炭水化物と血糖値
血糖値という言葉を聞いたことがありますよね? インシュリン、はどうですか?
いずれも炭水化物を摂取することと関係のある名前であり、
脂肪蓄積をコントロールする重要な役割をしています。
炭水化物は消化されるとグリコーゲンになります。
血液中にグリコーゲンが増えると血糖値が上がり、血糖値を下げるためにインシュリンが分泌されます。
インシュリンが分泌されると体は脂肪を蓄え始めます。
従って、インシュリンが分泌されないように、血糖値を上げないような食生活をすることが、
ダイエットに最も成功する方法です。
体が一生の間に生産できるインシュリンの量は決まっています。
限られた量しか作ることはできません。 最近、糖尿病が若い世代にも増えています。
これは、食が豊かになり、血糖値が上がる食生活を続けたため、血糖値を下げるために、
限られた量しか生産できないインシュリンを体がどんどん分泌したために、
底尽きてしまったためではないでしょうか?
または、インシュリンを乱用しすぎて、血糖値を下げる効果が弱まったためかもしれません。
では、血糖値を上げにくい食事(炭水化物)、とはどのようなものでしょうか?
一般的には精製された炭水化物ほど血糖値が上がりやすいと言われています。
精製された、加工された、手を加えられた炭水化物ほど太りやすいわけです。
玄米より白米、茶色い食パンより白い食パン、
小麦粉を練った製品(パスタ等)よりシリアルの方が太りやすいのです。
シリアルは体に良いと思われがちです。
確かに、必要な栄養素は添加されているかもしれませんが、
基本的には加工されていますので、砂糖を食べているようなものです。
砂糖、アメ、チョコレート、甘い菓子類は全て同類です。
実はアルコール類も全て、体内に吸収されると、ほぼ純粋な砂糖と同じ程度、血糖値を上げます。
この血糖値が上がりやすいかどうかを計る指数が グリセリック指数(glycemic index) です。
指数の値が大きいほど血糖値は上がりやすく、指数が小さいほど血糖値は上がりにくいのです。
血糖値が上がりやすい食事のもうもう一つは、炭水化物のみの食事です。
うどん、そば、ラーメン、中華麺、カレー、チャーハン、おにぎり、五目ずし、菓子パン等、
手軽に食べる食事、とくに昼食やおやつに食べるものには、
炭水化物の割合が9割以上のものが多いようです。
炭水化物だけを食べると血糖値は上がりやすいのです。
ところが炭水化物と一緒にたんぱく質を摂ると、消化速度が遅くなり、血糖値の上昇速度も低下します。
例えば、おにぎりと一緒にゆで卵を食べるのと、おにぎりのみを食べるのとでは、
血糖値の上がり方が違います。
炭水化物と脂肪の組み合わせはどうでしょう?
炭水化物が血糖値を上げ、脂肪を蓄えやすい環境を作るわけですから、
そこに脂肪があればすぐに体脂肪として蓄積を開始します。
ケーキやアイスクリームが太りやすいのは、糖と脂肪を同時に摂取するためなのです。
朝から夜までの間で炭水化物を食べても最も太らないのは朝から昼にかけてです。
1日のうち、早い時間に炭水化物を摂り、
夕方にかけてはたんぱく質の比率の高い食事にシフトしていきましょう。