体重の減り方


体重が同じでも、人それぞれ体脂肪率、筋肉の種類の構成(遅筋、速筋)、代謝の速度等が違うので、
体重 XXkg の人は 〇〇〇〇kcal 食べれば △△kg まで体重が落とせるという、
万人向けの方程式があるわけではありません。
試行錯誤しながら、除々に自分の体重と食事に関する相関関係のデータを集め、
自分だけに有効な総カロリー数を導き出すのです。
途中であきらめてしまえば、データすら収集ができず、
何度ダイエットを試してもいつも失敗に終わってしまいます。
また、人から聞いたダイエット法を試そうと、
雑誌に載っているダイエット法を書いてあるとおりに実行しようと、失敗することの方が多いのです。

なぜ体が脂肪を蓄えるのか?
体のメカニズムを理解したうえで、いろいろなダイエット法に関する書物を読んでみると、
試さなくても、成功するか、失敗するかおよその見当がつきます。
また、書かれているとおりに試しても失敗するであろうが、
少し手を加え、自分の体に合ったメニューに作り変えれば成功するであろう、ということも分かるのです。
おいしいものを、食べたいだけ食べられない、という苦痛にせっかくチャレンジするのですから、
努力を無にしないよう、脂肪蓄積のメカニズムを先に理解してから、一発で成功しましょう。


どうやら体重は一定の割合で減らないようです。
これがまた、ダイエットを途中であきらめてしまう原因ではないでしょうか?
個人差はありますが、摂取する総カロリー数に見合った体重があります。

ある人は   体   重   80kg を維持するのに 3000kcal必要だったとします。
その人が 減量に成功して 75kg を維持するのに 2800kcal
                  70kg を維持するのに 2500kcal必要だったとします。

この人が 80kg から 70kg に体重を落とすことを決め、食事量を 2500kcal に制限したとします。
体重は時間をかければ 70kg まで落ちますが、一定の速度では落ちません。
最初はおそらく 78kg 位までスッと減りますが、その後 78kg以下に下がらないのです。
「飢餓モード」を覚えていますか?
体は代謝速度を遅くし、2500kcal でも 80kg を維持しようと戦っているのです。
しかし、総カロリー数がどうしても足らず、78kg まで落ちてしまいました。
でも、体は 2500kcal あれば 78kg をなんとか維持できるのです。
何日か、何週間かすると、ついに体は 78kg も維持できず、
少しずつだらだらと 75kg まで落ちていきます。
そして 2500kcal しか食べておらず、300kcal 足りませんが 75kg でまた体は耐えようとするのです。
さらに「飢餓モード」が働き、少ないエネルギーで生き延びようとしているのです。
この間、この人は筋肉の量が減らないように、体が筋肉を燃やさないように、無酸素運動を続けます。
さらに「飢餓モード」が少しでも和らぐように、代謝速度を早めるために、有酸素運動もこなします。
その後、何週間、何ヶ月かすると、ついに我慢比べでこの人は自分の体に勝ち、
70kg までゆっくり体重を落としていくことに成功します。
ダイエットに成功しても 70kg を維持するために 2500kcal の食事をずっと続けることにしました。
元の食生活(3000kcal)に戻れば体重も 80kg に戻ってしまうことを知っているからです。

ところが何年かして、たまには友人と食事に行こうか、と、ある日町へ出かけました。
勧められるままに酒を飲み、久々のおいしいご馳走を腹いっぱい食べてしまいました。
次の日、恐る恐る体重計に乗ってみると、意外なことに体重は 70kg のままでした。
またある日、別の友人に誘われ、高カロリーの料理を食べてしまいます。
ところが、次の日も体重は全く増えていません。
(なーんだ、少々食べても大丈夫だ!)と、除々に不摂生が増えていきます。
そして何ヶ月かすると、ジリジリ、少しずつ体重は増えていくのです。

これは何故でしょうか?
ダイエットに成功したケースの逆の原理で、体がもつ 「現在の体重を維持しよう」 と努力する能力のためです。
摂取カロリーが減った時には、代謝速度を遅めて「飢餓モード」に入り、体重が減らないようにコントロールします。
反対に、摂取カロリーが増えると、代謝速度を早めて余分なカロリーを燃やし、体重を維持するのです。
ちょうど痩せの大食いがいくら食べても太らないのと同じ原理です。
しかし、この人は元々は痩せの大食いだったわけではありません。
どちらかというと、太りやすい体質の持ち主だったのです。
数週間、数ヶ月、数年は体は余分なカロリーを燃焼してくれますが、
いずれは燃やす必要がないので、体は余分なエネルギーを脂肪として蓄えることにするのです。

もしあなたがダイエットを始めてしばらく経つのに、体重が思うように減らないとき、思い出してください。
本当に以前より、食事量、総カロリーは減っているのか?
もしそうなら、無酸素運動をして筋肉の量は減っていないか?
有酸素運動をして代謝速度が下がらない努力をしているのか?
もしそうなら、がんばってもうしばらく様子をみてください。
きっと時機に、少しずつですが体重は減っていきますよ。

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