こちらも在庫があまりなく、引き出しはちょっとずつしか作れないので、
スライドレールも入荷次第、少しずつ買い増した。


ヒノキの修正材で引き出しとなる箱を作る。

スライドレールの幅は片側1.25cm、左右で2.5cm。
2.5cm厚の端材と厚紙で、引き出しの所望の幅を作る。
右側BOXの内側を、引き出しの枠にして木工用ボンドで固定。
この作業を4回繰り返して、4段の引き出しの箱を作った。

スライドレールを取り付ける。
 





引き出しに天板をつけたところ。




続いて、左側の引き出しを作る。

右側は、幅22.5cmの箱なので、重いものを収納する可能性は少なく、ネジは使わなかったが、
左側は、幅69cmの箱で、重いものが入っても大丈夫なように、慎重にネジも使って作る。





バーベルプレートを載せて、確実にボンドを接着


箱にスライドレールをつけ、取っ手付きの天板をつければ、引き出し完成。


左BOXの一番下、高さのある液体の入ったボトルを主に収納する引出し。


完成間近


嬉しくて、完成を待てず、必要もないのに写真を撮ってしまった。。



ついに、完成!





          ↑↑↑それぞれの引き出しが、ほぼ水平になっているのが嬉しい↑↑↑

どこを測ってもほぼ水平になるようにネジ穴の位置決めが一番難しかった。





特に、スライドレールを50cm引き出したときに水平になるように、また
引っ張り出した時と、しまった時、引き出しの間隔が同じになるようにすることに神経を使った。




材料代

天板を支える左右のBOX  3m×50cm×2.5cm 2枚  ¥10260

スライドレール ¥1180×16本=¥18880

取っ手
右 ¥595×4=¥2380
左 ¥880×4=¥3520

右側の引き出し 4段 ¥7020
(取っ手をつけた天板は余り木を使用)

左側の引き出し 4段 ¥15910
          天板  ¥2760

ネジ各種 ¥2000

合計 ¥62730